朝、通勤途中のできごと。
職場までの道のりを歩いていると、雪が高く積もった道路脇に小学校1、2学年と思われる女の子がうずくまっていました。
一瞬雪遊びをしているように見えたのですが、もう朝の会が始まっている時間帯、登校するほかの子の姿は、周りには見えません。
「あれ、どうかしたの?」
近寄ってみると、その女の子は泣きそうになりながら雪の中から何かを掘り出そうとしていました。
足元に目をやると左足の長靴を履いておらず、靴下がビショビショになっていました。
かわいそうなことに長靴が雪の中に埋まり掘り出せないでいたのでした。
「よし、おじさんがとってやるから、もうだいしょうぶ。」
まわりの雪を手でかき分けて、深く埋まっている長靴に何とか手が届いたものの、引っ張ってもびくともしません。
更に深く雪をかき分けかき分け、両手で力一杯せーので引っこ抜き、やっとのことで長靴の救出に成功。
「やったー!」
と言ったその瞬間、女の子の目から安堵の涙がこぼれました。
靴が埋まってどうしよう。
朝の会はもう始まってるどうしよう。
たったひとりで靴を掘り出している間、どれだけその子が不安だったのかをこぼれた涙で悟りました。
「遅刻した理由を先生にちゃんと伝えるんだよ」
長靴を履いて足早に学校に向かう女の子の小さな後ろ姿を見送りながら、おじさんは心の中でつぶやいていました。
おじさんの心配はもう一つ。
掘り出したとき中にもびっしりと雪が入っていた長靴を下駄箱に入れたままにしないで、ストーブの上に置けたかな。
靴下と一緒に乾かすことができたかな。
小さな足が冷たいままでなかったら良いのですが。
(平成24年12月)
職場までの道のりを歩いていると、雪が高く積もった道路脇に小学校1、2学年と思われる女の子がうずくまっていました。
一瞬雪遊びをしているように見えたのですが、もう朝の会が始まっている時間帯、登校するほかの子の姿は、周りには見えません。
「あれ、どうかしたの?」
近寄ってみると、その女の子は泣きそうになりながら雪の中から何かを掘り出そうとしていました。
足元に目をやると左足の長靴を履いておらず、靴下がビショビショになっていました。
かわいそうなことに長靴が雪の中に埋まり掘り出せないでいたのでした。
「よし、おじさんがとってやるから、もうだいしょうぶ。」
まわりの雪を手でかき分けて、深く埋まっている長靴に何とか手が届いたものの、引っ張ってもびくともしません。
更に深く雪をかき分けかき分け、両手で力一杯せーので引っこ抜き、やっとのことで長靴の救出に成功。
「やったー!」
と言ったその瞬間、女の子の目から安堵の涙がこぼれました。
靴が埋まってどうしよう。
朝の会はもう始まってるどうしよう。
たったひとりで靴を掘り出している間、どれだけその子が不安だったのかをこぼれた涙で悟りました。
「遅刻した理由を先生にちゃんと伝えるんだよ」
長靴を履いて足早に学校に向かう女の子の小さな後ろ姿を見送りながら、おじさんは心の中でつぶやいていました。
おじさんの心配はもう一つ。
掘り出したとき中にもびっしりと雪が入っていた長靴を下駄箱に入れたままにしないで、ストーブの上に置けたかな。
靴下と一緒に乾かすことができたかな。
小さな足が冷たいままでなかったら良いのですが。
(平成24年12月)