インターネットオークションで見かけた福田豊四郎の興味深い作品・・、大きさもそこそこあり、出来もよいのですが、初めて見る印章が作品中に押印されているのです。
爽夏 福田豊四郎筆 その172
絹本着色軸装 軸先象牙 共箱二重箱
全体サイズ:縦1485*横730 画サイズ:縦477*横580
落款と印章から昭和20年前後(昭和18年頃?)の作と推定されます。
福田豊四郎らしい丁寧な描き方です。
箱書は下記の写真のとおりですが、作品中の印章がまったくもってみたことのないものです。郷里の福田豊四郎の作品を主に扱っている骨董店主にも見てもらいましたが、全く見たことのない印章だそうです。とはいえ真作に相違ないだろうとの見解でした。
福田豊四郎は「紫陽花」を題材とした作品をいくつ遺していますが、福田豊四郎の素描の画集にもスケッチが掲載されています。
この掲載させているスケッチの作品と同一の作品を当方で所蔵しています。
昭和41年の作だとすると亡くなったのが、昭和45年ですので、このスケッチは最晩年の作となります。印章が押印されて没後の開催された南天画廊の展示会で販売されたものかもしれませんね。