夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

鯉 梶喜一筆

2012-07-22 07:15:52 | 掛け軸
子供の頃の楽しみというと夏は釣りがありました。沢には鮎、山女が・・、沼には鮒がたくさんいてちんけな竿を作って仲間と釣りに行くのが楽しくて仕方がありませんでした。

釣った魚を庭の池に放すのも楽しみでした。なんと庭に自分でセメントを持ってきて小さな池を作ってしましまったのです。

その当時、というのはなかなかいませんでしたので、子共心に鯉に憧れていした。

とうとう、本家の大きな池につり竿をぶち込んで、錦鯉を釣り上げてしまう始末です。釣れたのはいいのですが、釣り上げるまで大きな音が庭中に響き渡り大騒ぎに・・。大目玉をくらいました。仲間は逃げ足が速かった・・。


鯉 梶喜一筆
紙本水墨 軸先象牙 共箱二重箱太巻
全体サイズ:縦1395*横665 画サイズ:縦400*横515




鯉の絵の名手と知られている梶喜一の作品です。画一的という評価も否めませんが、やはり品格は備わっています。


   

表具部分にシミが発生し始めていますので保存には注意を要します。

今でも鯉をみると心うきうきします。



父が生前に福田豊四郎の「鯉」の作品を観て、やはり鯉は福田平八郎の作品がいいと言ったそうです。私は川端龍子の作品が好きです。徳岡神泉の作品も著名ですが、ちょっと陰気ですね。

ところで「共箱二重箱太巻」と作品の紹介で記しましたが、なんのことかお分かりでしょうか?

共箱はもうお分かりですね。太巻きは最近になって絵の具を塗り重ねることが多くなってから増えたように思えます。



心棒に軸先を入れて掛け軸を巻き、巻きシワを防いだり、絵の具の剥落を防ぐ保存方法です。



主に評価の高い作品に用いられる保存方法です。



それゆえ二重箱となることが多いようです。


今でも池に鯉がいるのを見ると嬉しくなります。




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