温泉クンの旅日記

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川治温泉 栃木・日光

2012-02-22 | 温泉エッセイ
  <温泉とコロッケ> 

 鬼怒川温泉駅で特急から、各駅電車に乗り換えた。
 龍王峡を過ぎたあたりから、粉雪が舞い始めてくる。



 川治温泉と鬼怒川温泉とは十キロちょっとしか離れていないのだが、鬼怒川で雪が降っていなくても川治では雪が降ることは珍しくないそうだ。
 その奥の湯西川温泉だったら、もっと降っているのだろう。

 川治温泉だが、地中から汲みあげない、自噴の温泉なのである。
 享保八年というから江戸中期八代将軍吉宗のころ、大雨で上流の五十里の堰が決壊し下流は大洪水に襲われた。
 洪水が収まってみると、絶え間ない奔流に抉られた川岸から湯煙があがっており温泉が湧き出していたそうである。

 川治という地名だがその昔、この温泉場には本街道(会津西街道)とは別に、川に沿った道があり、その道が「川路」と呼ばれていた。それが後に「川治」といわれた所以だそうだ。
 会津西街道といえば、大内宿の「高遠そば」を思いだすな。

 さて、温泉である。
 外気が冷え切っているので、まずは内風呂でよくよく身体を温める。



 次いで外にある、源泉かけ流しのほうの露天風呂に移動。



 源泉の湧出温度が四十五度だから、露天ではちょいとばかりぬるい。
 それでも効能を考えればやっぱりこちらにたっぷり入るほうがいい。

 傷の川治、火傷の滝・・・という。川治温泉と滝(鬼怒川)温泉の、湯の効能を表す言葉だ。川治の薬師の湯には、新撰組の土方歳三が宇都宮の戦いで受けた弾傷を治すために湯治をしたといわれている。

 川治も鬼怒川も、見かけは無色透明でなんということもない温泉なのだが、とにかくよく身体が温まる。
 わたしみたいな、寒いと足首、膝、腰などの関節系が痛む人間には最適である。
 どうかすると、夜中に浴衣が寝汗でびっしょりなってしまう。温泉成分が吹き溜まりのように集まったところに入浴したせいかもしれない。それぐらいに効くのだ。
 川治温泉の湯量も毎分3400リットル湧出、旅館すべての収容人員2400名だから、一名あたり基準の1名あたり1リットルを超えている。
 
 仕上げに、加温している岩風呂のほうにはいる。



(そういえば、たしか、ここの岩風呂で雨除けに傘をかぶって入浴したことがあったな・・・
 いまはどちらの露天の上にも立派な長い屋根がかけられている。
 
 川治湯元駅方面から鬼怒川に向けてゆるやかな坂を下りきって、右に道なりに曲がっていくと、川治温泉のマスコット道案内人の「かわじい(川治爺」が待ち受ける。



 かわじいが指差す方向に、もうちょっとだけ歩いたところに一軒の精肉店がある。
 坂文精肉店だ。



 ここが川治では人気の店で、とても美味しい十種類以上のコロッケを売っているのだ。



 これを温泉に入る前に、ちゃっかりと入手してある。
 昔なつかしいコロッケと、キャベツ入りのメンチコロッケ。美味しいのに、なぜかここのは安い。だけど「間食」になるので二個にしておいた。



 こいつらをつまみに、温泉あがりにやおら呑み始めるのである。



 シャキシャキの新鮮なきゃべつが入ったメンチは、あんがいいけるものだった。


  →「三澤屋の高遠蕎麦」の記事はこちら

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