温泉クンの旅日記

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八幡野温泉郷(3) 静岡・伊東

2015-07-12 | 温泉エッセイ
  <伊豆で九州宿(3)>

 足の弱い宿泊客にはフロントの後ろにも宿泊棟があるので、たぶんそこにエレベーターとか風呂もありそうである。



 安いプランを偶然みつけて、あまり期待せずに来たのが良かったのだろう。
 チェックインの際、新潟の「角神温泉」クラスの無礼な接客をフロントで受けたほかは、接客もサービスも充分満足できた宿であった。彼だけ臨機応変とはほど遠い、マニュアル通りの接客を杓子定規にしているのだろう。



 十年くらい前から知っていたと書いたが、正確にいえば「きらの里」のオープンは2006年であるので創業十年に満たない。まだ歴史が浅い宿だ。
 わたしは代々続く老舗宿が文句なしに好きだが、この宿もかなりいいレベルだと思う。
 きっと九年間という月日の切磋琢磨な積み重ねがここで働く従業員たちの接客とサービスを洗練向上させて今があるのだ。だから「もっと早く来れば良かった」との後悔は微塵もない。

 夕食はチェックイン時に、溶岩焼きか海鮮しゃぶしゃぶか、どちらかのコースを選ぶシステムで時間も二部制になっているとのことだったが、あの無礼なフロントに時間もコースも押しつけられるように決められてしまった。もっともこれは、呑むほうが優先であまり「食」に拘らない鷹揚なわたしなのでたいして腹も立たなかった。



 食事処は「楽庵」という施設内に二か所ある。ひとつが海鮮料理の「海つばき」で、もうひとつが溶岩焼きの「山ぼうし」だ。わたしが宿泊している、少人数向けの部屋もこの奥である。



 前菜は季節の果実酒、雲丹豆腐、御所麩と無花果のピーナツクリーム掛け、〆鯵小袖寿司、湯葉八幡巻木の芽焼き、明太蓮根、谷中生姜、おかか梅。



 どれも美味しくて、いつも半分くらい残してしまうわたしがすべて食べきった。
 先椀は玉蜀黍の冷製スープ。これはお代わりしたくなるほど最高に絶品であった。



 季節の盛合せのお造里と芽物一式。





 せっかくの刺身なので、芋の水割りから酒に切り替えた。
 焼物は鱸と茄子の蓼味噌掛け、川海老、姫もろこし、胡麻麩。これは普通の味だ。



 そしてメインの野菜たっぶりの海鮮しゃぶしゃぶと続いたが、限界が近づいたわたしは金目と水菜を少々でギブアップ。
 食事は新生姜と桜海老の炊き込みご飯、冷し稲庭うどんと天麩羅、海鮮出汁雑炊から選べるのだが、わたしは炊き込みご飯を選んだ。



 稲庭うどんを頼んだ後ろの卓から「旨くない」との声が聞えた。炊き込みご飯、正解であった。
 最後の水菓子は、季節のソルベ、冷菓子、羊羹。



 かなり満足できる夕食であった。

  ― 続く ―


   →「角神温泉」の記事はこちら
   →「伊豆で九州宿(1)」の記事はこちら
   →「伊豆で九州宿(2)」の記事はこちら

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