夜噺骨董談義

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平賀源内が考案した源内焼 褐色釉獅子香炉文角皿 その148

2025-02-05 00:01:00 | 陶磁器
大河ドラマにて話題の平賀源内ですが、本ブログにて紹介されている源内焼葉平賀源内の指導によって誕生しています。

源内焼は、1755年(宝暦5年)に平賀源内の指導によって始まったとされています。技術的には桃山時代以降、中国の華南三彩と同系列の軟質の施釉陶器で、緑、褐、黄などの鮮やかな釉色を特徴であり、精緻な文様はすべて型を使って表され、世界地図、日本地図、欧米文字などの斬新な意匠が見られます。中国や日本の絵画の画題や西洋風の意匠も特徴です。源内焼の始まりの動機は中国の陶磁器によって金や銀などが海外に流出することに対する対抗策とされています。

ただし源内の指導がどのようなものかの詳細は不明です。金森得水著『本朝陶器攷證』巻一に、「宝暦5年(1755年)長崎に遊学した源内は交趾焼の技術を学んだ。」とあるのが早い記録です。その後源内の書簡などから、故郷の讃岐国志度の産業振興のため、新しい三彩釉の軟質陶器の製作を指導した、と推測されています。源内焼については、生産窯址やその規模、陶工と平賀源内との関わり方など、まだ明らかになっていない部分が多いようです。大名家や幕府高官などに収蔵されたため、近年に再評価されるまでほとんど世に知られておらず、現在も美術館などの所蔵より、個人が所蔵している作品が多いとされます。近代に入ると、釉の塗り分けと発色、筆による描写、立体的な意匠、型成形の変質など、特徴に変化が認められます。明治時代の博覧会で源内の子孫により一時再興されますが、美術的にも工芸的にもオリジナルには遠く及ばずすぐに衰退しました。ただし府立大阪博物館旧蔵資料に源内焼が含まれており、近代になっても源内焼の意匠が受け継がれていたようです。香川県の焼物には源内焼の作風を受け継いだものがかなり多いとされます。


本日はその源内焼の代表的な作例である「獅子香炉文」という文様の作品の紹介ですが、この作例は幾種類も存在します。本日紹介する作品はその中でも最大の大きさの作品です。


このような源内焼は当時から使うものというより飾る作品であったそうですが、当方はどうも使う気になってしまい、最低でも5客欲しくなる・・・。飾るために作ったものゆえか、同じものはなかなか揃わないものです。



平賀源内が考案した源内焼 褐色釉獅子香炉文角皿 
合古箱入
作品サイズ:幅232*奥行235*高さ50 



裏面の脚が貝状のものは源内焼では「鉢」に分類され、源内焼の中では23センチを超える大型の作品となっています。



この作品は「獅子香炉文」の作品でも大きいものです。高さも5センチを超えています。



下記のような箱に収納されています。



源内焼にはこのような獅子香炉文の「鉢」の作品が各種の器になっています。



主に角皿にメインに遺っていますが、かなり人気の高かった文様であったのでしょう。



非常に少ないですが、角皿に手持ちが付いた作品もあります。



硯屏になっている作品もあります。



本日紹介する作品と同等の角皿を並べてみましたが、いろんな釉薬が掛かっている作品が遺っています。

下記の写真は「鉢」に部類されている作品ですが、本日紹介する作品(下記写真上)は口縁の文様が他とは違いますね。見込みの型はおそらく同じものでしょう。「鉢」では獅子がすべて右向きになっていますね。



下記は少し小型の作品で大きさは20センチ以下となっています。獅子はすべて左向きとなっています。



これだけ蒐集するとちょっとマニアックなことになりますね。当方でこの次に源内焼に多いのはおそらく「五鳥文」の皿かもしれません。この作品は当方で4作品揃っていますし、他の図柄で1作品あります。



これだけ種類の多いのはこの文様が人気があったからでしょう。獅子は古くから、悪魔や邪気を払う神獣、霊獣 とされています。またこの図柄はなにかしらの資料にあったように思われます。



ところで皿を飾るのに用いる皿たて、当方には必須アイテムですが、なかなか気に入った皿たて?を入手するのは難しいものです。また皿などのサイズによって幾種類も必要となりますね。



意外と皿立ては大きくなると値の張るものです。当方では箱に入れて幾種類も保管してありますが、この点も当方はちょっとマニアックかもしれません。平賀源内はある意味でかなりのマニアックな存在かも・・。

ところで源内焼の型は浮世絵の摺師が作ったということはご存じでしょうか? 鈴木春信の工房の彫師が作ってらしい・・・。大河ドラマで源内焼が話題になることないでしょうね。ただもはや数が少なくなっており、しかも状態が完璧なものは年々少なくなっていますが、平賀源内の商魂逞しい一面を覗ける焼き物と同時に、これは貿易差額に対抗するための日本を代表する製品に相違ありません。















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