<読んだ本 2019年10月>
高所恐怖症で大の飛行機嫌いだが、それでも乗らざるを得ないことも度々あった。
上長同行の出張や、同僚女性が親切に手配してくれた沖縄、熊本、福岡など広島以西の遠方出張などの場合である。
そんなときは、帰りの飛行機が羽田に到着すると、地上に戻れて湧きあがるあまりの安堵に、すぐにでも一杯呑みたくなって到着ビルのイタリアンレストランにいつも飛び込んでしまったのだった。
焼酎はメニューにないのでウィスキーの水割り、そしてカプレーゼをいつも頼んだ。
トマトとモッツレラチーズにバジリコの葉をちらし、オリーブオイルをかけたサラダで、これがまた洋酒によく合うのである。(きっと焼酎にも合うと思う)
呑んですぐに帰るわけにもいかず、地上に降り立ったので空腹感も戻ったのでペンネアラビアータも追加する。
ペンネは長時間パスタがのびないから、酒のアテには丁度いいのである。
たっぷりの香ばしいニンニク、オリーブオイル、少量の玉ねぎ、多めの鷹の爪でつくった辛めのソースはバゲットやフォカッチャにもピッタリ合い、ソースが残った皿をきれいに拭うように平らげたものだった。
さて、10月に読んだ本ですが6冊、年間累計で56冊です。
1. ○月夜行 風の市兵衛4 辻堂魁 祥伝社文庫
2. ○凶犬の眼 柚月裕子 角川書店
3. ◎野の春 流転の海 第九部 宮本輝 新潮社
4. ○五条路地裏ジャスミン荘の伝言板 柏井壽 幻冬舎文庫
5. ○火の国の城 上 池波正太郎 文春文庫
6. ○火の国の城 下 池波正太郎 文春文庫
わたしは、この「流転の海第九巻 野の春」で完結すると知らずに読んでいた。ただ、ドラマの最終回みたいにやたら登場人物が多いので、もしかしたらという予感が途中からしてはいた。
三十七年もかけた「流転の海」で宮本輝が書きたかったのは、
「ひとりひとりの無名の人間のなかの壮大な生老病死の劇」
だそうだ。
熊吾は伸仁に「お前に話しておきたいことがあるんじゃ」と言って、屋台へ連れていき伸仁のために鍋焼きうどんを頼むと、自分はおでんの大根と豆腐を選んだ。
『「お天道さまばっかり追いかけるなよ」
と熊吾は言って、鍋焼きうどんができあがるまで待った。
伸仁が鍋焼きうどんを食べ始めると、熊吾は大根に芥子を塗って口に入れた。
「わしは若いころからお天道さまばっかり追いかけて失敗した。お天道さまは動いちょるんじゃ。
ここにいま日が当たっちょるけん、ここに坐ろうと思うたら、坐った途端にもうそこは影になっちょる。
慌ててお天道さまの光を追って、いまおったところから動いて、日の光のところへとやっと辿り着いたら、
またすぐにそこは影になった。そんなことばっかり繰り返してきたんじゃ。じっと待っちょったら、
お天道さまは戻ってくる。お前は、ここと居場所を決めたら、雨が降ろうが氷が降ろうが、動くな。
春夏秋冬はあっても、お天道さまは必ずまたお前を照らす」』
ああ・・・内容を薄めて全十冊にすればよかったのにと思うのはわたしぐらいだろうか。いずれ、七巻くらいからまた読み返してみたい。
→「読んだ本 2019年8月と9月」の記事はこちら
高所恐怖症で大の飛行機嫌いだが、それでも乗らざるを得ないことも度々あった。
上長同行の出張や、同僚女性が親切に手配してくれた沖縄、熊本、福岡など広島以西の遠方出張などの場合である。
そんなときは、帰りの飛行機が羽田に到着すると、地上に戻れて湧きあがるあまりの安堵に、すぐにでも一杯呑みたくなって到着ビルのイタリアンレストランにいつも飛び込んでしまったのだった。
焼酎はメニューにないのでウィスキーの水割り、そしてカプレーゼをいつも頼んだ。
トマトとモッツレラチーズにバジリコの葉をちらし、オリーブオイルをかけたサラダで、これがまた洋酒によく合うのである。(きっと焼酎にも合うと思う)
呑んですぐに帰るわけにもいかず、地上に降り立ったので空腹感も戻ったのでペンネアラビアータも追加する。
ペンネは長時間パスタがのびないから、酒のアテには丁度いいのである。
たっぷりの香ばしいニンニク、オリーブオイル、少量の玉ねぎ、多めの鷹の爪でつくった辛めのソースはバゲットやフォカッチャにもピッタリ合い、ソースが残った皿をきれいに拭うように平らげたものだった。
さて、10月に読んだ本ですが6冊、年間累計で56冊です。
1. ○月夜行 風の市兵衛4 辻堂魁 祥伝社文庫
2. ○凶犬の眼 柚月裕子 角川書店
3. ◎野の春 流転の海 第九部 宮本輝 新潮社
4. ○五条路地裏ジャスミン荘の伝言板 柏井壽 幻冬舎文庫
5. ○火の国の城 上 池波正太郎 文春文庫
6. ○火の国の城 下 池波正太郎 文春文庫
わたしは、この「流転の海第九巻 野の春」で完結すると知らずに読んでいた。ただ、ドラマの最終回みたいにやたら登場人物が多いので、もしかしたらという予感が途中からしてはいた。
三十七年もかけた「流転の海」で宮本輝が書きたかったのは、
「ひとりひとりの無名の人間のなかの壮大な生老病死の劇」
だそうだ。
熊吾は伸仁に「お前に話しておきたいことがあるんじゃ」と言って、屋台へ連れていき伸仁のために鍋焼きうどんを頼むと、自分はおでんの大根と豆腐を選んだ。
『「お天道さまばっかり追いかけるなよ」
と熊吾は言って、鍋焼きうどんができあがるまで待った。
伸仁が鍋焼きうどんを食べ始めると、熊吾は大根に芥子を塗って口に入れた。
「わしは若いころからお天道さまばっかり追いかけて失敗した。お天道さまは動いちょるんじゃ。
ここにいま日が当たっちょるけん、ここに坐ろうと思うたら、坐った途端にもうそこは影になっちょる。
慌ててお天道さまの光を追って、いまおったところから動いて、日の光のところへとやっと辿り着いたら、
またすぐにそこは影になった。そんなことばっかり繰り返してきたんじゃ。じっと待っちょったら、
お天道さまは戻ってくる。お前は、ここと居場所を決めたら、雨が降ろうが氷が降ろうが、動くな。
春夏秋冬はあっても、お天道さまは必ずまたお前を照らす」』
ああ・・・内容を薄めて全十冊にすればよかったのにと思うのはわたしぐらいだろうか。いずれ、七巻くらいからまた読み返してみたい。
→「読んだ本 2019年8月と9月」の記事はこちら
仙人の様な方とは知っていましたが、
「上長同行の出張や、同僚女性」って、
一体、今、何をされていらっしゃるのですか?!
おいしいお仕事でしたら、是非とも御紹介を!!