夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

鐘馗之図 伝柴田是真筆 その5

2013-05-28 05:40:39 | 掛け軸
本日は早朝より仙台から石巻、そして女川方面へ出張です。

さて、本作品は疑わしい作品です。柴田是真のよる「鐘馗之図」は非常に人気があり、またできばえも素晴らしいものばかりです。それゆえ、贋作も多いし、模作も多い作品です。「このような中途半端な作品?を購入してはいけません。」と家内から叱られました。む~、かなり今回は反省しています。

鐘馗之図 伝柴田是真筆
絹本水墨淡彩軸装 軸先木製 合箱入
全体サイズ:縦1725*横565 画サイズ:縦1045*横400




鐘馗と鬼の組み合わせの柴田是真の作品は多々あります。



鬼がひっくり返ったり、逃げていたり、縞々パンツをはいていて、スカーフのように布をまとっていたりするのが基本パターンです。




鬼の表情が面白くてつい購入しましたが・・。




鐘馗様に迫力不足・・。



筆の勢いがあるなしで単純に判断するのは軽率です。しかし描き方自体に不満がある・・。



ん~、ロンパリ・・、愛嬌はあるが・・。鬼の手の描き方に疑問符か。鑑定の一番怖いのは贋作を真作ということではなく、真作を贋作ということです。それゆえ心ある鑑定者ははっきり贋作と明言することはそうそうありません。ただ、本作品はすっきりしない。



落款はよさそうですが・、「古満のこの朱文白芳印は確認できていません。

かなりの数の印章が柴田是真にはありますので印章が確認できないから即贋作とは言えないようですが・・、このような考えを希望的観測という・・。


他の作品と見比べてみましょう。

思文閣



正面から鐘馗様を描いた作品で威厳のある鐘馗様を描いています。




落款は本の写真のようなものがありますので、本作品はかなり似せて書かれていると思います。

 

本作品と同じような図柄ですが、鐘馗様の筆の勢いの違いは歴然としています。


本作品は贋作として最初から描かれたのか、あとで落款と印章を加えたのかは定かでありません。



参考作品は筆の勢いもさることながら描き方が絶妙でバランスがいいです。




下記の作品は著名な作品です。



円窓から鐘馗様が顔を出して鬼が画面から逃げるような構図の取り方は柴田是真実の得意とする作品です。



本作品の鬼の部分は下記の作品によく似ていますが、手足の描き方に一抹の稚拙さが本作品にはあります。



はてさて皆様のお考えは?




下記の作品は模作と思われます。



このような柴田是真の鐘馗の作品の模作がたくさんあると思わなくてはいけません。



さて、皆さんのご感想は?






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