夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

鶴扇面図 柴田是真・河鍋暁斎筆

2012-11-30 06:51:57 | 掛け軸
柴田是真は言わずと知れた漆工芸の大家です。今週のNHKの日曜日美術館で美術館で開催されていた展覧会を中心に紹介されていました。


漆というものに私も非常に興味がありますが、本格的に学ぼうとは思いません。というのは漆にかぶれるからです。金繕いなどを自分でするのですが、こどものころから大人までかぶれたことはありませんでした。ところがある日、突然手が猛烈に痒くなり、水膨れのつぶつぶができたので、あわてて近所の皮膚科に急行しました。

病院に着いて診察室に入ると、とても綺麗な女医さんが待ち受けていました。そして小生の股間を指さして「見せてください。」というのです。当方は困惑しながら「いえ、インキンタムシではなく、漆にかぶれて手が痒いのです。」と答えたのですが、「わかっています。ともかく見せてください。」と興味深そうに?ノタマウのです。

しょうがなく、ズボンをおろすと、小生の恐縮している大事なものを指でつまんで、「大丈夫そうですね。」だと・・。「漆にかぶれると用を足すときなどに大事なところにうつるとたいへんなことになります。」だそうで・・、こちらは「最初に説明しろ。」と言いたい。

なにやら得したような?恥ずかしいやら、それ以来は厳重に注意しながら漆を扱いますが、それでも二度三度かぶれてましたが医者には行きません。多少行きたい気持ちもありますが・・。皆様も漆にかぶれたら要注意です。

さて本日はそのような扱いにくい漆の名人が描いた作品です。柴田是真に興味があるのは3点あります。

1.漆の扱いがうまく絵の発想も面白いこと。
この点は日曜美術館でも放映していました。

2.長生きで三度結婚していて、高齢で子供をつくっている。「あなたも見習いなさい」と家内が結婚前に美術館の柴田是真の経歴説明の大きなボードの前でのたもうた・・

3.柴田是真と河鍋暁斎は友人であったこと
明治期の鬼才二人が結びついていたことに興味深々です。それを示す二人の合作の作品が本日の投稿作品ですが、資金が入用な時に売却しました。わりと高値で売れたのですが、今思うと所蔵していてもと思うことがありますが、それはそれで仕方がないこと。

鶴扇面図 柴田是真・河鍋暁斎筆
紙本着色絹装軸木製軸先箱入 
全体サイズ:縦1030*横542 画サイズ:横500*扇面縦158




落款として「八十三翁是真」とあるが、中央の白丸印は判読不能であるが、別号である沈流亭の「沈流」の印と思われ、また右下の印は「暁斎」です。



現在残っている写真はここに投稿してるものしかありませんので、判読不能なものはご了解ください。




譲りうける際の説明によると「所蔵者の方に聞いたところ、柴田是先生と、河鍋暁斎先生の合作の貴重な品で、本物保障出来る品だそうです。一家を成した大家どうしですので当然交流があり、合作もあります。(当方、何点かプロのオークションで見ております)。貴重な逸品ですので、大事にされる事をお願い致します。」とのことでした。



実際に両巨匠の号作は「別冊太陽 河鍋暁斎」(2008年5月号)に掲載されています(P86 「鯉の滝登り」)。ちなみに表具はかなりの上表具です。



非常に数が少ない両者の合作作品のようです。今まで現物は見たことがありません。

柴田是真と河鍋暁斎については下記の作品を本ブログで投稿しています。

恵比寿・大黒図 河鍋暁斎筆紙本水墨淡彩絹装軸装箱 
画サイズ:横320*縦1165

この河鍋暁斎の作品似た作品が「なんでも鑑定団」に出品されました。



本ブログに投稿した小生の作品のほうが数段よいものと思っていますが・・。これで合作を手放した思いを断ち切れるかな。

柴田是真には二作品を投稿してます。今、柴田是真は再度評価が高まっています。小生が初めて三〇代の時に大枚を出した作品は柴田是真でした。

児戯之図 柴田是真筆
絹本着色軸装東京美術倶楽部売立品 
全体サイズ:縦*横 画サイズ:横730*縦1110

柴田是真にも贋作が多いので要注意です。何点か怪しいものは私は処分しましたが・・。

下記の作品のように門人の鑑定があるの信頼性があると思います。

甲子之図 柴田是真筆
絹装軸紙本水墨鑑定箱入 
画サイズ:196*788

本ブログのリンクするとだいたい関係先の索引が掲載されているようになりました。ほぼ所蔵品の整理がつきつつあるようです。
編集していた原稿も底をついてきました。





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