夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

氏素性の解らぬ作品 水墨二菩薩図 棟方志功筆

2020-10-01 00:01:00 | 日本画
本日は棟方志功の「二菩薩」という作品の紹介です。棟方志功の「二菩薩」というと有名な代表作「二菩薩釈迦十大弟子」を連想する方が多いと思います。



水墨二菩薩図 棟方志功筆
紙本水墨額装 誂布タトウ+黄袋 
全体サイズ:縦570*横750 作品サイズ:縦365*横540



「二菩薩釈迦十大弟子」の作品は実際は2種類あるそうです。1939年に制作され新進画家に贈られる賞も受賞しましたが、1948年に二菩薩が改刻されています。 空襲で東京の自宅とともに菩薩の版木が燃えてしまったからです。他5枚は(両面に彫られているので板木は6枚)疎開先の富山・福光町へロッキングチェアを運ぶ際に 添木として使われ焼失を免れたらしいです。ですから 正確には「二菩薩釈迦十大弟子」の作品中の「二菩薩」の作品には「改刻前」と「改刻後」の2種類が存在するということのようです。



叔父の元には棟方志功の「二菩薩釈迦十大弟子」の作品があったようです。蔵を整理した時に見つけたようですから、戦前に入手したのかもしれません。蔵の中には浮世絵の春画も多くあり、それらと一緒に処分したようです。もったいないことをしたと叔父は悔やんでいました。戦後まもなくには叔父のところへ棟方志功が作品を売りに来たこともあったようで、肉筆画が数点叔父の元に所蔵されていました。



戦後のまもない頃には加藤唐九郎の作品も売りに来られたようですが、こちらの作品はとても高く当時の秋田杉の採れた山ひとつ分だったそうです。叔父から見せていただいた作品は鼠志野のお皿でした。



すでに叔父の元にあった肉筆画も鼠志野の作品も今は処分されて手元にないようです。叔父に見せていただいた作品を偲びながら当方ではせめて氏素性の解らぬ作品を愉しむばかりですね。



ところで「二菩薩」というのは「普賢菩薩」と「文殊菩薩」のことでしょう。当方では「江口之君図 島崎柳塢筆」で普賢菩薩を、「文殊像 伝高村光雲刀」で文殊菩薩に記事内容で触れていいます。



棟方志功の作品には鑑定が必要なのでしょうが、それにはなにやら規定?があって、真作であっても鑑定書の出ないものもあるようです。本作品は和紙に肉筆は相違なさそうです。印章も合っているように思われますが・・・??



ま~、当方は本来棟方志功の作品は蒐集対象ではないので詳しくは知りませんが、人気が出てくるとなにかと面倒な決まり事ができるのは世の常ですね。



最近なにかと菩薩の作品に縁がありますが、どうも下に写真にある古伊万里らしき象の置物の作品を入手してからのようです。



展示室にはこの二つの作品を近くに展示しています。縁のあるものを真贋を碌に考慮しないで入手するのは当方の悪い癖のようです。







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