ラグビーの試合中に頭を打って倒れた選手がやかんの水をかけられて試合に復帰する。
いわゆる「魔法の水」と呼ばれ広く知られているが、これはすでに遠い昔の話であって、今は絶対にしてはならない。
現在、日本ラグビーフットボール協会では、脳震盪を起こした疑いのあるプレーヤーがプレーに復帰する場合、脳振盪ガイドラインの段階的復帰プロトコール(GRTP)に従うことを義務付けている。
■競技への段階的復帰(GRTP)プログラム
段階的復帰(GRTP)プログラムは、アスリートを競技復帰に導くために段階的に負荷を高めていく、漸増負荷式の運動プログラムである。このプログラムは、アスリートの症状が消失しており、頭痛薬や睡眠薬などの脳振盪の症状をわからなくしてしまう薬による治療を受けていない場合にのみ開始される。
GRTPプログラムは、6段階に分かれている
(クリックで拡大)
●第1段階は、推奨される安静期間にあたる
●第2~5段階は、トーレ二ングを基本とした制限付きの活動
●第6段階が、プレーへの復帰
GRTPプログラムのもとで、プレーヤーは、安静時、および、1つ前のGRTP段階で行った運動レベルで脳振盪の症状が見られなくなった場合のみ、次の段階に進むことができる。
初めの24時間までと、さらに48時間までで問題が起こりえるので、受傷した選手はその日一人にしないこと。
次の症状があればすぐに病院に連れて行くこと。
1.頭痛が強くなる。
2.眠気が強くなる、目覚めた状態でいられなくなる。
3.周りにいる人や自分が今いる場所がわからなくなる。
4.嘔吐を繰り返す。
5.いつもと違う、混乱している、イライラしている様子がみられる。
6.痙攣が起こる。
7.手足に力が入りにくくなる。
8.しっかり立てなくなる。話す言葉が不明瞭になる。
9.首の痛みが続く、または増してくる。(特に小学生の場合)
その他の注意点として
●飲酒は禁止(症状が改善するまで禁止)
●医学的に必要とされている以外の薬は飲まないこと
●特に、睡眠薬は禁止(意識障害と区別しにくくなるため)
●アスピリン、痛み止めなども使用しないこと(出血を悪化させる事があるため)
●運転はしないこと(運転は医師の診察を受けてから)
■小学生の場合の注意点
●コンピューターゲーム、インターネットゲーム、その他のテレビゲームなどは症状が悪化したらやらないようにすること。
●診察した医師が処方した薬以外は、例え痛み止めでも親の勝手な判断で薬は飲ませないこと。
●受傷後少なくとも24時間は休息をとる様にしますが、学校で勉強に集中できないようなら1-2日は休んで様子をみることも理にかなっている。(ただし、これ以上長引くとなると普通ではない。)
ーーー
アメリカでは脳疾患を抱えるアメリカンフットボールの元選手らが、 ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)に補償を求め、NFL側が推定10億ドル(約1090億円)を支払うという和解が成立するなど、スポーツで発生する脳震盪とその後遺症が大きな社会問題となっている。
脳震盪に対する理解を深めることは、プレーヤーにとっても、指導者にとっても不可欠である。
40年間プレーし、これまでたびたび脳を揺らしてきた自分も認識を新たにしなければいけない。
いわゆる「魔法の水」と呼ばれ広く知られているが、これはすでに遠い昔の話であって、今は絶対にしてはならない。
現在、日本ラグビーフットボール協会では、脳震盪を起こした疑いのあるプレーヤーがプレーに復帰する場合、脳振盪ガイドラインの段階的復帰プロトコール(GRTP)に従うことを義務付けている。
■競技への段階的復帰(GRTP)プログラム
段階的復帰(GRTP)プログラムは、アスリートを競技復帰に導くために段階的に負荷を高めていく、漸増負荷式の運動プログラムである。このプログラムは、アスリートの症状が消失しており、頭痛薬や睡眠薬などの脳振盪の症状をわからなくしてしまう薬による治療を受けていない場合にのみ開始される。
GRTPプログラムは、6段階に分かれている
(クリックで拡大)
●第1段階は、推奨される安静期間にあたる
●第2~5段階は、トーレ二ングを基本とした制限付きの活動
●第6段階が、プレーへの復帰
GRTPプログラムのもとで、プレーヤーは、安静時、および、1つ前のGRTP段階で行った運動レベルで脳振盪の症状が見られなくなった場合のみ、次の段階に進むことができる。
初めの24時間までと、さらに48時間までで問題が起こりえるので、受傷した選手はその日一人にしないこと。
次の症状があればすぐに病院に連れて行くこと。
1.頭痛が強くなる。
2.眠気が強くなる、目覚めた状態でいられなくなる。
3.周りにいる人や自分が今いる場所がわからなくなる。
4.嘔吐を繰り返す。
5.いつもと違う、混乱している、イライラしている様子がみられる。
6.痙攣が起こる。
7.手足に力が入りにくくなる。
8.しっかり立てなくなる。話す言葉が不明瞭になる。
9.首の痛みが続く、または増してくる。(特に小学生の場合)
その他の注意点として
●飲酒は禁止(症状が改善するまで禁止)
●医学的に必要とされている以外の薬は飲まないこと
●特に、睡眠薬は禁止(意識障害と区別しにくくなるため)
●アスピリン、痛み止めなども使用しないこと(出血を悪化させる事があるため)
●運転はしないこと(運転は医師の診察を受けてから)
■小学生の場合の注意点
●コンピューターゲーム、インターネットゲーム、その他のテレビゲームなどは症状が悪化したらやらないようにすること。
●診察した医師が処方した薬以外は、例え痛み止めでも親の勝手な判断で薬は飲ませないこと。
●受傷後少なくとも24時間は休息をとる様にしますが、学校で勉強に集中できないようなら1-2日は休んで様子をみることも理にかなっている。(ただし、これ以上長引くとなると普通ではない。)
ーーー
アメリカでは脳疾患を抱えるアメリカンフットボールの元選手らが、 ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)に補償を求め、NFL側が推定10億ドル(約1090億円)を支払うという和解が成立するなど、スポーツで発生する脳震盪とその後遺症が大きな社会問題となっている。
脳震盪に対する理解を深めることは、プレーヤーにとっても、指導者にとっても不可欠である。
40年間プレーし、これまでたびたび脳を揺らしてきた自分も認識を新たにしなければいけない。