夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

双鮒  福田豊四郎筆 昭和30年頃

2022-03-28 00:01:00 | 日本画
庭にきぶしが咲きmさいたが、そのきぶしは息子が生まれた年の挿木で、息子が地植えに植え替えて水やりしたりしたものです。家内が庭から切ってきて、乙女椿と花を活けて応接間に飾っていました。



さて本日は当方のお気に入りの同郷の画家「福田豊四郎」の作品の紹介です。



双鮒  福田豊四郎筆 昭和30年頃
P8号 紙本着色額装
全体サイズ:縦485*横615 画サイズ:縦330*横450



この作品は鮒か鯉か迷うところですが、髭がないので鮒と判断しています。



体形が非常に鯉に近似している点からゲンゴロウブナではないかと推定しています。ゲンゴロウブナは琵琶湖固有種で、大きさは全長40cmほどになります。



特徴は体高が高くて円盤型の体型をしている点です。植物プランクトンを食べるため、鰓耙が長く発達し、数も多いとされます。



釣りの対象として人気があり、今や日本各地に放流されているため生息地は琵琶湖だけとは限りません。ちなみにヘラブナとはゲンゴロウブナを品種改良したもの。



福田豊四郎は鯉などの淡水魚を題材にした作品を数多く描いています。



秋田の県北の十和田湖近くの山深いところで育った福田豊四郎は鯉や鮒などの淡水魚に故郷へのノスタルジーを重ね合わせていたかのように描いており、福田豊四郎の魅力はひとつひとつの作品を実に丁寧に思いを込めて描いている点です。まるで水の流れにも故郷への思いが込められているようです。



この作品にもその思いが込められているようで、単なる鮒を描いた作品になっていない点が魅力だと思います。



落款と印章は下記のとおりで昭和30年頃の作と推定しています。



なお当方には福田豊四郎が描いた似たような作品とし「鯉」を題材とした作品があります。落款・印章や背景などから当方の砂像作品では下記の作品が描かれた時期が近いように思われます。

鯉 その3 福田豊四郎筆 昭和30年頃
P8号 紙本着色額装 共シール
全体サイズ:縦517*横637 画サイズ:縦332*横445



最晩年には下記の作品を描いています。

鯉 その2 福田豊四郎筆 昭和44年頃 
紙本着色 ポプラ加工額 共シール
F10号  額サイズ:縦635*横710 画サイズ:縦455*横528



さらには父に長男が誕生した記念として福田豊四郎氏が描いてくださった下記の作品があります。

鯉 その1 福田豊四郎筆 昭和25年頃 
絹本着色軸装共箱二重箱軸先象牙 
全体サイズ:横725*縦1600 画サイズ:横564*縦486



鮒を描いた作品には下記の作品がありますが、こちらの鮒は冒頭の作品とは種類の違う「ギンフナ」かと思われます。

鮒 その2 福田豊四郎筆 昭和18年頃?
紙本着色額装(仁科一恵堂装丁) 福田文鑑定シール 誂:布タトウ+黄袋
F10号程度 全体サイズ:縦625*横690 画サイズ:縦425*横490



他には下記の色紙に描いた作品があります。

鮒 その1 福田豊四郎筆 昭和18年頃
紙本水墨タトウ入 色紙サイズ:3号
画サイズ:縦270*横240



福田豊四郎が描いた鯉や鮒は郷里では親しみのある魚であったのでしょう。数多くの作品を描いています。本作品を飾り眺めていると故郷への思いが募ります。



福田豊四郎が描いた蛙、兎などの郷里に縁のある小動物の作品を集めた展示をしたら面白いかもしれませんね。



この作品は現在は詳細に飾っています。


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