夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

麗人 中村大三郎筆 その5

2020-02-18 00:01:00 | 掛け軸
昨年の12月の「なんでも鑑定団」に中村大三郎の作品が出品されていました。当方でも本ブログにて紹介しているので興味深く拝見させていただきました。下記の作品が「なんでも鑑定団」に出品された中村大三郎の作品です。

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参考作品
舞子図 中村大三郎
なんでも鑑定団出品作:2019年12月10日放送



評価金額:150万円

安河内眞美氏の講評:素晴らしい作品。中村は京都に生まれ、家が染織関係だったことから染めの色彩感覚が身についたのだろう。依頼品は大正13年、26歳の時に開いた個展に出展されたもの。気品のある美しさを流れるような筆で描ききっている。桜の花びらが散っている。女性が差し出した明かりの中のろうそくまで薄く描かれている。明かりの蒔絵も桜の文様で、女性の簪も桜。帯もすばらしく中の半衿も鮮やか。一文字風袋が蝶で花に蝶。共箱は大三郎自身の箱書き。文句のつけようのない作品。

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本日紹介する当方の作品は中村大三郎については5作品目の紹介となりますが、1作品は資金調達のため売却していますので、実際は4作品の所蔵となります。

麗人 中村大三郎筆 その4
絹本着色軸装 軸先骨 共箱二重箱
全体サイズ:縦1250*横550 画サイズ;縦350*横420



展示室に飾ってみましたが、手前は紅安南?花草文の尺皿です。



「なんでも鑑定団」の出品作の評価金額が150万円には恐れ入りましたね。個展に出展されたものという特別な作品という扱いでしょうか? いくらなんでも通常はその10分の1が妥当でしょう。



本作品も共箱二重箱の誂えです。

 

真作は間違いありません。

 

100万円以上なら即売却ですね。おまけに紅安南?の皿をつけても構わないくらいの高値です。



本作品もなんでも鑑定団出品作に劣らぬ出来の良い作品です。



額装にしたほうが飾りやすいのですが、共箱二重箱を尊重するとこのままのほうがいいでしょう。



今は捨値のような掛け軸、いつかは見直される日が来るでしょう。洋画は掛けていてもどこか心安らぐ作品は少なく、日本画はどこにでもすっと馴染む良さがありますね。

刀剣、漆器らはすでに外国の方が技術の後継者が増えています。表具もそうなるでしょう。そしていつかは日本の掛け軸が表具共々に世界から珍重される日が遠くないように思います。そうなればなんでも鑑定団出品作の評価金額も違和感がなくなるかもしれませんね。

中村大三郎の代表作では妻をモデルに描いた「ピアノ (京都市美術館蔵)」が有名ですね。この作品は切手にもなっています。

参考作品
ピアノ
1926年(大正15年) 絹本着色 屏風四曲一双 鷹さ1645*長さ3020 京都市美術館蔵





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