<帯広駅界隈>
「ホテルを出たら、右に向けて真っ直ぐいけば帯広駅になります」
フロントのいかにも初々しい女性が元気よく教えてくれた。
車をホテルの駐車場に放り込み、チェックインして部屋に荷物を置くと、元気なうちに駅に向かうことにした。旅にカメラを携行するようになってから、訪れた旅先では<駅だけ撮り鉄>に変身するわたしである。
どれくらいか訊くと、五百メートルたらずで五分もあれば充分と、ありがたい返事が返ってくる。
歩きはじめてすぐ、ホテルの隣の広い空き地の前で足をとめる。
「これって馬車?」
馬こそいないが、旅客を運ぶ馬車の客車部分みたいだ。横っ腹に「BASHA BAR」とある。あとでフロントに訊いたところ、別のホテルが運営しているのだそうだが、一日三便、帯広の夜の街をワンドリンクとつまみ付きで、ばんえい十勝で活躍した輓馬が曳く50分の馬車ツアーに使われている。家族連れやカップルにとても人気があるという。一階席で三千三百円。二階は寒そうだ。それにわたしがたった一杯ですむはずもない。
根室本線の帯広駅。駅だけ撮り鉄には、面白くもなんともない、ありふれすぎる駅の風景である。
帯広の地名だが、アイヌ語の「オペレペレケプ(川尻が幾重にも裂けているもの)」の音から「帯」をとって、十勝平野の広大さにちなみ「広」をつけたとされる。
さあて次だ。帯広に来たのなら「六花亭本店」に寄らずにはいられない。
宿泊するホテルの向かいにあるので、来た道を戻る。車の通行量がきわめて少ないだけで、周りの街並みも都会と変わらない。
「六花亭本店」の今回のお目当ては、賞味期限がわずか3時間という“サクサクパイ”だ。
もともと帯広本店のみの限定品であったが、いまは西三条店と帯広空港店でも手に入るそうで、いずれにしても帯広だけの門外不出、当地限定である。賞味期限3時間だからお土産にするわけにもいかない。
「どこだ、どこだ・・・あった!」
百円玉二枚を払いバラで一個を手に入れると、勝手知ったる“イートインスペース”へ。無料サービスのコーヒー付き、安いものである。
「サクサクパイ」は、出来たてだからパサパサ感ゼロのコルネ状のパイのなかに、生カスタードクリームがたっぷり詰まっている。
あっさりとした上品な甘味のカスタードクリームを、これ以上のサクサク感はないといったパイに包まれている。
旨かった。一本だけでも大満足、これで花畑牧場の「ホットキャラメルソフトクリーム」の口直し完了だ。
(おっ、あれってパン屋じゃないか!?)
六花亭を出てぶらついていて見つけたのは、なんと1950年創業の老舗パン屋で、「懐古菓子パン 満寿屋(ますや)」の看板の横に、アンパンを初めに三十種類ほどのパン名がずらずら書かれている。
早い出発にするために本日は“素泊まり”である。「ドーミーイン帯広」は倉敷で泊まったことのある系列ホテルで、天然温泉もあるし夜食付きなので選んだ。
有名な十勝川温泉には前に泊まったことがある。それでもしつこく今日は立ち寄り湯をしようと思ったのだが、立ち寄り湯開始時間に早すぎてあきらめた。その断念した“モール温泉“の内湯があるのである。
よし、あそこで朝食をゲットしよう。
店内に入るとコロッケパン、ナポリタンサンド、白スパサンド、タマゴハムサンドなどが処狭しと並んでいて、悩むわ悩むわ。結局、好物の「ますや自家製カレーパン」と昔懐かしい焼そばパンをチョイス。
なにしろ帯広では倹約一筋と決めていた。
あとは老舗酒場など目もくれず、軽く一杯できる安酒場を探すだけだ。
→「六花亭のふらの餅」の記事はこちら
→「十勝、花畑牧場から幸福駅」の記事はこちら
→「倉敷 美観地区(1)」の記事はこちら
「ホテルを出たら、右に向けて真っ直ぐいけば帯広駅になります」
フロントのいかにも初々しい女性が元気よく教えてくれた。
車をホテルの駐車場に放り込み、チェックインして部屋に荷物を置くと、元気なうちに駅に向かうことにした。旅にカメラを携行するようになってから、訪れた旅先では<駅だけ撮り鉄>に変身するわたしである。
どれくらいか訊くと、五百メートルたらずで五分もあれば充分と、ありがたい返事が返ってくる。
歩きはじめてすぐ、ホテルの隣の広い空き地の前で足をとめる。
「これって馬車?」
馬こそいないが、旅客を運ぶ馬車の客車部分みたいだ。横っ腹に「BASHA BAR」とある。あとでフロントに訊いたところ、別のホテルが運営しているのだそうだが、一日三便、帯広の夜の街をワンドリンクとつまみ付きで、ばんえい十勝で活躍した輓馬が曳く50分の馬車ツアーに使われている。家族連れやカップルにとても人気があるという。一階席で三千三百円。二階は寒そうだ。それにわたしがたった一杯ですむはずもない。
根室本線の帯広駅。駅だけ撮り鉄には、面白くもなんともない、ありふれすぎる駅の風景である。
帯広の地名だが、アイヌ語の「オペレペレケプ(川尻が幾重にも裂けているもの)」の音から「帯」をとって、十勝平野の広大さにちなみ「広」をつけたとされる。
さあて次だ。帯広に来たのなら「六花亭本店」に寄らずにはいられない。
宿泊するホテルの向かいにあるので、来た道を戻る。車の通行量がきわめて少ないだけで、周りの街並みも都会と変わらない。
「六花亭本店」の今回のお目当ては、賞味期限がわずか3時間という“サクサクパイ”だ。
もともと帯広本店のみの限定品であったが、いまは西三条店と帯広空港店でも手に入るそうで、いずれにしても帯広だけの門外不出、当地限定である。賞味期限3時間だからお土産にするわけにもいかない。
「どこだ、どこだ・・・あった!」
百円玉二枚を払いバラで一個を手に入れると、勝手知ったる“イートインスペース”へ。無料サービスのコーヒー付き、安いものである。
「サクサクパイ」は、出来たてだからパサパサ感ゼロのコルネ状のパイのなかに、生カスタードクリームがたっぷり詰まっている。
あっさりとした上品な甘味のカスタードクリームを、これ以上のサクサク感はないといったパイに包まれている。
旨かった。一本だけでも大満足、これで花畑牧場の「ホットキャラメルソフトクリーム」の口直し完了だ。
(おっ、あれってパン屋じゃないか!?)
六花亭を出てぶらついていて見つけたのは、なんと1950年創業の老舗パン屋で、「懐古菓子パン 満寿屋(ますや)」の看板の横に、アンパンを初めに三十種類ほどのパン名がずらずら書かれている。
早い出発にするために本日は“素泊まり”である。「ドーミーイン帯広」は倉敷で泊まったことのある系列ホテルで、天然温泉もあるし夜食付きなので選んだ。
有名な十勝川温泉には前に泊まったことがある。それでもしつこく今日は立ち寄り湯をしようと思ったのだが、立ち寄り湯開始時間に早すぎてあきらめた。その断念した“モール温泉“の内湯があるのである。
よし、あそこで朝食をゲットしよう。
店内に入るとコロッケパン、ナポリタンサンド、白スパサンド、タマゴハムサンドなどが処狭しと並んでいて、悩むわ悩むわ。結局、好物の「ますや自家製カレーパン」と昔懐かしい焼そばパンをチョイス。
なにしろ帯広では倹約一筋と決めていた。
あとは老舗酒場など目もくれず、軽く一杯できる安酒場を探すだけだ。
→「六花亭のふらの餅」の記事はこちら
→「十勝、花畑牧場から幸福駅」の記事はこちら
→「倉敷 美観地区(1)」の記事はこちら
北海道が好きなので読んでいて、あの辺を歩かれたんだなぁと
想像して楽しかったです。
帯広や十勝川は2~3回しか泊まった事がないのですがドーミーイン帯広便利そう。
帯広駅って駅弁が売ってないんですよね!
以前、ぱんちょうで豚丼を食べて屈斜路湖に向かうのに
駅弁を買いに入ったんですけど、駅弁は豚丼(^_^;)
モール温泉、堪能されたんですね~
ツルツルすべすべですね(*^。^*)
いつもコメント頂きありがとうございます。
ドーミー系のビジネスホテルは、
どこもたいてい夜食と温泉があって重宝しています。
同じ系列の北海道で「ラビスタ函館ベイ」や、
伊豆でも「きらの里」、「ウェルスの森 伊東」なども良かったです。