夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

氏素性の解らぬ陶磁器 菊花文豆香炉&サザエ蓋物菓子器 平戸焼 

2015-09-01 05:10:54 | 陶磁器
平戸焼については当方に幾つか所蔵作品があるように思います。平戸焼について浅学のため確証はありませんが、思いあたる作品は郷里の「男の隠れ家」に飾ってある布袋様です。



古くから家にありますが、母から聞くところによると父が酒席で頂だいてきたものらしいですが、残念ながら平戸焼という確証はありません。お土産品程度の作品かもしれませんが、縁起物でかつ出来が面白いので自宅の飾り棚に鎮座していただいております。

あとは狛犬の香炉があります。盛岡の骨董店からの入手だと記憶していますが、売主が「おそらく平戸焼」と言われていたので、当方も平戸焼だと判断していますがこちらも確証はありません。

なかなか平戸焼というのは馴染みが少ないのは、伊万里と産地近いのと同じく磁器ということで伊万里との判別がしにくいことが関係しているかもしれませんね。

本日の作品は平戸焼の香炉です。

菊花文豆香炉 古平戸焼
合箱
口径20*最大幅90*高さ65



もともとは「優美で繊細な細工物」が特徴で、平戸焼は肥前国平戸藩松浦家の庇護の下に御用焼として焼成された陶磁器です。純白な肌に御用絵師の緻密な絵付けが施され、細工・彫刻で知られる多種多様の技法は他窯では見られない至芸と称されています。

他び昭和期において綿密な染付けによる精微な磁器の揃いの食器でも平戸焼は有名ですね。



ただし、平戸焼は磁器の白さでの表現であり、深みのない作品群であるためとかく趣のない下手な作品群が多いのもまたは否定できません。優美な作品となると平戸焼においては極端に数は少ないと思っているは私だけではないでしょう。



唐子や多宝塔など繊細な彫りの作品などには残念ながら品格というものがないものがほとんどだと思います。お土産品のような安っぽい飾り物が多いのは事実です。



よきものとはどの分野においても入手は難しいものですが・・・。

その中で本作品はいつの時代のものかは当方では判断できません。小さな作品ですが趣があっていいもののように思い購入しました。

「豆香炉」とありますが、香炉でしょうか? 蓋を開けると底のある小さなお猪口のような器があって、さらにそれをとるとまた底のある器・・・、いったいなにに使うのでしょうかね? 考えるだけで愉しいものです。

平戸焼のついでに「氏素性の解らない作品 平戸焼」としての付録作品です。これも何に使う器でしょうか? 「菓子器」とありましたが、使いづらそうな菓子器ですね。

平戸の細工物で量産品の作品のひとつらしいです。サザエを形をした蓋物で1万前後のお値段で数多く出回っています。取っ手部分に意匠を凝らしたものなど数種の型の種類があり、中には藤壺の中に玉などが入っているものもありますが、よく観ると個々に出来不出来があるようです。

サザエ形蓋物果子器 古?平戸焼 その1
合箱
口径80*最大幅130*高さ105



実によくできていてリアルの中に優美さ?がある作品です。日本人特有の遊び心があるように思いますが・・。



思わずにやりとしてしまいそうな作品です。サザエに付着しているフジツボが実にいい。



ところで大きなフジツボは実に美味というのをご存知ですか? 一般的にはあまり知られていない食材ですが、青森では良く食べられている珍味のひとつで、高級料亭?でも出されいますが、大量に採られてから非常に少なくなり貴重な食材になっています。牡蠣と同じような味ですが、とてもおいしいものです。青森に赴任していた頃を思い出す作品でもあります。



破損がなく完品なのがいいですね。



お菓子入れ???



さて何に使おうか? デスクの上で「クリップ入れ」なんかにはとうかな? 骨董の楽しみは何に使おうかとか、どこにどう飾ろうかと思いをめぐらせることもそのひとつです。

いつ頃の作品でしょうか? このようにサザエの形をした細工物は数多く出回っていますが、現在でも作られているのでしょうか? 

さてもうひとつ手元にあります。

サザエ形蓋物果子器 古?平戸焼 その2
合箱
口径*最大幅*高さ(寸法未測)



蓋の取っ手には貝が施され、前述のように中には玉のような陶製のものが入っており音がします。



実に写実的に良く出来ています。



シュガーポット? キャンデーポット??



蛸や蟹・・・、道具というよりおもちゃ・・???



品格としては最初の作品がいいのでしょうが、サザエ型の作品も愛嬌があります。



骨董的な価値は皆無のようですが、ひとつくらい手元にあっても面白い?

















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2 コメント

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平戸焼 (夜噺骨董談義)
2015-10-12 23:07:44
なるほどこれはインク瓶ですか?
またひとつ勉強になりました。
「幕末から明治・大正にかけての輸出された作品である平戸焼は鍋島と並んで海外の美術館では高く評価されている。」とのこと・・、ちょっと調べてみようかなと思います。
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Unknown (Micnoski)
2015-10-11 09:12:57
こんにちは。

平戸焼の豆香炉ですが、これは明治以降
イギリスに多く輸出されたインク瓶です。
平戸焼は、幕末から明治・大正にかけて
特にイギリス向けに多く輸出されました。
海外の美術館では、平戸焼は鍋島と並んで
高く評価されていますよ~。
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