温泉クンの旅日記

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神田、老舗のラーメン

2018-02-11 | 食べある記
  <神田、老舗のラーメン>

 神田駅の北口を出る。





 大衆酒場が犇めく、夜だったらとても素通りできそうもない小路をぬけて小川町方向に五分くらい歩いたところに、「栄屋(さかえや)ミルクホール」はある。



(オッケー、今日こそは食べられそうだぞ・・・)



 人形町とか上野でもよく見かける、関東大震災後、鉄筋で建てる資力がない中小の商店が防火のため木造をモルタルや銅板で仕上げた、いわゆる「看板建築(街路建築)」と呼ばれる建物である。
 終戦の年、昭和二十年(1945年)に創業の老舗だ。先代がやっていた蕎麦屋の屋号が「栄屋」で、空襲で焼け出されてこの地に移転、新たにミルクホールとして再スタートした。
 銭湯帰りに気軽に立ち寄れて、テレビでプロレス中継を見ながら飲食できる食堂で、牛乳、かき氷、お汁粉、カレー、丼物、ラーメン、磯辺焼き、ところてんなど、幅広いメニューを提供していたのが、いつしかラーメンがメインになっていったそうだ。

 何度か店の前を通りかかるも何故かいつも運悪くやっていなかったが、今日は、暖簾が掛かっている。
 さすがに初めてだとちょっとばかり入りづらい雰囲気だが、ここは意を決してという感じでミルクホールの暖簾を掻き分けて扉を引いて中に入った。
 思ったより綺麗(失礼!)な店内は六卓ほどのテーブル席のみであった。



「いらっしゃいませ」
 店内の客が食べているものに視線を素早く走らせて、手近な四人掛けテーブルに座る。
「ご注文は?」
「うーん・・・ラーメンをください」
 カレーとラーメンのセットにしよう、と入る前からずっと心に決めていたのだが、一人もカレーライスを食べている客がいなかったので思わず変節してしまった。

 待つほどもなくラーメンが到着する。



 メンマ、チャーシュー、青菜、葱、とシンプルな具材たちが醸す、すっきりしたいい景色はいかにもわたしの好みのラーメンである。
(おっ、これは・・・旨いスープだ!)
 昆布と野菜と、同じ通りにある揚げたてコロッケで人気の鶏肉専門店「鳥正」から仕入れた鶏ガラで、丁寧に出汁をとった澄んだ醤油スープ・・・これぞ老舗東京ラーメンといった、軽妙にみえて奥深い味わいだ。
 ストレートな細麺との相性も、抜にして群だ。



 自家製のシナチクとチャーシューであるが、チャーシュー嫌いのわたしだが残さず食べきってしまう。
 しまったぞ、少し食い足りない・・・麺を大盛りにすればよかったかと少しの後悔が残る。順番が後先になるが三州屋で壱岐ロックでも呑むかな・・・。

 次回こそはカレーライスとラーメンのセットを試そう。
 ここのラーメン、東京という大都市の土地柄か、ローカルな米沢ラーメンほどの衝撃的なものは湧き上がらないが、最近食べた船橋屋に少し似ており、間違いなく毎日食べても飽きない中華そばである。



  →「絶品だったぞ、米沢ラーメン」の記事はこちら
  →「下町、和菓子職人の謹製中華そば」の記事はこちら


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