Mars&Jupiter

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忙しい一日そして、アルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲を聴きながら

2009-04-22 04:46:29 | 古典~現代音楽オーストリア編
昨日は夕方雨が降り続いたのでウォーキングを休みました。
ここのところ毎日が忙しく、今日も遅くまで仕事が続いた。
時間をうまく使うことが大事だろうが、難しいものだ。
昨日聴いたのは1885年生まれのベルクの作品。
ベルクはウィーンの裕福な家庭に生まれ、
幼い時期から文学や音楽に興味を持ち、
15歳から作曲を独学で試みるようになった。
シェーンベルクに師事し、ウェーベルンとともに、
新ウィーン楽派の中心的人物として活躍し、
無調・十二音技法と伝統的な調性のある音楽を折衷させ、
彼独特の作風を作品の中に確立させていった人物である。

ヴァイオリン協奏曲は1935年に作曲された。
「ある天使の思い出に」という献辞が付けられている。
これはアルマ・マーラーがヴァルター・グロピウスとの間に
もうけたマノン・グロピウスが19歳で亡くなったこと聞き、
このマノンを可愛がっていたベルクが、
その死を悼んで作曲し、一気に完成させた作品である。
十二音技法で書かれ、二つの楽章からなっている。
今回聴いたCDの演奏はアンネ・ゾフィー・ムターのヴァイオリン、
ジェームズ・レヴァイン指揮、シカゴ交響楽団によるものである。

第一楽章アンダンテ-アレグレットは、ソナタ形式で書かれ、
夢の中にいるような音楽で始まり、独奏ヴァイオリンが入り、
揺れ動くように旋律を奏していくが、後半は舞踏風の音楽となる。
ヴァイオリンは管弦楽とともにやがて激しくなり、盛り上げる。
そのあとは一旦静まるが、やがて舞踏風の音楽が再び現れ、
最後は管弦楽中心に盛り上がったあと、静かに終わる。
この楽章はマノンという人物を音楽的に描写したようだ。

第二楽章アレグロ-アダージョは、
管弦楽の荒々しい音楽から始まり、独奏ヴァイオリンが入り、
独奏ヴァイオリンが高度な演奏技術を要するような
速いパッセージを奏でていき、見せ場をつくっていく。
ヴォツェックを思わせるような荒涼とした音楽が続き、
激しく緊張感のある音楽となり、盛り上がりをみせる。
そのあとはゆったりとしたテンポとなり、
教会風のコラール的な穏やかな音楽となり、
これらはマノンの病気との闘いと、
死による浄化の世界を表現しているようだ。
だからこそ後半以降は天上の音楽のようでもある。
最後はマノンの冥福を祈るかのように、静かに終わる。

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