スナックちゃんぽん、からのォ～コース中華（１）

　＜スナックちゃんぽん、からのォ～コース中華（１）＞

　八重洲で用事をすませて時計をみると、昼前である。

（さて、昼メシをどうしようか・・・）
　今日は午後二時から横浜で同窓会がある。開催場所が東口の崎陽軒本店で会費からすると呑み放題つきの簡単なコースの食事があるはずで、腹が減ったのだがしっかり食べるわけにはいかない。個人的にはコースより、名物シウマイと焼きそばくらいで、締めに半炒飯なんかで充分なのだが、ね。

　なるたけ軽めというと喫茶店でサンドイッチかな・・・。他になにかないか。あ、閃いたぞ。
　有楽町に向かって歩きだす。

　ポテトサラダがやたらに美味しい居酒屋でたらふく呑んだときだ。



　二軒目の酒場を探していたときに、どこも満員でようやく座れた店で、軽く仕上げの呑みと締めに長崎ちゃんぽんを食べたのだ。煙草も吸えた。
　ちゃんぽんの量が普通、ミドル、スナックと三段階ある。

　　長崎ちゃんぽん　普通・・・野菜　255ｇ、麺　200ｇ
　　　　　　　　　　ミドル・・・野菜　247ｇ、麺　150ｇ
　　　　　　　　　　スナック・・・野菜　127ｇ、麺　100ｇ

　そのときに食べたスナックちゃんぽんという一番小さいのが丁度ジャストに旨かったのだ。今日の状況なら最適の量といえる。値段は税込みで四百五十三円、ワンコイン以下である。夜だけのメニューでなければいいのだが・・・。



「スナックちゃんぽんって、昼もやっているんでしょうか」
　店に入って、すぐに訊いた。なければ改めて代替案を考えねばならない。
「昼もございますので」
　ホッとして、カウンター席の端に座る。ついでに酒を呑みたいが、昼どきは禁煙なのでやめておく。酒と煙草はセットなのだ。



　リンガーハットは、長崎ちゃんぽん発祥の長崎県民からも手放しで愛される店で、味は折り紙つきある。ただ、野菜の量がたっぷりと多い。すべて国産野菜を使用しているところから最近女性客が多い。
　そういえば今年は紫陽花をみていないな・・・なんて考えていたら　スナックちゃんぽんが到着。



　まるでお子様仕様の大きさの丼である。
　酔っていなくても旨い。野菜の量が適当なのが嬉しい。すべてのリンガーハットでこのスナックちゃんぽんがあるかどうかは知らないが、有楽町あたりなら酔客が喜ぶことは間違いはあるまい。



　もちろん、皿うどん好きにもスナックサイズがちゃんとある。ああ、そうだ、餃子はわたしの口にまったく合わなかった。不味いと思う。
　わたしが入ったあとから続々と客が来店し、行列ができはじめた。

　時間があるのでいったん東京駅に歩いて戻り、東海道線で崎陽軒に向かった。



（えーと、個室宴会場・・・はと・・・三階だな）



　　―　続く　―


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