温泉クンの旅日記

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京極スタンド

2012-08-15 | 京都点描
  <京極スタンド>

「焼酎の水割り、ってできますか」
「それって焼酎に炭酸だけ入れるの?」
 エプロンおばさんが怪訝な顔をするが、いま、水割り、って言ったでしょうが・・・。
「いえ、水です」
「水だけ?」
「いえ、もちろん氷も入れてください。あと、獅子唐とポテトサラダも」



 西のほうへ旅して酒場にいくと、たまにこういう問答をしてしまうのだ。了解したらしくエプロンおばさんが、カウンターの酒担当のエプロンおばさんに、「焼酎を水で割って氷もいれたやつをひとつ」と怒鳴った。



 酒をつくるコーナーには大型のテレビがあり、阪神戦だろう野球が放送されている。阪神が大量リードをしているためだろうか、あまりテレビを観る客はいなかった。おばさんたちのエプロンは統一されてなく、それぞれが個性的なものである。



 京都で呑むといえば、京極か祇園のサンボアだった。
 客は男性の飲兵衛が多く、突き出しのピーナツをつまみに洋酒の水割りとかロックを呑む落ち着いた雰囲気の酒場で京都に来れば必ず利用していた。
 京極のサンボアで一度思い切りボラれたことがあり、それからは、この京極スタンドで呑むようになった。



 スタンドは昼間から呑めるし、定食もやっている店である。見栄張ることもない、肩も凝らない庶民的な食堂だ。創業は古く、昭和レトロのムード満点の店で気にいっている。



 昼食を軽めにしたのは、ハナからここで明るいうちから呑むことを決めていたからだ。麦代餅と北野天満宮が目的ならわざわざ車を置いてくることはない。上七軒から大の苦手なバスで京極まで移動したのも、速くここへ来たかったからである。

 店内はテーブル席が三卓くらいと、大理石でできた細長いテーブルがひとつ。細長いテーブルというよりも両側が座れる長いカウンターと言った方が近い。混みあうので相席当たり前の店である。
 独りであれば、待つこともなくすぐにどこかの席に押し込んでくれる。地元の客が多いが、一見の客でもとくに差別はなく居やすい。



 今日の客の顔ぶれは結婚式帰りのカップル、遅めの昼食をとってる兄ちゃん、ひとりで生ビールの大ジョッキを呑んでいるおばさん、などなど。大理石のテーブルで向かい合って呑んでいる人たちは、一見グループか連れに見えるがジツは独り客も多い。



 スタンドの、両側の壁にあるメニューはとにかく豊富である



「すいません、メンチカツをください」
「ミンチカツ、ですね」
 やっぱり言い直されてしまった・・・たしかにそう書いてあるけど、関東ではメンチなんだよね。



 焼酎の水割りを二杯呑んだところで、ハイボールに切り替え、それも二杯呑んだところで切り上げた。
 気にいってる店では、客も頃合いをみて引きあげるのが肝心だ。


  →「北野天満宮」の記事はこちら
  →「本命麦代餅、対抗かつら饅頭」の記事はこちら


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