
決断力 羽生善治
全体を判断する目とは、大局観である。
一つの場面で、今はどういう状況で、これから先どうしたらいいのか、そういう状況判断ができる力だ。
本質を見抜く力といってもいい。
その思考の基盤になるのが、勘、つまり直感力だ。
直感力の元になるのは感性である。
たとえば、数学が緻密なロジックによって構成された論理的な学問であると思われている。
だが、数学界のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受賞した小平邦彦先生は、
数学は高度に感覚的な学問であるといい、それを「数覚」と名づけている。
中学校の幾何学で、図形の問題は、まず補助線が閃かないと解くのが難しいが、
将棋も、この補助線のような閃きを得ることができるかどうかが、強さの決め手になる。
将棋に限らず、ぎりぎりの勝負で力を発揮できる決め手は、この大局観と感性のバランスだ。
感性は、どの部分がプラスに働くというのではなく、読書をしたり、音楽を聴いたり、
将棋界以外の人と会ったり・・・・というさまざまな刺激によって総合的に
研ぎ澄まされていくものだと思っている。
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人の感性は、さまざまな刺激によって総合的に研ぎ澄まされる。同感。
人間力、自分も磨いていきたいものです。
今日から1週間、図書館が蔵書点検のため、館内特別整理休館となります。
それを見越して借りだめしときました
