夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

唐津陶片木地嵌入香合

2012-06-09 06:40:11 | 陶磁器
昨日は母の転院の病院視察後、母の見舞い。一昨日は義母が入院、手術という報告・・、本当にいろいろあります。厄年のお祓いを早く済ましたほうがよさそうです。

昨夜は北浦和の二木屋で楽しい会食、サッカーのワールドカップ予選の試合を観られませんでした。

本日は、手にした時に思わず「こいつはいい」と思う作品に出会うことがありますが、そのような作品です。

唐津陶片木地嵌入香合
合杉箱
口径76*高さ27



平丸状に成形した木製の蓋部分に、曲線を用い、水蒸気が涌き立ちのぼる様を表した立涌文様が配された唐津の陶片を嵌入し香合として仕立てた作品です。購入した時には「古唐津陶片」という説明がありましたが、定かではありません。



ただ発掘陶片を継いで売ったりすることが盛んであった時期があったので、そのような類のものの可能性は高いと思われます。



陶磁器の破片を削って、木を加工してよく嵌め込んだものです。



ここには贋作を作ろうとか、金継ぎして茶碗にして高く売ろうとかという邪な考えでない意図を感じます。



手にしてみると陶磁器の破片ですので見かけ以上にずっしりと重みのある作品です。男の茶器としての扱いでしょうが、私が持っていても、いつも小物を収納している仏壇の棚の中・・

状態の良い杉箱に収まっており、意匠的にも品良く出来上がっている作品です。


立涌(たてわく):「たちわき」「たちわく」ともいう。雲などがむくむくと「たちわく」さまに見立てて名づけられたという。向かい合った2本の波状曲線によって構成された幾何学模様。ちょうど菱つなぎ模様の角をとり、曲線化すればこの模様に近づく。波状曲線によって囲まれた瓢形の空間に菊、雲、松、藤、浪などのモチーフを入れて、菊立涌、雲立涌、松立涌、藤立涌、浪立涌などとよんでいる。中国唐代の唐草(からくさ)にこれと類似した形式があるが、おそらくこの種の形式の唐草が日本に伝来し、平安時代に入って和風化したものが立涌模様であろう。有職(ゆうそく)模様として多く用いられたところから、格式高い模様とされている。


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