夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

明治丙戌春山水図 蓑虫山人筆 その19

2018-12-07 00:01:00 | 掛け軸
昨日は仏壇の話、本日は神棚の話ですが、神棚の飾り方を知らない御仁が最近多いらしい。お米、お塩、お水、榊、お神酒、しめ縄、お札、・・・そろそろ正月飾りの時期ですので、改めて調べてみましょう。

本日はなんども紹介している蓑虫山人の作品です。NHKの日曜美術館でも取り上げられた蓑虫山人ですが、ときおりインターネットオークションに数点まとめて出品されることがあります。蓑虫山人が放浪した地域で出品されることが多く、地方の素封家から放出されているのでしょう。もったいないことですが、当方にてとっては大切にしていきたい作品群です。

明治丙戌春山水図 蓑虫山人筆 その19
紙本水墨淡彩軸装 軸先木製 合誂箱 
全体サイズ:横738*縦1950 画サイズ:横620*縦1400

 

賛には「明治一九年春日三府七十六縣庵主(「三府七十六県庵主」は号)蓑虫山人 押印」とあり、青森や弘前周辺で描いた作品と推察されます。

 

印章や落款から真作と断定できます。蓑虫山人は一時期たいへん人気があり、贋作もありますのでこのところは確認しておく必要があります。



明治19年の蓑虫山人の記録には下記のようにあります。

1885年 明治18年 50歳 青森に滞在する。
1886年 明治19年 51歳 8月弘前で佐藤蔀と会う。9月浪岡町の平野家・木村家に滞在。日本考古学の先駆者神田孝平氏と会う。



よって冒頭のように当方の郷里の近くに滞在していた頃に描いた作品と推定されます。同時期に描かれたおう一点が同時にインターネットオークションに出品されていました。この作品より少し小さめ、この頃は大きい作品を数多く描き、大きな作品のほうが出来は良いようです。



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