夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

忘れさられた画家ーその11 布袋之図 狩野常信筆

2010-12-11 00:09:45 | 掛け軸
布袋之図 狩野常信筆
絹本淡彩絹装軸時代箱入 
画サイズ:横362*縦305

狩野常信の二作目です。狩野常信を忘れさられた画家と評するには多少抵抗があるでしょうが、御存知の方はかなりの少数派でしょうね。




布袋は中国四明山の僧で体が肥満して腹大きく、日用の一切を詰めた大きな袋と杖を持って、悠然と市中を歩き、それを布袋和尚と呼びました。

その円満な表情は古来より画題として好まれ多くの画家に描かれました。布袋童子、眠り布袋、月見布袋、騎牛布袋、渡水布袋、踊り布袋などその画題は多いです。また、江戸期になって七福神に数えられました。




作品で有名なのは、梁楷筆「踊布袋」、伝牧谿筆「眠布袋」、伝李確筆「腹なで布袋」(妙心寺蔵)、因陀羅筆(根津美術館蔵)、黙庵筆(住友家蔵)、狩野元信筆「崖下布袋」があります。布袋に限らず七福神を描く画家は多いですが品格を持つ作品は意外と少ないです。


本作品は仙台の骨董市での購入です。

古画のわりに高値でしたが、作品が気に入り即時購入しました。

狩野常信の作品は贋作が多いですが、ときに本作品のように真筆が市場に出ることがあるようです。

真筆とは思わず購入したが、出来・印章・落款・表具から判断して真作と断定しました。
布袋に限らず七福神を描く画家は多いが、品格を持つ作品は少い中で、唐子と布袋が描かれた佳作と思っています。

    

評価を気にされる方もおられるようですが、本作品で5万円でした。売るとしたらもっと廉価なのでしょうね。骨董品に過大な期待は持たないほうがいいと思います。

狩野常信:寛永13年生まれ、正徳3年没(1636年~1713年)、享年78歳。狩野尚信の子、慶安3年(1650年)に父の跡を継いで表絵師となり、ついで入道して養朴と号し、安永6年(1709年)に法印の叙された。非常な努力家であり、探幽以来の諸狩野様式を集大成して、探幽画風よりもさらに当時の時代様に合うように変化させた。したがって木挽町狩野家の地位を高め、さらに以後の狩野派は常信の画風の上に成り立っている。多くの遺作があり、探幽より劣るが、その功績は元信、永徳、探幽と並んだ四大家に属する。また、贋作、粉本が多く真贋の判定の判定には慎重を期する必要がある。


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