温泉クンの旅日記

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海の初入院

2008-09-21 | うちのネコは世界一
  <海の初入院>

 海のおかげで忙しい一週間であった。



 月曜の夕方から、海の挙動が妙になった。
 自分のお尻をすごい勢いでパクパクと噛み付き、勢いあまってぐるぐる廻って
いる。

(かゆいのかな・・・)
 海は風邪もひいたこともない元気な猫なのだ。ノミでもいるのか。そんなふうに
思っていたが、あまりにも長い間真剣に同じことを繰り返すので、夜の八時ごろ
念のため電話をいれてから、ケージに押し込み近くの病院に連れていったのであ
る。

 検診台のうえにケージを置くが、怖がって出てこない。逆さまにしてやっと、
台のうえに落ちてきたが、海は緊張していて腹ばいのまま固まっている。

「お尻を噛んでいたんでしたね。海ちゃん、ちょっと失礼。ああ・・・、お尻の
左側が破裂していますね」
 若い女医さんが尻尾を持ち上げて、こともなげにスゴイことをいう。
「げっ、は、ハレツ! ですか?」
「お尻の両側に分泌物をためている袋のようなものがあるのですが、その片方が
破裂しています」
「・・・・はあ。それって大変なことでしょうか」
「いえ、だいじょうぶですが、すぐ治療したほうが」

 このまま入院させたほうがいいでしょう、今日が月曜ですから二日後くらいに
一度経過を電話で連絡します、ノミかと軽く思っていたから「破裂」のひとことに
頷くしかなかった。

「はぁ、なにぶんどうかよろしくお願いします」
 女医さんが抱き上げ奥の部屋に連れて行った。肩越しに、こちらをみる海の、
心細そうで不安いっぱいな顔がいやでも目に焼きついてしまう。
 寂しいが顔をみたら、里心を起こすだろうと我慢することにした。

 水曜日に連絡があり、経過は良好であるが、ストレスから食欲がないので点滴を
しているとのことであった。
 面会はかまわない、ということで木曜日に恐る恐る顔を見にいくと、げっそり
やつれた顔で哀れっぽくうなだれており、
「海!」
 と呼ぶと、一瞬にして瞳に力がこもったが、みるみる怒りの形相に変わった。
(こんなとこいや、すぐに出して連れて帰って!)

 そんな訴えがこもっていたのだった。
 それでも心を鬼にして帰ったのだが、情けない寂しげな海の姿がどうにも哀れ
で、次の日に頼み込んで退院させたのであった。もちろん毎日通院します、との
条件付だが。





 エリザベス・カラーというのか、パラボラアンテナのようなものをつけているの
で、ゴンゴンあちこちにぶつけて歩くのは難儀している。



 耳を脚で掻くこともできないし、脚も背中も舐められないので相当不機嫌そう
だ。あちこち掻いてやると、いかにも嬉しそうだ。



 お尻を抉られているので、普通に座れないから、投げ出すように横になるのだ
が、アンテナがいかにも邪魔そうだ。



 それでも、家に帰ってきて徐々に穏やかになってきたのである。
 食欲もすこしだけ戻りつつある。



 通院するのにケージにいれようとしたら、悪夢のような入院のあれこれを鮮やか
に思い出したのだろう、狂ったように大暴れして入らないので、大きめなエコバッ
グに突っ込んで通院することにしたのだった。



 通院は毎日注射であと一週間くらい。
 ついでに、海のあちこちみてみたもらったところ、まったくの健康体ということ
でひと安心。


  →「夏バテの海-2008年」の記事はこちら

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