夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

寺崎廣業 その8 磐梯山 

2011-12-09 05:49:42 | 掛け軸
はてさて、ちょっと疲れましたね。気苦労という奴が一番厄介で、人というものは一番難しいものです。「智に働けば角がたつ、情に竿させば流される、意地を通せば窮屈だ。とかく、この世は住みにくい。」という思いです。

本日の作品はすでに8作目になります寺崎廣業の作品です。私の郷里出身の画家なので、子供の頃から知っており、ついついいいものがあると購入してしまい、自然に増えてきます・・、この作品は只ならぬものがあります。



磐梯山 寺崎廣業筆
絖本水墨軸装 軸先樹脂 合箱入 
全体サイズ:横540*縦1320 画サイズ:横490*縦490



落款と印章から、寺崎廣業が45歳の頃で、大正元年前後の作品と思われます。一筆で描いた画力は只ならぬものがあります。しかも絖本に描いたということはかなりの思いがあっての作品でしょう。この絵の凄さ、見事さが解るかな


「騰竜軒」の白丸印が押印されています。



寺崎廣業:慶応2年生まれ、大正8年没、享年54歳。秋田藩の家老の家に生まれる。幼名は忠太郎、字は徳郷。初め秀齋、後に宗山、騰竜軒・天籟散人等と号した。初め郷土の小室秀俊に狩野派を学び、のちに上京して刻苦精励、諸派を摂取して晩年には、倪雲林、王蒙に私淑し、新南画の開拓に努めた。東京美術学校教授、文展開設以来審査員、帝室技芸員に任ぜられ東都画壇の重鎮となり、交友広くその生活は頗る華やかであった。



掛け軸は状態のいいものや表具がしっかりしたものを極力購入しましょう。箱も付いているといいです。

表具代金にお金が結構かかりますし、保存が難しいからです。といって額も保存には気をつけなくてはなりません。

贋作について述べると嫌がる御仁も多いのですが、寺崎廣業は贋作が多い画家ですので要注意です。インターネットオークションの作品はほぼ贋作ですので、見極めの出来ない方はインターネットからの購入はおすすめできません。



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4 コメント

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同感です! (のぼう)
2011-12-09 12:18:18
行き詰まって疲れてくると、ふと思い出すのが漱石の「草枕」の一節です。

山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ情に・・・どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画ができる。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向こう三軒両隣にちらちらするただの人である。・・・・あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊い。
座右の書です。
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励まし (夜噺骨董談義)
2011-12-09 19:22:38
いつもながらの励まし?のコメントをありがたく思っております。そう「ただの人」なのです。

最近は少し厭世的になりすぎているかもしれません。ちと楽しみながら週末は過ごそうかと・・。
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Unknown (クラフト)
2011-12-10 03:26:56
青墨の色がいいですね。大きな筆に墨をたっぷり含ませて、”よし”という気合のもとに、身体全体で描いたのでしょう。気迫が感じられます。良い作品は心を癒してくれますね。
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 (夜噺骨董談義)
2011-12-10 04:28:17
不思議なことに薄暗いところで鑑賞してみると浮かび上がって見えます。

布団にくるまりながら思わずにやりとする思いです
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