温泉クンの旅日記

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長崎ちゃんぽん

2010-10-27 | 食べある記
  <長崎ちゃんぽん>

「新地の中華街に行きたいのですが・・・」
 長崎市内の繁華街にあるタワー形式のパーキングの入り口に車を乗り入れて、窓を降ろして係りの若者に尋ねた。

「それでしたら、この駐車場に入れるとかなり遠いですから、そこの広い道路を右折して二つ目の信号を左折して、すこし行ったあたりの駐車場のほうが便利ですよ」
 黙って客として受け入れてしまえばいいのに、なんとまあ、優しい若者だろうと感心してしまう。

「申し訳ない、ありがとうございます。そうします」
 言われたとおりに車を走らせ、大きめな駐車場に車を入れた。
 どっちだろう、と思ったらすぐに中華街の北門が目に飛び込んできた。たしかに近い。



 さて、長崎市に来たなら「長崎ちゃんぽん」を食べなければ、まずなにごとも始まらない。(オマエだけだろーが)
 腹ペコである、早く食べたい。



 どこにしようか。
 豪勢な海鮮など、高い値段の長崎ちゃんぽんを売りにしている店もいくつかあった。
 目抜き通りを一往復する。



 脇道もすこしはいって、やっぱり最初の北門のそばの店に決めた。





 なぜなら、一番安かったからで、麺類だったら基本千円以内がわたしの基準であるのだ。
 いちおうメニューをみて、一番安いスタンダードの長崎ちゃんぽんと、喉が渇いていたのでアルコールなしのビールを注文した。

 長崎ちゃんぽんは、明治時代に「四海楼」という中華(福建)料理店で生まれた。日本に来ていた大勢の中国人に安くて栄養価の高いものを食べさせようと初代店主陳さんが考案したという。
 ちゃんぽんの語源は福建語の挨拶、あるいは福建語の「混ぜる」という言葉からきているというがいまひとつはっきりしない。

 だが沖縄料理の「チャンプルー」とはどこかでつながっているらしい。
 そういえば沖縄にいったときに「ちゃんぽん」というメニューがあったから、てっきり長崎ちゃんぽんかと注文したら、中華丼の化け物みたいのが運ばれて魂消たことがある。

 瓶からビールを注ぎ、ゆっくり飲みながらも実はイライラして料理の到着を待つ。
(やっと、来たぁー。これこれ!)



 まずはスープ・・・適度にまったりして濃厚過ぎないちゃんぽん独特な飽きが決してこない味だ。
 鶏がらスープが豚骨スープに勝っていて、魚介と野菜の味もしっかり出ている。九州一円のトンコツらーめんに影響を与えたというのもわかる。
 麺と具材とスープが三位一体となっており、どれを口に入れてもどうしようもなく旨い。

 一気に食べきってしまう。
 大盛にすればよかったか。もう、半分くらい食いたいが、これからけっこう運転するのでやめておいた。



 長崎ちゃんぽんは、この店の「命」ですといいきるだけのことはあった。
 安くて旨い、それは長崎ちゃんぽんの真髄なのだ。


   →「長崎のトルコライス」の記事はこちら

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