先々週の日曜美術館は鈴木其一の屏風でしたが、本ブログにも一作品だけ鈴木其一の作品を投稿しております。
本日は郷里の画家、平福穂庵です。
郷里の画家の中でも蒐集に頭が痛い中に平福百穂がいます。贋作が多く見極めも難しいので、入手には慎重を期し、かつあまり入手には積極的ではありません。その父である平福穂庵には使われいる印章の数が少なく、わりと見極めが簡単と思い、ついつい気軽に入手していましたが、どうも贋作のレベルが高いものがあるようです。
わが郷里の画家には贋作がやたらと多いのです。平福父子以外にも寺崎廣業、そして倉田松涛に贋作が多いようです。秋田の美術倶楽部・で発行された鑑定書、所定鑑定人と称する?舟山三郎、鳥谷幡山・・・いずれも疑ってかかったほうがいいようです。
福田豊四郎にも贋作があるようです。恐るべし贋作製作・・。
秋田より贋作が多いのは九州だそうです。しかも九州人は贋作に騙されやすいという話を聞いたことがあります。本当かどうかは真偽にほどはわかりませんが、南画や長崎派の画家を数多く輩出した九州のことですから贋作の数は多いということはうかがいしれます。
サラリーマンの小生が蒐集するには、有る程度のリスクのある作品を購入せざる得ません。つてや眼力だけが勝負どころです。資金があればきちんとした骨董商や鑑定に頼ればいいだけです。資金さえあれば誰より安くいい作品を入手できる自信がありますが、そこは思うようにいかないのが世の常です。
さて問題の本日の平福穂庵の作品です。売ったほうは真作と主張していますが、当方は贋作と判断しています。大丈夫と言い張り資料を送るいいながら、多忙を言い訳に送ってきません・・
軸先の象牙が立派なので、これだけでも損は差引できのですが、作品を破棄するかしなかいの決断があります。基本的には他の軸の改装に軸先を使用して本作品は廃棄処分です。他の釧雲泉や富岡鉄斎などの贋作も同じように贋作となった作品は処分です。
雨後山水図 伝平福穂庵筆
紙本水墨軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1890*横720 画サイズ:縦1150*横520
同一の印章を押印されている「雪中鴛鴦図」は慶応3年(1867年 明治元年前年)仲夏の作であることから同時期と推察され、穂庵が23歳頃の作と思われますが、印章に若干の違いが見られるため贋作と判断されます。印章は許容できる場合と許容できない場合があります。
下記の印章が「雪中鴛鴦図」当方所蔵の真作の印章の写真です。
印章は逐次写真を見比べて購入するわけにはいきません。たとえば骨董店で参考資料と作品を見比べて作品の真偽を判断していると心ある骨董商なら怒ります。頭とハート、人に対する信義で作品は判断するものだからです。
四条派の絵が主流でありながら、南画の影響を明らかに受けている山水画は穂庵が若い頃の作品に多く見かけます。南画の影響を受けながらも自由闊達な筆遣いは穂庵独特のものがあります。
しかし、本作品は良くできているという判断しましたが、手元に置いてながめていると真作とは言い難い作品のように思えてきました
投稿していた他のいくつかの平福穂庵の作品も厳密にみていくと贋作の可能性があることが判明しました。これも廃棄処分かお蔵入り・・
本作品は残念ながら廃棄処分と決定。軸先が象牙なのが救い・・、軸先の象牙を他の作品の改装に使うのはよくあることです。今では象牙の軸先が貴重品になりつつあるという理由もあります。
平福穂庵の作品いついてはもう一度見直す必要があるようです。そろそろレベル的に問題のある範疇の作品から卒業すべき気がします。
まだまだ甘いと反省しなながら、家内とお茶を点てあってお薄を一服。
本日は備前の平茶碗です。
どなたの作品かは本ブログの愛読者にはすでにお分かりのはず・・本作品もまた贋作か
本日は郷里の画家、平福穂庵です。
郷里の画家の中でも蒐集に頭が痛い中に平福百穂がいます。贋作が多く見極めも難しいので、入手には慎重を期し、かつあまり入手には積極的ではありません。その父である平福穂庵には使われいる印章の数が少なく、わりと見極めが簡単と思い、ついつい気軽に入手していましたが、どうも贋作のレベルが高いものがあるようです。
わが郷里の画家には贋作がやたらと多いのです。平福父子以外にも寺崎廣業、そして倉田松涛に贋作が多いようです。秋田の美術倶楽部・で発行された鑑定書、所定鑑定人と称する?舟山三郎、鳥谷幡山・・・いずれも疑ってかかったほうがいいようです。
福田豊四郎にも贋作があるようです。恐るべし贋作製作・・。
秋田より贋作が多いのは九州だそうです。しかも九州人は贋作に騙されやすいという話を聞いたことがあります。本当かどうかは真偽にほどはわかりませんが、南画や長崎派の画家を数多く輩出した九州のことですから贋作の数は多いということはうかがいしれます。
サラリーマンの小生が蒐集するには、有る程度のリスクのある作品を購入せざる得ません。つてや眼力だけが勝負どころです。資金があればきちんとした骨董商や鑑定に頼ればいいだけです。資金さえあれば誰より安くいい作品を入手できる自信がありますが、そこは思うようにいかないのが世の常です。
さて問題の本日の平福穂庵の作品です。売ったほうは真作と主張していますが、当方は贋作と判断しています。大丈夫と言い張り資料を送るいいながら、多忙を言い訳に送ってきません・・
軸先の象牙が立派なので、これだけでも損は差引できのですが、作品を破棄するかしなかいの決断があります。基本的には他の軸の改装に軸先を使用して本作品は廃棄処分です。他の釧雲泉や富岡鉄斎などの贋作も同じように贋作となった作品は処分です。
雨後山水図 伝平福穂庵筆
紙本水墨軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1890*横720 画サイズ:縦1150*横520
同一の印章を押印されている「雪中鴛鴦図」は慶応3年(1867年 明治元年前年)仲夏の作であることから同時期と推察され、穂庵が23歳頃の作と思われますが、印章に若干の違いが見られるため贋作と判断されます。印章は許容できる場合と許容できない場合があります。
下記の印章が「雪中鴛鴦図」当方所蔵の真作の印章の写真です。
印章は逐次写真を見比べて購入するわけにはいきません。たとえば骨董店で参考資料と作品を見比べて作品の真偽を判断していると心ある骨董商なら怒ります。頭とハート、人に対する信義で作品は判断するものだからです。
四条派の絵が主流でありながら、南画の影響を明らかに受けている山水画は穂庵が若い頃の作品に多く見かけます。南画の影響を受けながらも自由闊達な筆遣いは穂庵独特のものがあります。
しかし、本作品は良くできているという判断しましたが、手元に置いてながめていると真作とは言い難い作品のように思えてきました
投稿していた他のいくつかの平福穂庵の作品も厳密にみていくと贋作の可能性があることが判明しました。これも廃棄処分かお蔵入り・・
本作品は残念ながら廃棄処分と決定。軸先が象牙なのが救い・・、軸先の象牙を他の作品の改装に使うのはよくあることです。今では象牙の軸先が貴重品になりつつあるという理由もあります。
平福穂庵の作品いついてはもう一度見直す必要があるようです。そろそろレベル的に問題のある範疇の作品から卒業すべき気がします。
まだまだ甘いと反省しなながら、家内とお茶を点てあってお薄を一服。
本日は備前の平茶碗です。
どなたの作品かは本ブログの愛読者にはすでにお分かりのはず・・本作品もまた贋作か