夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

湖畔 山本丘人筆

2011-04-22 05:17:02 | 日本画
湖畔 山本丘人筆
着色額装 332*455

東京に赴任し、南長崎の単身赴任寮にいた頃、平成17年11月に練馬美術館にて山本丘人の展覧会がありました。成川コレクション50点を中心にしたものでした。

そんな展覧会を覗くずっと以前から入手していた作品で、荒涼とした孤独な景色に心惹かれるものがあります。

人生は遅かれ早かれ孤独と向きあう宿命をもっています。生きている側も先に死んでいく側も・・・。孤独と向き合って初めて本当の強さが生まれます。それまでは強がりか、固執にしか過ぎない。

山本丘人:昭和61年没。享年85歳。芸術院賞創画会創立会員。文化勲章受賞。

東京美術学校卒業後、長く官展を活動の場とした。戦後、創造美術を旗揚げに加わって新しい日本画運動の指揮者となった。彼の開拓した骨太の叙事詩的風景は、いわば人間の深層にある孤独を造形化したもののように荒涼として、なお懐かしさに満ちている。

丘人が無言のうちに後進に与えた影響は、戦後の日本画家のなかでもおそらく最大のものであろう。だが、彼自身は熟練した職業画家として安住することを決して自ら許さぬ、ある強烈なアマチュアリズムを貫き通したように見える。


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2 コメント

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荒涼とした (米吉丘人)
2011-04-23 06:06:09
湖畔に独りたたずみ、肌を刺す霙混じりの強風に身をさらし、着物の裾をばたつかせながら、ただ一点をジーッと見つめ続けている。
下駄と足袋は濡れた枯れ草と泥にまみれ、くるぶしまで凍てつく水に浸かり、膝あたりまではすでに冷たさを感じていない。
ただ、胸肌にあてている絵筆を持つ右手だけは確かな鼓動を感じて・・・暖かい。
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孤独 (夜噺骨董談義)
2011-04-23 14:18:12
米吉丘人さん、なかなかの表現ですね、お見事

本日は久しぶりにのんびりとした休日。
朝から調べ物・・夢中で時間が経つのがあまりにも早い。
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