夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

思い出深い色紙の作品 鉄線 福田豊四郎筆 その127

2021-05-03 00:01:00 | 日本画
極彩色の木彫の作品は飾るに際して、光を避けるために共箱などの箱に入れたまま飾っているのですが、極彩色の鑑賞に妨げになるので、ちょっとした人形ケースに入れてみました。



よく見えて鑑賞にはいいのですが、やはり極彩色の退色が気になりますね。



他の作品はガラスケースごと箱に入れて飾っています。人形はケースに入っていると段ボール程度の箱だと積み上げて保管できません。とかく大きくなってスペースをとるので、保管には手間のかかるのがこのような作品ですね。



すでに記述していますが、保護用にある布は義母が不要になった着物の帯で作ってくれたものです。



さて、本日は福田豊四郎の色紙の作品の紹介です。

落款や印章から福田豊四郎の最晩年の色紙と判断されます。福田豊四郎の最晩年の作には独特の品格の高さがあります。本日の作品は「桔梗」と題されていた作品を入手したのですが、実は「鉄線」の作品です。花弁の数から鉄線と解りますね。



思い出深い色紙の作品 桔梗 福田豊四郎筆
紙本着色色紙額装 
作品サイズ:縦270*横240



父と同郷の友人であり、また父が趣味である絵を教えて頂いたという交流を持つ福田豊四郎氏です。およそ55年以上前に父が亡くなったのですが、その際に母が生存中の福田豊四郎氏に依頼し、父がお世話になった方々に収めて頂く色紙をおよそ10点以上描いもらったそうです。交友があったことから数多くの福田豊四郎の作品が当方に遺っていますが、その中にはその時に描いていただいた色紙の数点も遺っていますが、この作品と同時期の作品のようです。



遺っていた色紙の作品に鉄線の花を描いた色紙の作品がありました。その作品は小生の結婚式の司会の方に御礼の一部として母が差し上げています。また本家にも鉄線を描いた色紙の作品がありましたが、本家の叔母が亡くなった際に頂く約束でしたが、叔母の息子さんが持っていかれました。そのような経緯から福田豊四郎の描いた鉄線の花の色紙の作品を探し求めていましたが、今まで入手のチャンスどころか作品すらまだ目にしたことがありませんでした。



そうこうしてるうちに福田豊四郎の色紙の作品が当方にはたくさん集まるようになってしまいました。本作品は入手時には「桔梗」を描いたとのことでしたが、実は「鉄線」の作品です。もしかしたら当方の本家にあった作品かもしれません。

同時期の作品では下記の作品があります。

睡蓮 福田豊四郎筆
紙本着色色紙額装 
作品サイズ:縦270*横240



本作品の落款と印章(下記写真:左)と「睡蓮」の作品の落款(下記写真:右)と印章を比較してみましょう。

 

少なくても当方の福田豊四郎の色紙の作品の蒐集は「鉄線」の作品が入手できるまで続くと思っていました。実家に飾られていた「鉄線」の色紙の作品、本家の叔母の床の間に飾られていた「鉄線」の色紙に描いた作品・・、いずれも若い頃に思い出のある作品です。とりあえず桔梗の作品で思い出にふけることにしようと思っていたら、実は入手したいと長年思っていた「鉄線」を描いた作品でした。骨董蒐集は入手できないと思っていたら駄目だそうです。いつか入手できると思い続けることが大切なのだそうです。



もちろん資金力が重要な要素ですが、資金にある程度の無理がきくならその時に入手に踏み切ることですね。チャンスはそれほど数多くはないと思います。



家にあり、本家にあり、そのようにすぐそばにあった作品をようやく入手できました。思いがけない三度目の正直ということなのでしょう。


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