![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/e4/0dfc94c0ce3a697c2472ab53a0cdd9c8.jpg)
初釜の際の展示室には展示作品のひとつに下記の作品を展示しておきました。
恵比寿大黒図 柴田是真筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先本象牙 合箱二重箱入
全体サイズ:縦1935*横633 画サイズ:縦992*横541
*手前は金城次郎作の魚文の壺です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/eb/0fe2de08bbd6f37d67c60c0557e93010.jpg)
めでたい(鯛)図柄で干支の鼠が描かれています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/71/beeba7b1d272ad10bf280ea3d79f59cf.jpg)
さて本日は小泉檀山(斐)が描いた「群鮎図」の「その4」の作品の紹介となります。小泉檀山生前から小泉檀山の描いた鮎を描いた作品の評価が高く、生前から?贋作があったようですので、あくまでも「伝」の作品とご承知ください。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/d0/fdb33727b312cb45c2d825efc01edbc6.jpg)
脇に展示の作品は古備前の壺です。
小泉檀山の作品に詳しい方の説によると「必ず群れで描いた鮎のうち一匹は跳びはね、他の一匹は極端に背びれが強調されている。」とか・・・。
さらに文献を整理すると下記ようになります。
小泉斐(あやる)の作品の特徴
・鮎が一匹だけ跳ねている
・上ひれが大きく一匹だけ描かれる
・色彩が直接書き込まれ、ひれに色が二重に書き込まれる(本作品では色が淡い)
・草花の描き方は初期や晩年には雑なようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/40/aa2644c300eebeed2a2117fdaaf0da41.jpg)
ただこのような決まり事にこだわりすぎるといけないのも事実です。
本日は本ブログにて紹介している「群鮎之図 小泉檀山筆」の「その4」となる作品の紹介です。
群鮎之図 小泉檀山筆 その4 1813年(文化10年)
絹本着色軸装 軸先骨 合箱
全体サイズ:縦1730*横455 画サイズ:縦985*横335
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/fe/3aa96405f4738bb2b4008bb65c13af62.jpg)
賛には「癸酉夏雨後於臨川亭 檀山人小泉斐寫 押印」とあり、1813年(文化10年)、小泉斐が43歳の作と推定されます。「臨川亭」の詳細は不明です。「小泉斐印」と「子章□」の白文朱方印と朱文二重方印が押印されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/36/27558ec85c53fafbc6a0dc91cd4789c2.jpg)
30歳頃に那須郡両郷村(現在の栃木県那須郡黒羽町)温泉神社の小泉光秀の養子となり同社の神官を継ぎ、立原翠軒に就いて経学や詩文を修め、その子でのちに大成した画家である立原杏所に画を教えています。また和歌、音楽を嗜んだとも伝えられています。
享和元年(1801年)に、甲斐守に任ぜられ従五位に叙され、本作品はそれから10年後ほど後の作となります。同時期の1813年(文化10年)に鮎を描いた作品が栃木県指定文化財になっており、この当時から鮎を描いていたことが推定されます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/30/6298562705f20ad0bd01400c0b777ea7.jpg)
なんでも鑑定団の解説によると「鮎が(11匹描かれているので)一匹20万円。70歳を越えたあたりから、自らの健康を祝い長寿を願って、5歳加算して年齢を入れている。そのため「九十」と落款に書かれている場合は実際はは85歳となる。小泉斐といえばやはり鮎図で、制作依頼も大変多かったと思う。高齢になると若い頃はもっと葦の葉などきれいに描かれているのが、いわば雑になるが、これはこれで味になっている作品が多い。」とあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/f7/fa9474ac17deb2a49847d469a1910509.jpg)
本作品は鮎が7匹ですから140万円・・・???
小泉檀山の描いたアユの絵は、猫やキツネが爪を立てたり、飛びついたりしたという記録や、描くアユの数で絵の値段が決まったという言い伝えがあります。なお最近では油絵にベロ藍を使用して挑戦していたことが判明するなどしているそうです。
評価金額は別にして、小泉檀山の「鮎」、黒田稲皐ら因幡画壇の「鯉」など意外に知られていない得意の分野の画題の作品の蒐集は愉しいものです。決して器用ではない画家らが得意な分野に打ち込んで一芸を成したいるのは心を打つものがあります。
恵比寿大黒図 柴田是真筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先本象牙 合箱二重箱入
全体サイズ:縦1935*横633 画サイズ:縦992*横541
*手前は金城次郎作の魚文の壺です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/eb/0fe2de08bbd6f37d67c60c0557e93010.jpg)
めでたい(鯛)図柄で干支の鼠が描かれています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/71/beeba7b1d272ad10bf280ea3d79f59cf.jpg)
さて本日は小泉檀山(斐)が描いた「群鮎図」の「その4」の作品の紹介となります。小泉檀山生前から小泉檀山の描いた鮎を描いた作品の評価が高く、生前から?贋作があったようですので、あくまでも「伝」の作品とご承知ください。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/d0/fdb33727b312cb45c2d825efc01edbc6.jpg)
脇に展示の作品は古備前の壺です。
小泉檀山の作品に詳しい方の説によると「必ず群れで描いた鮎のうち一匹は跳びはね、他の一匹は極端に背びれが強調されている。」とか・・・。
さらに文献を整理すると下記ようになります。
小泉斐(あやる)の作品の特徴
・鮎が一匹だけ跳ねている
・上ひれが大きく一匹だけ描かれる
・色彩が直接書き込まれ、ひれに色が二重に書き込まれる(本作品では色が淡い)
・草花の描き方は初期や晩年には雑なようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/40/aa2644c300eebeed2a2117fdaaf0da41.jpg)
ただこのような決まり事にこだわりすぎるといけないのも事実です。
本日は本ブログにて紹介している「群鮎之図 小泉檀山筆」の「その4」となる作品の紹介です。
群鮎之図 小泉檀山筆 その4 1813年(文化10年)
絹本着色軸装 軸先骨 合箱
全体サイズ:縦1730*横455 画サイズ:縦985*横335
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/ab/31f0fb598490007cf01325da2078d37e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/fe/3aa96405f4738bb2b4008bb65c13af62.jpg)
賛には「癸酉夏雨後於臨川亭 檀山人小泉斐寫 押印」とあり、1813年(文化10年)、小泉斐が43歳の作と推定されます。「臨川亭」の詳細は不明です。「小泉斐印」と「子章□」の白文朱方印と朱文二重方印が押印されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/4f/ae1f78fc2314052e28e1ad951fa88513.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/36/27558ec85c53fafbc6a0dc91cd4789c2.jpg)
30歳頃に那須郡両郷村(現在の栃木県那須郡黒羽町)温泉神社の小泉光秀の養子となり同社の神官を継ぎ、立原翠軒に就いて経学や詩文を修め、その子でのちに大成した画家である立原杏所に画を教えています。また和歌、音楽を嗜んだとも伝えられています。
享和元年(1801年)に、甲斐守に任ぜられ従五位に叙され、本作品はそれから10年後ほど後の作となります。同時期の1813年(文化10年)に鮎を描いた作品が栃木県指定文化財になっており、この当時から鮎を描いていたことが推定されます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/30/6298562705f20ad0bd01400c0b777ea7.jpg)
なんでも鑑定団の解説によると「鮎が(11匹描かれているので)一匹20万円。70歳を越えたあたりから、自らの健康を祝い長寿を願って、5歳加算して年齢を入れている。そのため「九十」と落款に書かれている場合は実際はは85歳となる。小泉斐といえばやはり鮎図で、制作依頼も大変多かったと思う。高齢になると若い頃はもっと葦の葉などきれいに描かれているのが、いわば雑になるが、これはこれで味になっている作品が多い。」とあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/f7/fa9474ac17deb2a49847d469a1910509.jpg)
本作品は鮎が7匹ですから140万円・・・???
小泉檀山の描いたアユの絵は、猫やキツネが爪を立てたり、飛びついたりしたという記録や、描くアユの数で絵の値段が決まったという言い伝えがあります。なお最近では油絵にベロ藍を使用して挑戦していたことが判明するなどしているそうです。
評価金額は別にして、小泉檀山の「鮎」、黒田稲皐ら因幡画壇の「鯉」など意外に知られていない得意の分野の画題の作品の蒐集は愉しいものです。決して器用ではない画家らが得意な分野に打ち込んで一芸を成したいるのは心を打つものがあります。