<太田焼きそば>
(あったぞ! あそこだ)
進行方向の右側に目当ての店である「峯岸大和屋」を発見した。
店の前の駐車スペースはいっぱいである。
向かい側にコンビニと珈琲館があり、共用らしい広い駐車場があったのでちゃっかり拝借することにした。あとで、煙草でも買えばいいだろう。
車をロックすると店に急ぐ。
昭和レトロな店内である。
入ってすぐのところにショーケースがあり、旨そうな和菓子が並んでいる。その右手奥が厨房で焼きそばを焼いている。
焼きそば、その量で特大、大、中、小と四種類あるようだ。
ショーケースの脇を抜けて、テーブル席が四卓と小上がりがあり、若者二人以外はいずれも家族連れで満卓だ。
立って待っている先客は二組いて、いずれも持ち帰りのようである。
「なににしますか」
「焼きそばの小をひとつください」
小がメニューにある店の場合は、わたしは迷わず「小」を頼むと決めている。それに次の予定もあるのである。代金は二百三十円也とこちらも安い。
「持ち帰りですか、食べていきますか」
車のなかだと写真を撮りにくいので、「食べていく」と答えた。
テーブルをなんとなく見ていると、焼きそばだけではなく、サイドメニューでだんごとか、ところ天とか、どら焼きを食べている。
持ち帰りの客が、出来あがった焼きそばに「あんバターどら焼き」を追加していた。バターどら焼きが百二十円、あんバターどら焼きが百三十円とすこぶる安い。きっとここは地元に愛されている店なのだろう。
振り返ると客の列ができている。すごい人気だ。ただ、持ち帰り客の割合が多い。
スマホでしきりに画像を撮りながら、大盛りを食べ終えた若者二人が土産にどら焼きをいくつ買うか相談していた。
四人掛けの席が空くと、「どうぞ」と言われ、腰をおろす。卓の上には灰皿と七味唐辛子の容器が載っていた。
「あのー、あんバターどら焼きをください」
時間がかかりそうなので、周りのひとに見習うことにしたのだ。ほかに誰も煙草を吸っていないので我慢するから口寂しいのもある。
あっさりした甘味の餡子とちょっとチープっぽいバターが妙にマッチしていて、これがなかなかに美味しい。
群馬県の太田は「焼きそばの街」である。静岡県の富士宮、秋田県の横手とともに「三国同麺」を結成したこともあるそうで、なんとも面白い。
ただ、太田焼きそばは濃いソースを使うのでイカスミパスタのように真っ黒な出来あがりの店が多く、腰が引けたっていうか、ぜひとも食べてみようとは思わなかった。
この店の焼きそばの写真をみて、引けた腰がひょいと戻り「これなら食ってみるとするか」と出掛けてきたのだ。
「お待ちどうさまでした」
運ばれてきた焼きそばは、真っ黒ではなくいかにも食欲をそそる色合いである。麺の太さは横浜の龍王の焼きそばとほぼ同じである。具はシンプルにキャベツだけみたいだ。
さてと、四人掛けを一人だし、かなりな行列なのでなるべく早くテーブルを空けてあげねばなるまい。
うーむ、やはりちょっと甘いかな。子どもにはいいが、酒呑みにはちょっとね。七味唐辛子の出番だ。男性客はだいたいみな掛けて食べていた。
唐辛子をまんべんなく掛けて辛みをつけると、丁度いい味になり、あっというまに食べきった。
持ち帰りにして、車のなかで食べなくて正解である。この焼きそばに唐辛子は必須アイテムだ。
代金三百六十円を支払い、外まで続く客の列をすり抜けて外へ出る。
小腹を満たしたていどのいまなら、近くである佐野のラーメンもいけそうな気分である。おっとそうだ、まずは駐車場代がわりにコンビニで煙草を買わなければ、な。
→「横浜駅、穴場メシ」の記事はこちら
→「いもフライと佐野ラーメン(1)」の記事はこちら
→「いもフライと佐野ラーメン(2)」の記事はこちら
→「富士宮焼きそば」の記事はこちら
(あったぞ! あそこだ)
進行方向の右側に目当ての店である「峯岸大和屋」を発見した。
店の前の駐車スペースはいっぱいである。
向かい側にコンビニと珈琲館があり、共用らしい広い駐車場があったのでちゃっかり拝借することにした。あとで、煙草でも買えばいいだろう。
車をロックすると店に急ぐ。
昭和レトロな店内である。
入ってすぐのところにショーケースがあり、旨そうな和菓子が並んでいる。その右手奥が厨房で焼きそばを焼いている。
焼きそば、その量で特大、大、中、小と四種類あるようだ。
ショーケースの脇を抜けて、テーブル席が四卓と小上がりがあり、若者二人以外はいずれも家族連れで満卓だ。
立って待っている先客は二組いて、いずれも持ち帰りのようである。
「なににしますか」
「焼きそばの小をひとつください」
小がメニューにある店の場合は、わたしは迷わず「小」を頼むと決めている。それに次の予定もあるのである。代金は二百三十円也とこちらも安い。
「持ち帰りですか、食べていきますか」
車のなかだと写真を撮りにくいので、「食べていく」と答えた。
テーブルをなんとなく見ていると、焼きそばだけではなく、サイドメニューでだんごとか、ところ天とか、どら焼きを食べている。
持ち帰りの客が、出来あがった焼きそばに「あんバターどら焼き」を追加していた。バターどら焼きが百二十円、あんバターどら焼きが百三十円とすこぶる安い。きっとここは地元に愛されている店なのだろう。
振り返ると客の列ができている。すごい人気だ。ただ、持ち帰り客の割合が多い。
スマホでしきりに画像を撮りながら、大盛りを食べ終えた若者二人が土産にどら焼きをいくつ買うか相談していた。
四人掛けの席が空くと、「どうぞ」と言われ、腰をおろす。卓の上には灰皿と七味唐辛子の容器が載っていた。
「あのー、あんバターどら焼きをください」
時間がかかりそうなので、周りのひとに見習うことにしたのだ。ほかに誰も煙草を吸っていないので我慢するから口寂しいのもある。
あっさりした甘味の餡子とちょっとチープっぽいバターが妙にマッチしていて、これがなかなかに美味しい。
群馬県の太田は「焼きそばの街」である。静岡県の富士宮、秋田県の横手とともに「三国同麺」を結成したこともあるそうで、なんとも面白い。
ただ、太田焼きそばは濃いソースを使うのでイカスミパスタのように真っ黒な出来あがりの店が多く、腰が引けたっていうか、ぜひとも食べてみようとは思わなかった。
この店の焼きそばの写真をみて、引けた腰がひょいと戻り「これなら食ってみるとするか」と出掛けてきたのだ。
「お待ちどうさまでした」
運ばれてきた焼きそばは、真っ黒ではなくいかにも食欲をそそる色合いである。麺の太さは横浜の龍王の焼きそばとほぼ同じである。具はシンプルにキャベツだけみたいだ。
さてと、四人掛けを一人だし、かなりな行列なのでなるべく早くテーブルを空けてあげねばなるまい。
うーむ、やはりちょっと甘いかな。子どもにはいいが、酒呑みにはちょっとね。七味唐辛子の出番だ。男性客はだいたいみな掛けて食べていた。
唐辛子をまんべんなく掛けて辛みをつけると、丁度いい味になり、あっというまに食べきった。
持ち帰りにして、車のなかで食べなくて正解である。この焼きそばに唐辛子は必須アイテムだ。
代金三百六十円を支払い、外まで続く客の列をすり抜けて外へ出る。
小腹を満たしたていどのいまなら、近くである佐野のラーメンもいけそうな気分である。おっとそうだ、まずは駐車場代がわりにコンビニで煙草を買わなければ、な。
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