夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

葡萄図 その23 天龍道人筆 その35 

2018-03-06 00:01:00 | 掛け軸
義父が畑仕事に使用する軽トラックは、我が家の重要な足でもあります。義母が普通車で出かけてしまうと、我々は軽トラに乗って買い物に出かけます。エアコンは効かないし、ラジオはかからない、時計は狂っている,高速道路を走ろうものなら自殺行為、という軽トラですが、ないと非常に不便なことは事実です。我が家の車は普通車共々、ともかくマイナーな車



その軽トラが近々、車検ということで、家族の意見はもはや畑仕事は高齢で無理だから、畑仕事中心の車でなくてもよいということで軽ワゴンに買い替えることになりましたが、結局はそれでも畑仕事用中心の車に買い替えるらしい 多少なりとも車好きだった小生には興味の対象外 

さて、本日紹介する作品の収納箱には落書きのような箱書き・・・・? 箱の裏にはなにやら俳句が書かれています。

「小平雪人」という諏訪出身の俳人を知っていないと見過ごしてしまう箱書きです。本日は諏訪で画家として過ごした天龍道人の葡萄図の紹介です。すでに本ブログで葡萄図で23作品目、天龍道人の作品としては35作品目の紹介となります。

葡萄図 その23 天龍道人筆 その35 
紙本水墨軸装 軸先 合箱
全体サイズ:縦1890*横360 縦1090*横285



「天龍王道人」、「□号観自在」の印章が用いられ、80歳後半の作品と思われます。この作品は真作ですが、天龍道人にもどうもネットオークションを見ていると贋作があるらしいです。

*他の本ブログへの投稿作品「葡萄図-21 天龍道人筆 その32」と同一の印章が押印されています。



この作品の箱には天龍道人が過ごした諏訪湖出身の俳人「小平雪人」が箱書きをしていますが、これを知り得ていないとただの落書きにしか見えません。

表には「葡萄 天龍道人」と題され、裏には「松風も蟹眼の通う時雨哉 雪人題 押印」とあります。

さて「蟹眼」とは?
「蟹眼:かいがん カニの目のような小さな泡が立つところから茶釜の湯の煮えたぎること」であり、「松風(茶席で釜で沸いたお湯の音を松風という)」とかけているとは家内の弁。読者の皆さんはお分かりでしょうか。小生にはいまひとつピンときませんが・・。 

  

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小平雪人:(コダイラ セツジン)、明治〜昭和期の俳人。生年明治5年(1872年)、没年昭和33(1958)年12月18日。出生地長野県諏訪湖東村。本名小平 探一。慶応義塾卒、芝公園の阿心庵永機に師事、東京日日新聞、時事新報の俳句欄選者を務めた。永機の養嗣子となり明治26年阿心庵を継承。30年長兄の死で阿心庵を諏訪に移した。幸徳秋水、中江兆民らと交遊、旧派の宗匠として期待されたが、郷里に隠せいした。著書に「校註蕪村全集」「芭蕉全集」「其角全集」「阿心庵句帳」「諏訪俳句古撰」などがある。箱には「松風も□眼の通う□□哉」とあります。

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最近、六曲一双の天龍同人が描いた屏風がヤフーのインターネットオークションに出品され、見事な出来で、松に鷹、葡萄に鷹が各六曲一面の屏風全面に描かれた秀作でした。多少多少痛みがありましたが、その分躊躇し落札できませんでした。82歳の頃の作品でしたが、このような作品が高値を付けるというのは根強いファンがいるということでしょうか?



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