温泉クンの旅日記

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芝桜の丘 埼玉・秩父

2021-04-25 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <芝桜の丘 埼玉・秩父>

 秩父で芝桜の名所と言えばここ、「芝桜の丘」の通称で知られる羊山公園である。

 

 秩父のシンボルである無骨な「武甲山」も、芝桜の背景の一部として、不思議とそれなりに様になっている。やっぱり、撮影構図に山を入れるだけで“締まる”ね。
 秩父盆地の南側に聳える標高1,304メートルの武甲山の北側斜面は、漆喰やセメントの材料として使われる石灰岩を大規模に削りとられ、生々しい傷跡になっている。

 

 転地効果のある旅を味わいたいならある程度の距離が必要で、大体の目安は生活圏から100キロを越えればいいという。秩父はなんとも微妙で、横浜からはそこそこ満たしているが東京からでは若干不足。
 だから、単に芝桜観賞だけでは「よし、行ってみるか!」との意欲がなかなか湧かなかった。秩父の温泉はほぼ制覇済みだし、それに季節限定だからね。

 

 まあ、とにかく今年初めて訪問できたのは嬉しい。
 例年、秩父の芝桜の見頃は4月下旬からゴールデンウイークまでである。今年は「芝桜まつり」は開催されないが観賞することはできる。今年は4月16日から入園料(一般大人300円)が徴収されるのだが、その前に訪れた。

 

 まだ七分咲きほどで、見頃前のわりにはけっこう混んでいる。張り巡らされた散歩道も狭く、シーズンになったらすれ違うのにも苦労しそうである。

 

「あ・・・っと、しゃがんでもらったほうがいいかな」
 カップルの男性が連れの女性に注文をつけていた。丈が低い芝桜だから写真のアングルにもひと苦労する。

 

 

「芝桜の丘」の芝桜だが、植栽面積は約17,600m2(5,324坪)、従来の9種類に今年から1品種加わり10品種で、40万株以上ある。

 

「魚沼に比べれば広いが、想像していたほどには広くはないな」
 秩父は四十万株、魚沼の「花と緑と雪の里」の芝桜は約十六万株だった。
 斜面をうまく利用して、パッチワークの絨毯のように芝桜の色を組み合わせて植栽されている。

 

(白あり青あり、すべてがピンク系だけでないのが、いいね・・・・・・)

 

 白系の芝桜、「モンブラン」は透き通った純白で、丸みを帯びたハート型の大きめの花弁、「リットルドット」は同じ純白であるが、小さなハート型の花弁だ。「アメージンググレース」は素晴らしき恵みと言う意味で、白地に慈悲を感じさせる鮮やかな赤紫が中心にあるのが特徴である。
 白に、薄いピンクで線を描いたような「キャンディーストライプ(多摩の流れ)」は離れて見るとサクラ色で、濃淡の中間のグラデーションを描きだす。

 

 主役ともいえるピンク系は、「オータムローズ」はローズピンク、「スカーレットフレーム」はチェリーピンク、「マックダニエルクッション」はマゼンタピンクという濃いめのピンク、それぞれ色味が違い、目を楽しませてくれる。これに今年からの病気に強いといわれる新品種「紅音(あかね)」が加わった。

 

 心を落ち着かせる柔らかな色合いのブルー系では、薄青紫の品種で花弁が大きい「エメラルドクッション」と、濃青紫の「オーキントンブルーアイ」で、どんな花色とも合うため芝桜の品種の中では一番人気があるらしい。

 芝桜はハナシノブ科の多年草で、別名はハナツメクサ(花詰草、花爪草)という。花言葉は「合意」、「一致」、「忍耐」、「燃える恋」、「華やかな姿」、そして「一筋」である。

 

「忍耐」といわれるように、寒さ暑さや乾燥に強く、常緑のため、芝生代りに植えられることもある。葉の形や、茎が上に伸びずに地表面に沿って伸びるその匍匐性などから「芝桜」と名付けられたそうである。


   →「魚沼、芝桜まつり」の記事はこちら


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