温泉クンの旅日記

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飲み放題と岩窟風呂の宿(2)

2015-02-15 | 温泉エッセイ
  <飲み放題と岩窟風呂の宿(2)>

 泡だらけでがっかりした岩風呂の口直しになればいいが、と願いつつ岩窟風呂に向かう。



 洞窟の温泉というのは絶対数こそ少ないがそれほど珍しくはない。わたしは高所恐怖症の他に軽い閉所恐怖もあるので、洞窟風呂はあまり好きではない。しかし「岩窟風呂」という名前を付けたのが敬愛する脚本家の倉本總と知って、少なからず興味が湧いた。





 初代の社長が一年半をかけてドリル一本で掘ったそうだ。九州の黒川温泉「新明館」の、十年かけて鑿と槌で手掘りした洞窟風呂には及ばないが、それでも充分凄い。



 浴室はかなり暗い。
 足がいっぱいあるような怪しげな蟲がいないかと、思わず天井を見回してしまう。横浜には昔あちこちに防空壕があって子どもの遊び場になったものだが、たいていの防空壕には気持ち悪い蟲とぶら下がって寝ている蝙蝠がいたものだ。



 まず手前の小さなほうの浴槽に掛け湯してから入った。先ほど大浴場に浸かったせいかすこし温めである。温泉の匂いは満足できる。
 奥のほうにさっと移動して、こちらも用心して掛け湯してから入る。
 丁度いい。洞窟は嫌いだが、ここが一番満足できそうである。

 六時になって、二つの建物を二階部分で結ぶ渡廊下を通って吹き抜け部分の裏側にある二階レストランに向かった。



 ぜんぜん腹が減っていない。それはそのはずで。沼津港で食べ、車で菓子パン、ガーリックピラフをさきほど食べたばかりなのだ。



 飲み放題のバイキングだがそれぞれプラン用の鍋と懐石が整えてあるらしく、席は自由ではなく案内された。
 食べ物よりは、まずは酒だ。ビール、ワイン、日本酒、焼酎などいろいろある。



 スイーツ系も豊富な品ぞろえであった。





 おにぎりの具みたいなものが載ったわたしの皿をみてお婆ちゃんがクスリと笑った。
 芋焼酎が水割り状態で入っているタンクがあったので、湯呑み状の大きなぐい呑みに注いで自分の席に運ぶ。

 前に泊って一度で懲りた「飲み放題、食べ放題」の宿とは雰囲気が違う。客層が違うせいだろう。誰も「赤モノ(海老、蟹、鮪など)」に殺到しないし、酒類を一遍にいくつも運ぶ客もいない。

 わたしの前のテーブルのカップルの男性客が、やはり焼酎の水割りでなんとなくわたしに勝負を挑んできたような感じで、飲みきってお代わりをもらうタイミングがほぼ同じになってきた。
 水で割られた焼酎がどんどん濃くなってきているようで、わたしの徐々に早くなるペースに合わせているとあの彼氏潰れてしまうぞ・・・と、つまらない心配をしてしまう。


   ― 続く ―

  →「飲み放題と岩窟風呂の宿(1)」の記事はこちら
  →「伊東温泉、シメの納豆炒飯」の記事はこちら
  →「沼津港をぶらり(1)」の記事はこちら
  →「沼津港をぶらり(2)」の記事はこちら
  →「沼津港をぶらり(3)」の記事はこちら

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