<志摩の国温泉(1)>
近鉄志摩線の「鵜方(うがた)駅」は、思った以上に立派で大きな駅だった。
たっぷりの時間を潰しまくり、2時半ごろからバス停のベンチで座って待つ。
当初、昼前に横山展望台から鵜方駅に戻ったら、駅舎だけの撮り鉄としてはわずか5分でいける2駅先の終点「賢島駅」まで行くつもりだったのだが・・・展望台の往復で疲労困憊、断念してしまったのだ。
やがて宿のロゴが入ったマイクロバスがやってきた。ありがたい。宿の定時送迎マイクロバスは本来、15時半と16時半だったのだが、前日までの連絡のときに無理をいって早めてもらったのだ。
わたしを拾うと、バスはきびきびとした運転で宿に向かった。駅からの所要時間15分とあったが、普通の運転なら20分はかかるのではないか。
宿の横にある広い駐車場には、チェックインタイムの3時丁度に着いた。
大型旅館ではなく、とても小体な温泉旅館「心湯あそび ねぼーや」である。
玄関を入り、スリッパに履き替えると、落ち着いた雰囲気のロビースペースを進む。
フロントで一連のチェックイン手続きをしたあと、無料の貸切風呂の説明があった。3種類あって、空いていれば何回でも好きなだけ利用できる。フロント横に、3種類の札が掛かっているので、それを持っていって貸切風呂の扉に掛けて入浴する仕組みだ。
「あ、そうだ。明日は鵜方駅発10時20分発の電車に乗りたいのですが・・・」
チェックイン時に翌朝の送りのバスを予約しなければならない。定時は10時と11時の2本。
「それでしたら、念のため15分早めて9時45分としましょう」
打てば響くで、ありがたい。迎えと送りの両方、無理を聞いてくれていやはや恐れ入ってしまう。公称の所要時間15分だと、いかにも慌ただしいなと思っていたところだ。
部屋にいき、電光石火の着替えをすませると、まずは貸切風呂からだ。
岩と木と壺の3種類のうち、木の「檜美の湯」を選ぶ。
「あれっ、『木の温もりを感じながら温泉をご満喫ください』って、木じゃないじゃん!」
てっきり檜風呂と思っていたので、ずっこけてしまう。
気をとりなおして、しっかり掛け湯をすると浴槽を満たす薄茶色の温泉に身を沈めた。
湯のなかで、展望台往復で疲れ切った足首とふくらはぎを入念にマッサージする。
あっと言う間に出て着替えると、もっと脚を楽に伸ばせる、広い内湯のほうへ移動することにした。
(よし、内湯も独り占めだ・・・)
風光明媚な志摩には観光スポットが多い。宿泊客も、まずそれぞれの目的の観光を済ませてからのチェックインの運びになるだろう。と読んだのが当たったようだ。
初回の入浴だが、温泉を愉しむというよりは、明日以降の旅のことを考えてひたすら身体のケアに終始してしまった。
2階の自分の部屋に戻り、脱ぎ散らかした衣類を片づけ、ゆっくりすることにした。
広いツインベッドの部屋である。客室数12部屋の宿なので、きっと2、3人用の部屋が多いのだろうが、単純に嬉しい。ただ、エレベーターがないようなので、脚が悪いときは一階の部屋を指定したほうがよさそうだ。
さてと、まずは持ちこんだ芋焼酎で水割りをつくるとするか。
― 続く ―
→「志摩の絶景」の記事はこちら
近鉄志摩線の「鵜方(うがた)駅」は、思った以上に立派で大きな駅だった。
たっぷりの時間を潰しまくり、2時半ごろからバス停のベンチで座って待つ。
当初、昼前に横山展望台から鵜方駅に戻ったら、駅舎だけの撮り鉄としてはわずか5分でいける2駅先の終点「賢島駅」まで行くつもりだったのだが・・・展望台の往復で疲労困憊、断念してしまったのだ。
やがて宿のロゴが入ったマイクロバスがやってきた。ありがたい。宿の定時送迎マイクロバスは本来、15時半と16時半だったのだが、前日までの連絡のときに無理をいって早めてもらったのだ。
わたしを拾うと、バスはきびきびとした運転で宿に向かった。駅からの所要時間15分とあったが、普通の運転なら20分はかかるのではないか。
宿の横にある広い駐車場には、チェックインタイムの3時丁度に着いた。
大型旅館ではなく、とても小体な温泉旅館「心湯あそび ねぼーや」である。
玄関を入り、スリッパに履き替えると、落ち着いた雰囲気のロビースペースを進む。
フロントで一連のチェックイン手続きをしたあと、無料の貸切風呂の説明があった。3種類あって、空いていれば何回でも好きなだけ利用できる。フロント横に、3種類の札が掛かっているので、それを持っていって貸切風呂の扉に掛けて入浴する仕組みだ。
「あ、そうだ。明日は鵜方駅発10時20分発の電車に乗りたいのですが・・・」
チェックイン時に翌朝の送りのバスを予約しなければならない。定時は10時と11時の2本。
「それでしたら、念のため15分早めて9時45分としましょう」
打てば響くで、ありがたい。迎えと送りの両方、無理を聞いてくれていやはや恐れ入ってしまう。公称の所要時間15分だと、いかにも慌ただしいなと思っていたところだ。
部屋にいき、電光石火の着替えをすませると、まずは貸切風呂からだ。
岩と木と壺の3種類のうち、木の「檜美の湯」を選ぶ。
「あれっ、『木の温もりを感じながら温泉をご満喫ください』って、木じゃないじゃん!」
てっきり檜風呂と思っていたので、ずっこけてしまう。
気をとりなおして、しっかり掛け湯をすると浴槽を満たす薄茶色の温泉に身を沈めた。
湯のなかで、展望台往復で疲れ切った足首とふくらはぎを入念にマッサージする。
あっと言う間に出て着替えると、もっと脚を楽に伸ばせる、広い内湯のほうへ移動することにした。
(よし、内湯も独り占めだ・・・)
風光明媚な志摩には観光スポットが多い。宿泊客も、まずそれぞれの目的の観光を済ませてからのチェックインの運びになるだろう。と読んだのが当たったようだ。
初回の入浴だが、温泉を愉しむというよりは、明日以降の旅のことを考えてひたすら身体のケアに終始してしまった。
2階の自分の部屋に戻り、脱ぎ散らかした衣類を片づけ、ゆっくりすることにした。
広いツインベッドの部屋である。客室数12部屋の宿なので、きっと2、3人用の部屋が多いのだろうが、単純に嬉しい。ただ、エレベーターがないようなので、脚が悪いときは一階の部屋を指定したほうがよさそうだ。
さてと、まずは持ちこんだ芋焼酎で水割りをつくるとするか。
― 続く ―
→「志摩の絶景」の記事はこちら
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます