夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

蓑虫山人 まくり二点 その12 & その13

2017-11-03 00:01:00 | 日本画
週末ということもあり、本日は気軽な作品たちの紹介です。

男の隠れ家で蔵から漁ってきた昔の日常品を玄関に飾っています。



この徳利は良く見かけますね。これらの徳利はお酒や醤油などの日常よく使うものを入れておくものとして、常に家に一つくらいはあったものなのでしょう。

地震に際してひびが入ったようですが、それも歴史・・。簡単な繕いをして割れないように、水が漏れないようにしてあります。



あちこちの骨董店や骨董市で数千円で売っていますが、大小様々・・。



蝶の文様の盃洗。盃洗は宴席でお酒を飲みかわす際に、盃の交換に際して盃を洗うものとして常に宴席には常備されていました。今では衛生上からも使いませんが、ちょっと洒落たものは根強い人気があります。



秋田の焼き物、楢岡焼、白岩焼とも・・。この楢岡焼と白岩焼は酷似していて小生にも未だによく違いがわかりません。現在も楢岡焼は作られていますが、やはり旧いものには適わないようです。



各々日常品から出世して?飾られるようになっています。ましてや玄関などに・・。ちょっと前なら台所にあったものが玄関になどというのは嫌われたものです。

おっと、これは小生が入手した三代徳田八十吉の作品。30センチを超える大きな作品はなかなかないようです・・・とちと自慢気に紹介・・・。



さてわが郷里には馴染み深い蓑虫山人で、最近では日曜美術館でも取り上げらましたが、それでも現在知っている人は郷里でも少ないでしょう。再評価されるべき画家として本ブログで取り上げています。

弁慶図 蓑虫山人筆 その12 & その13
紙本淡彩軸装 合箱 
全体サイズ:横*縦 画サイズ:横*縦(未表装なのでサイズは未測定です。)

この弁慶図はうまい! これだけの筆数で「五条大橋の月下弁慶図」が出来上がっています。表具をすると立派な作品になると思っています。



北奥羽各地へ長期にわたって逗留する傍ら、名勝や文化財あるいは寄留先の様子などを詳細に記録しました。近代の北奥羽地方の雰囲気を如実に伝えるそれらの作品群は、民俗学研究の一級資料としても評価されています。



九州地方を手はじめに、中国・近畿・東海・関東を経て、明治10年(1877)北奥羽地方へ及びました。蓑虫山人にとって、北奥羽の風土は居心地の良いものであったらしく、放浪の旅を終える明治29年(1896)まで毎年のように来遊し、佐藤蔀・広沢安任ほか多くの地元人の々と交流を結びました。


本日紹介する作品は北奥羽各地へ赴く前の頃の作品ではないか推察されます。

富士図 蓑虫山人筆 その13
紙本淡彩軸装 合箱 
全体サイズ:横*縦 画サイズ:横*縦(未表装なのでサイズは未測定でしたが、色紙程度の大きさです。)





本日の2作品の落款と印章は下記のとおりです。

  

これらの作品は冒頭の陶磁器類とおなじく保存箱もなく、表具もせずにほったらかしていますが、そろそろ「蓑虫山人」の作品取集も終止符を打ち整理しますので、この2点含めて全部で4点のまくり(未表装の状態)の作品があり、この際表具するか否かどうしようかと思案中です。

日常の身の回りのあった品々が時を経て、美的な観点から評価されてくるのは興味深いものがあります。蓑虫山人の絵画にしても旅先のスケッチ、今のスナップ写真のようなもので、手慰みのようなものが、今では画として評価されています。そこには素朴で実直な実用性がありますが、現代にはないどこかに手間のかかった遊びがあります。


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