夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

忘れ去られた画家 漁夫 若狭成業筆

2016-02-12 05:04:02 | 掛け軸
仕事をしているところへ家内からのメール、しかも写真だけ・・。



どうもニッチの毘沙門天をどけて花を飾ったらしい 花入に洗面台にあったガラス瓶を使ったらしい。ま~、いいか。

本日は故郷の画家の作品ですが、本ブログでは初めて投稿する画家です。本ブログでお馴染みの「寺崎廣業」に師事していました。

若狭成業は同郷の寺崎廣業に学び、中国の著名な画家である王一亭・呉昌碩らの影響を受けています。ほとんど忘れ去られて画家といっても過言ではないでしょう。画力のある画家の一人ですが、最近では非常に評価の低い画家のひとりです。
「王一亭・呉昌碩ら」の近代の中国の画家は真作であれば非常に高い評価を受けていますが、版画などの作品や贋作が横行しており、素人にはまったく判別がつかないものが多く、禁断の画家?といってもいいでしょう。

本作品は郷里出身が画家でもり、また「面白い」と思い購入した作品です。

忘れ去られた画家 漁夫 若狭成業筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先木製塗 合箱
全体サイズ:縦1990*横700 画サイズ:縦1290



賛には「学道老標失本心 湧歌一曲□□□ □江暮雨楚雲月 □□風情夜々□ □□□□ 於□山下 物外写 押印」とあります。意味は? ちょっと難解そうですね。



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若狭成業:南画家。秋田県生。名は忠太郎、別号を如岳・物外。初め小野崎如水・高橋晁山に入門し、上京後寺崎廣業に、のち京都で山田介堂に学ぶ。中国へ歴遊し、王一亭・呉昌碩と親交し、その影響を受けた。巽画会会員。昭和32年(1957)歿、71才

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王一亭・呉昌碩の作風に似ているもののやはり日本人の感覚の作品ですね。王一亭・呉昌碩の作品は非常に評価の高い画家で、日本でいう富岡鉄斎のような南画めいた作品を描きます。



作品には画力充分と思わせる迫力があります。



このような作品は数千円で購入できますし、ほぼ贋作はないと思っていいでしょう。もっと評価されるべき画家のひとりです。

郷里の画家などに興味を持つことから骨董蒐集を始めると長続きするようです。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
趣味のきっかけ (通りすがり)
2016-02-12 18:37:18
いつも興味深く、また楽しく拝見させていただいております。さて、日本画の、特に掛け軸に、これほど興味を持たれたきっかけは何だったのでしょうか?よろしければ教えて下さい。
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契機 (夜噺骨董談義)
2016-02-13 13:04:09
祖父が骨董というか美術品が好きで多少蒐集しており、子供のころから床の間や寝ている傍には掛け軸がありました。祖父や父は福田豊四郎とは友人で父は絵を習っていました。事業がうまくいかなくなった時に、蒐集していた作品を処分しましたが、いくつかは手元に残りました。そのような状況時に小生が興味を持ち始めて、いろいろと調べるようになったのが契機です。
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趣味のきっかけ2 (通りすがり)
2016-02-28 00:02:41
お礼が遅くなりましたが、回答ありがとうございました。やはり子どもの頃から慣れ親しんで来たという経験は、晩年に至っても大きな影響力がはたらきますね。当たり前のように傍に存在していた、とでも言ったらいいのでしょうか。
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契機2 (夜噺骨董談義)
2016-02-28 09:22:43
子どもの頃からたしかに身近にあったのでしょうが、ほとんど覚えていないのも事実ですね。
やはり40歳過ぎた頃から処分とともに興味を持ち始めて、少し経て骨董市などで購入するようになったのが始まりかと記憶しています。
蒐集しておられた方や骨董店の主人からいいものを見せていただいたことも大きく影響しています。
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