夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

十和田湖 福田豊四郎筆

2020-02-21 00:01:00 | 掛け軸
初釜後に整理している朱塗の漆器椀。多数あったのですが、おおどころ下記の写真の5種類にまとまりました。



本作品を所持していた亡くなった家内の実家では明治時代から揃えていたようですが、その都度補完していたので、いくつかの種類が混在していたようです。古びていた膳も碗類も磨き上げるときれいになりました。





蔵にあった品を時間をかけて取捨選択して状態のいいものだけを遺したつもりでしたが、今回まだあった何点か欠けや漆の剥落した作品は自分で補修しました。



最初は金繕いしてみましたが、結局朱漆で補修しました。仕上げまで今少し手間がかかりそうです。



明治期の作品かと思いますが、使用されたことと時間経過とともに、下地の黒漆や布、木目がのぞくなど味わいが出ていきています。



根来風となり、新品には見られない味わいがありますね。



真塗や朱塗のみの器が漆器の真骨頂でしょう。下手な絵付けや文様などないほうがいいように思います。



さて本題の本日の作品の紹介です。インターネットオークションの功は画家の初期の作品を発掘できることであろうと思います。福田豊四郎の作品は戦後の作品が脚光を浴び、その様な作例が福田豊四郎の作品と思い込んだのか、初期の作品が埋もれてしまっていたように思います。骨董店で一年かけて数例の作品しか入手できない作品がこれまで数多くインターネットオークションで探しされてていており、多くの作品が入手できました。本日はそのような戦前の福田豊四郎の作品の紹介です。

十和田湖 福田豊四郎筆
紙本着色軸装 軸先象牙 合箱二重箱
全体サイズ:縦1990*横570 画サイズ:縦1250*横420

 

福田豊四郎は郷里のすぐ近くの十和田湖の作品を数多く描いていますが、このような初期の作品は珍しい作品でしょう。



初期の作風がよく出ている作品です。晩年の抽象的な作風を評価する人が多い一方で、このような福田豊四郎のノスタルジックな作行を好む人も多くいます。



落款と印章から昭和10年頃の作と推定されます。当方の所蔵作品で本ブログにて紹介した「春萌」の印影と一致し、真作と判断されます。

 

描いた時期の判断を含めた真贋の判断は蒐集を通して身につくもののようです。



掛けてみると意外に大きな作品です。十和田湖周辺の当時の様子がうかがいしれます。







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