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祖父が考えたという我が家の家訓・・・・・実はそのような家訓があることを知らず、その教えは叔父に伝わり、叔父が書家に書いた頂いた額が叔父の家の居間にあることを社会人になって結婚して家を建ててから叔父から教わり知り、小生がその書を写して、小生の友人の書家に複数枚書いてもらい、その一枚を新築した家の居間に飾っています。
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その家訓とは下記のとおりです。
「強く正しくにこやかに
上見てすすめ下見てくらせ
真靭の前に不能なし
論で勝つより行で勝て
長者と交われば悪友なし
話上手より聞き上手
己に勝ちて人に譲れ
急ぐな休むな怠るな
向上一路終点なし
仲良く働け笑って暮らせ」
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尋常小学校だけの学歴であった祖父ですが、苦労して一代で事業を成し、財を成したそうです。それゆえ説得力がある文句です。
「己に勝ちて人に譲れ」…この一句が効く・・・・
さて中国陶磁器は手を出さぬが安全・・、君子危うきに近寄らず・・。小生は君子ではないのでどんどん近づいています。本日はそんな中国陶磁器の作品の紹介です。
氏素性の解らぬ作品 伝磁州窯 白磁鉄絵鳳凰壺 元(14世紀)?
13世紀~14世紀 誂箱
口径*胴径270*高さ270
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磁州窯のこの手の作品は、白土を厚く化粧掛けして、さらにその上に黒の化粧掛けを施し、そして一気呵成に素早く削り出しています。文様が実に瑞々しく生命力にあふれているのが特徴です。
高台はどんな名品でもだいたいが粗雑で荒々しいものですが、注文品として作られた作品は丁寧に作られています。また見た目の量感よりも軽く作られているのもこの手の作品の特徴です。
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形はなで肩で裾が窄まるいわゆる広口の短頸壺です。口縁の周囲には牡丹を描いており、線彫りした作品よりもこの手の作品群の後期の特徴が見られます。裾には三重線のみで削りの文様はありません。
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中央部はたっぷりと空けた白地に龍と鳳凰の文様が描かれいます。
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「白地鉄絵鳳凰文壺 元(14世紀)(東京富士美術館蔵)」に酷似しておりますが、一回り小さめの作品となっています。宋時代の真作は丁寧な仕上げがなされ、精緻な作品ですが元時代になってくるに従い「絵付け」の流行と共に線彫りし文様を施す技法・劃花が雑になった傾向が見られます。宋代の本来の彫り・掻落しという彫刻風の施文技法は精緻で品格と美しさを持つものですが、少しずつ雑記の変遷した可能性があります。
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当初、磁州窯では褐色の生地に白い化粧土を施し、その上に透明釉をかけて焼き上げる生活雑器を製作していました。これはもちろん当時の高級品であった白磁に、一歩でも近づきたいとの思いから生まれたものでしょう。
時を経るとこの白い化粧土が乾かないうちに、細い竹などで線彫りし文様を施す技法・劃花(かっか)が考案されました。さらに劃花が発展し生まれたのが、剔花(てきか)すなわち掻き落としです。これは生地に白い化粧土をかけた後、文様に沿ってヘラで削り取るもので、こうすると生地の褐色と化粧土の白色との対比で、文様がくっきりと浮かび上がる。そしてこの色の対比をより強調したものが「白地黒剔花」ですこれは白い化粧土の上に、さらに黒い化粧土を薄くかけ、文様に沿って黒土だけをヘラで掻き落としたもので極めて高度な技法です。
当時はまだ絵付けが存在しなかったため、これらは人々に大きな衝撃を与えました。隆盛を極めたのは北宋時代の12世紀初頭で、文様はより複雑で精緻になり名品が次々と生み出されました。
器に直接絵付けを施す「白地黒花」すなわち鉄絵が生まれたのは、それから100年程後です。鉄分を多く含む顔料を用いて、筆で文様を描くため、表現の幅が広がり焼物の装飾に大きな変革をもたらしました。その結果、手間ひまのかかる掻き落としの技法を姿を消しましたが、本作品はその変遷期にあたる14世紀頃の作品とか推定されます。
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ま~、真作とは考えず、近代の模倣品として鑑賞するには支障はありますまいが、よくできています。真贋は後学としましょう。
磁州窯の著名な作品に下記の作品らがあるようです。
参考作品
白地鉄絵鳳凰文壺 元(14世紀)
東京富士美術館蔵
高34.2cm、口径12.9cm、胴径35.6cm、底径13.9cm
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参考作品
白地黒掻落牡丹文壺
時代: 北宋時代(12世紀) サイズ: 高さ 28cm×径 25cm
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参考作品
磁州窯 白磁黒剔花瓶
2014年06月11日出品 評価金額2500万円
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さすがにこの評価金額は異常でしょうね。
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本ブログでも何点か磁州窯の作品、磁州窯に絡んだ作品を紹介してます。
他の所蔵作品解説 守
磁州窯 白地鉄絵兎文壺
13世紀~14世紀 誂箱
口径178*胴幅270*高さ270
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他の所蔵作品解説
磁州窯白地鉄絵梅瓶
合箱
胴幅165*高さ292
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他の所蔵作品解説
磁州窯 白地鉄絵草・福文水指
元時代以降 合箱入
口径110*胴径165*高さ115
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他の所蔵作品解説
鉄絵草紋筒茶碗 磁州窯
合箱
口径90*胴径100*高台径69*高さ125
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日本画にも取り上げられています。
壺と花 小谷津任牛筆
紙本着色軸装 共箱太巻二重箱
全体サイズ:縦1320*横500 画サイズ:縦450*横360
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はてさて氏素性の解らぬ作品は玄関に飾るはもってこい・・・。盗まれても割られてもダメージは少ない
ところで骨董蒐集も我が家の家訓に通じるところがありそうですね。
「上見てすすめ下見てくらせ」(いいものを蒐集しよう、だが質素に暮らせ)、 「論で勝つより行で勝て」(真贋論より真作入手)、「話上手より聞き上手」(理屈より作品から学べ)、「長者と交われば悪友なし」(いい道具屋さんと付き合えば贋作はない)などなど・・でもやはり「己に勝ちて人に譲れ」の一句は難しい。
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その家訓とは下記のとおりです。
「強く正しくにこやかに
上見てすすめ下見てくらせ
真靭の前に不能なし
論で勝つより行で勝て
長者と交われば悪友なし
話上手より聞き上手
己に勝ちて人に譲れ
急ぐな休むな怠るな
向上一路終点なし
仲良く働け笑って暮らせ」
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尋常小学校だけの学歴であった祖父ですが、苦労して一代で事業を成し、財を成したそうです。それゆえ説得力がある文句です。
「己に勝ちて人に譲れ」…この一句が効く・・・・
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さて中国陶磁器は手を出さぬが安全・・、君子危うきに近寄らず・・。小生は君子ではないのでどんどん近づいています。本日はそんな中国陶磁器の作品の紹介です。
氏素性の解らぬ作品 伝磁州窯 白磁鉄絵鳳凰壺 元(14世紀)?
13世紀~14世紀 誂箱
口径*胴径270*高さ270
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磁州窯のこの手の作品は、白土を厚く化粧掛けして、さらにその上に黒の化粧掛けを施し、そして一気呵成に素早く削り出しています。文様が実に瑞々しく生命力にあふれているのが特徴です。
高台はどんな名品でもだいたいが粗雑で荒々しいものですが、注文品として作られた作品は丁寧に作られています。また見た目の量感よりも軽く作られているのもこの手の作品の特徴です。
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形はなで肩で裾が窄まるいわゆる広口の短頸壺です。口縁の周囲には牡丹を描いており、線彫りした作品よりもこの手の作品群の後期の特徴が見られます。裾には三重線のみで削りの文様はありません。
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中央部はたっぷりと空けた白地に龍と鳳凰の文様が描かれいます。
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「白地鉄絵鳳凰文壺 元(14世紀)(東京富士美術館蔵)」に酷似しておりますが、一回り小さめの作品となっています。宋時代の真作は丁寧な仕上げがなされ、精緻な作品ですが元時代になってくるに従い「絵付け」の流行と共に線彫りし文様を施す技法・劃花が雑になった傾向が見られます。宋代の本来の彫り・掻落しという彫刻風の施文技法は精緻で品格と美しさを持つものですが、少しずつ雑記の変遷した可能性があります。
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当初、磁州窯では褐色の生地に白い化粧土を施し、その上に透明釉をかけて焼き上げる生活雑器を製作していました。これはもちろん当時の高級品であった白磁に、一歩でも近づきたいとの思いから生まれたものでしょう。
時を経るとこの白い化粧土が乾かないうちに、細い竹などで線彫りし文様を施す技法・劃花(かっか)が考案されました。さらに劃花が発展し生まれたのが、剔花(てきか)すなわち掻き落としです。これは生地に白い化粧土をかけた後、文様に沿ってヘラで削り取るもので、こうすると生地の褐色と化粧土の白色との対比で、文様がくっきりと浮かび上がる。そしてこの色の対比をより強調したものが「白地黒剔花」ですこれは白い化粧土の上に、さらに黒い化粧土を薄くかけ、文様に沿って黒土だけをヘラで掻き落としたもので極めて高度な技法です。
当時はまだ絵付けが存在しなかったため、これらは人々に大きな衝撃を与えました。隆盛を極めたのは北宋時代の12世紀初頭で、文様はより複雑で精緻になり名品が次々と生み出されました。
器に直接絵付けを施す「白地黒花」すなわち鉄絵が生まれたのは、それから100年程後です。鉄分を多く含む顔料を用いて、筆で文様を描くため、表現の幅が広がり焼物の装飾に大きな変革をもたらしました。その結果、手間ひまのかかる掻き落としの技法を姿を消しましたが、本作品はその変遷期にあたる14世紀頃の作品とか推定されます。
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ま~、真作とは考えず、近代の模倣品として鑑賞するには支障はありますまいが、よくできています。真贋は後学としましょう。
磁州窯の著名な作品に下記の作品らがあるようです。
参考作品
白地鉄絵鳳凰文壺 元(14世紀)
東京富士美術館蔵
高34.2cm、口径12.9cm、胴径35.6cm、底径13.9cm
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白地黒掻落牡丹文壺
時代: 北宋時代(12世紀) サイズ: 高さ 28cm×径 25cm
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参考作品
磁州窯 白磁黒剔花瓶
2014年06月11日出品 評価金額2500万円
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さすがにこの評価金額は異常でしょうね。
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本ブログでも何点か磁州窯の作品、磁州窯に絡んだ作品を紹介してます。
他の所蔵作品解説 守
磁州窯 白地鉄絵兎文壺
13世紀~14世紀 誂箱
口径178*胴幅270*高さ270
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他の所蔵作品解説
磁州窯白地鉄絵梅瓶
合箱
胴幅165*高さ292
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他の所蔵作品解説
磁州窯 白地鉄絵草・福文水指
元時代以降 合箱入
口径110*胴径165*高さ115
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他の所蔵作品解説
鉄絵草紋筒茶碗 磁州窯
合箱
口径90*胴径100*高台径69*高さ125
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日本画にも取り上げられています。
壺と花 小谷津任牛筆
紙本着色軸装 共箱太巻二重箱
全体サイズ:縦1320*横500 画サイズ:縦450*横360
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はてさて氏素性の解らぬ作品は玄関に飾るはもってこい・・・。盗まれても割られてもダメージは少ない
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ところで骨董蒐集も我が家の家訓に通じるところがありそうですね。
「上見てすすめ下見てくらせ」(いいものを蒐集しよう、だが質素に暮らせ)、 「論で勝つより行で勝て」(真贋論より真作入手)、「話上手より聞き上手」(理屈より作品から学べ)、「長者と交われば悪友なし」(いい道具屋さんと付き合えば贋作はない)などなど・・でもやはり「己に勝ちて人に譲れ」の一句は難しい。