夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

釣人 酒井三良筆

2020-01-27 00:01:00 | 掛け軸
酒井三良の作品で共箱以外に酒井澄氏(奥さん)、と息女の中谷智子氏による鑑定箱の作品がよく見かけます。本日の作品はその「中谷智子」による鑑定箱に収められている作品の紹介です。

酒井三良の作品は叔父が多くの作品を所持していたので、叔父の所蔵作品で勉強させていただきました。その作品のすべてが子息によって手放されていますので、現在当方で所蔵してる作品はすべて当方で蒐集した作品です。

釣人 酒井三良筆
紙本水墨軸装 軸先木製 息女中谷智子鑑定箱 
全体サイズ:横600*縦1230 画サイズ:横400*縦310



酒井三良の作品の多くはのどかな田舎の風景を郷土愛に満ちあふれた美しいタッチで情緒的に描いており、美しい作品が多数あることで有名となります。さらに、その淡く白みを基調としいた作品はどこか繊細であり、緻密な表現力で描かれる日本人の琴線に触れるような作風が多くあるのが特徴でしょう。



酒井三良は住居を様々な場所へ移し、決して豊かと言えない生活を妻(酒井澄)と一人娘(中谷智子)を引き連れて過ごしていましたが、昭和21年、横山大観のすすめで茨 城県五浦の大観別荘に移り住み、ようやく太平洋側ののどかな場所で落ち着いて暮らせるようになります。本作品はその当時になったからの作品ではないかと推察しています。

本作品は落款はなく印章のみが押印されています。この「三良画印」はよく見かける印章です。



下記の写真は箱書きの鑑定の落款と印章です。

 

決してうまいとか派手さのある作風ではありませんが、郷土愛に満ちあふれた彼の作品は飾って置いてほっとする優しさがあります。これが日本画の良さでしょう。



洋間に飾っても、応接室に飾っても似合う作品と言えましょう。



小生は書斎の片隅の床に飾っています。見るたびに叔父のことを思い出します。



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