温泉クンの旅日記

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水沢うどん 群馬・伊香保

2008-02-21 | 食べある記
  <水沢うどん>

 麺類全般が好きである。
 医者から「血圧が高い。ラーメンは控え、ふだんの食生活にも塩分の取りすぎに
注意しなさい」といわれたので、できるだけ蕎麦を食べるようにしているのだ。
蕎麦も蕎麦湯も滅法血圧にいいらしい。

 水沢うどん、稲庭うどん、讃岐うどん。このみっつで、なんでも三大うどんと
いうらしい。すべて現地で食べたがたしかにどれも好きだ。
 それ以外にも博多うどん、浪速うどん、伊勢うどん、氷見うどん、富士吉田うど
んとか他にも個人的には相当うまいうどんも全国にあると思うのだが、イチ押しは
やっぱり讃岐うどんだ。もちろん、旨くて安いからである。うどん好きなら一度
讃岐で食べてほしい。間違いなく目からウロコがぼろぼろ落ちる。

 ま、それはともかく。
 榛名湖で温泉を堪能して十分に腹を空かせ、水沢に向かった。伊香保温泉から
車で5分くらいの距離だ。



 榛名湖で時間を思ったよりも使いすぎたせいか、うどん屋の通りにはひとがあふ
れている。
「田丸屋」の向かいの駐車場の運良くあいたひと隅に車をいれ、車の途切れるのを
見澄ませて素早く道路を渡って店にはいる。
 入り口のなかに入ると順番待ちの行列である。名前を書いて待つようになって
いて、「どのくらい待ちそうですか」と書く前に訊いても、確たる答えがない。

 どうするか。腹とひそひそ相談すると「待ちきれんわい。どこでもいいからすぐ
に食えるとこ探せや!」と騒ぐので、田丸屋をあきらめ比較的空いていそうなうど
ん屋にはいった。
 元祖だ本家だかの看板が多いが、この店は「始祖」「うむどん」ときた。天正
年間というから400年以上も前、戦国時代後期である。(店名はあえて書かない)

 席に案内され、お茶が運ばれてきた。
(早く注文せねばな・・・って、うっひゃあ、あいかわらず腹立つくらい高いな
あ!)



 水沢うどんと稲庭うどんは、とにかくベラボーに値段が高い。
 目の前のメニューをみて愕然となり、血圧がいっきに上昇する。うどんって庶民
の食べ物じゃなかったのか。焼肉定食か刺身定食の値段である。いったいどういう
客層をターゲットにしてるのか。どうみてもありふれた客で、ありふれたフツーな
店なのに、なにを隠そうジツはナリ金とか富裕層御用達の店なのか。

「これって円? ウォンとかペソとかじゃないの?」
 讃岐のひとだったら、そう、真顔で確かめたい衝動を抑えるのにどえらい苦労す
るだろう。
(失敗した、いつものように田丸屋にすればよかった。あそこなら千円でお釣りが
きたはずだ)

「中盛り!!」
 小盛りって注文したいが「プッ!」って店員に噴きだされたら、わての頭のなか
の血管が切れる・・・。しょうがない。二番めに安いうどんをキッパリ注文する。

 うっそぉ、タッケェー。ありえねえ。う、ど、ん、だろぉ、なんでこんな高いん
や。そんな仰天ヒソヒソ声が、わたしのあとから席に座ったひとたちあたりから聞
こえてくる。注文したひとたちといえば、「食い逃げしようね」と決めたのか不気
味に押し黙っているか、不運を受けとめきれずに断線しちゃったのか不自然に妙に
明るかった。


 
 焼肉定食じゃあなかった、中盛りうどんが運ばれてくるが、そこでまたショック
が襲う。
(胡麻だれ・・・だけかよ。あんまり好きでないのよね。普通のつけ汁がよかった
のに・・・)
 ああ、ここは秘伝の胡麻だれ一本勝負の店だったのだ。しかもしみったれた海苔
がぱらついている。



 なんとか涙目で食べきり、要領の最高に悪いレジでいらいらしながら勘定をすま
せると、なにがなんでも勝月堂のおいしい温泉饅頭で口直しせねばなるまいと伊香
保温泉にとって返すのだった。



 これだよ。やっぱり勝月堂の温泉饅頭は旨い。血圧がすーっとさがり機嫌がみる
みるよくなっていくのがわかるのだった。



 次回食べるときは料金も味もまあまあ無難な田丸屋にしよう、と決意するわたし
であった。

  (三ヶ月・・・とずいぶん時間を置いて書いたのですが、途中から冷静さを
   欠いたようです。水沢うどんファンの方々、まことに申し訳ない。ひねて
   ますがファンなのです。水沢うどんは十回くらい来てますが、他の店と比べ
   この店の値段と胡麻だれで血圧がちょいと・・・)

  →「榛名湖温泉」の記事はこちら
  →以前に書いた「伊香保温泉」の記事はこちら


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