ありそうでまずないのが古伊万里系統のお茶碗・・。
お気に入りの作品 稀有な作品 藍九谷(前期伊万里) 葡萄ニ栗鼠図平茶碗
誂箱
口径132~133*高台径44*高さ50
誂箱
口径132~133*高台径44*高さ50
さて藍九谷とはそもそも伊万里で作られた物です。図柄・作風が古九谷の雰囲気に似ている為に、数十年前に藍九谷という名がついたようです。(ただし古九谷伊万里説というものもあります。)
現在は藍九谷と言う言葉も通用しますが、誤解のないように前期伊万里という呼び方もあります。時代で言えば、初期伊万里の後で、初期の品物より完成度が高いと言えます。
その中でも、前期と後期があり、高台の直径は、初期の物より大きくなります。前期のものは初期と同じく生掛けであり、後期になると素焼きをした薄手の生地になります。本作品は後期に属すると思われ、江戸期前期の作品と推定されます。
古伊万里もそうですが、茶碗として使用できる作品は稀有です。磁器の作品は茶席の茶碗とはなりにくいものです。熱伝導率が高いため、とくに冬用の茶碗とはなりにくいものです。そのためか古伊万里系統の作品では茶碗として使える作品はかなり稀有です。しかも茶碗として使用できるのは平茶碗としてでしょう。
釉薬は生がけのようです。
平茶碗としての完成度が非常に高い・・・。
誂えられている保管箱は下記のものです。
この茶碗の魅力はなんといってもその染付の図柄ですね。古九谷にも劣らぬその画力と染付の渋さ・・・。
繰り返しになりますが、皿には数多くあれど茶碗の優品は古伊万里にはまずない。当然古九谷にもない。そのような中でこの作品は稀有・・・。