
我が郷土出身の画家である寺崎廣業の作品ですが、本ブログで紹介された作品数が60を超えました。多作で贋作が多く存在する画家ですので、幾つかの贋作にも惑わされながらの蒐集でしたが、経験を積むうちに徐々に惑わされずに蒐集できるようになりました。
本ブログにおいて多少贋作に惑わされた作品については、売買目的ではないので、真贋ばかりにこだわるよりも作品そのものを愉しむという観点での作品紹介ですので、その点は寛容にブログを鑑賞していただけると幸いです。
本日紹介する着色の山水画は明治末から大正初期にかけての寺崎廣業の得意とする作品群です。私の蒐集作品の良き評価者である家内からも「この絵は好き!」という評価でした。
春景山水 寺崎廣業筆 その61
絹本着色軸装 軸先象牙 共箱二重箱
全体サイズ:縦*横 画サイズ:縦1260*横505

同時代の横山大観や菱田春草らが朦朧体という手法を編み出して、空間描写に新しい工夫を加えたのに対し、寺崎廣業は南画の筆致を加えた独自の画境を生み出しています。

やや高い位置から俯瞰する構図の取り方、木々や川の流れの描写、遠景の山々の描き方などに色濃く南画の画面構成がうかがえる作品です。

寺崎廣業の明治末に描かれた彩色の山水画は寺崎廣業の作品の中でも注目されてよい作品だと思います。本ブログにも多くの作品が紹介されていますので、他の作品も参考にしてください。

この時期の落款、印章、箱書などはほぼ同一のものです。白文朱方印「騰龍軒主」、朱文白方印「天籟」が押印されています。箱の印章は「廣業」の丸重ね(だるま)印です。

当時はかなり評価が高かったのでしょう。軸先が象牙で、二重箱にてきちんと保管されているのはうれしいものです。

この時期の寺崎廣業の作品が、おかげさまで春夏秋冬、各季節ごとに揃ってきました。現在では見抜きもされていにない寺崎廣業の作品ですが、郷土出身の画家ですので、大切に保管していきたいと思っています。

天才肌の画家ではなく、地道に努力して画力を積み上げた画家ですが、晩年は多作に陥ったことによって、没後の人気は落ち込んでいます。

ただ美人画から近代南画による風景画へと変遷し、近代画壇に多大な影響を与えています。

横山大観、上村松園らの表具は格別なもので、これらの画家の表具などの誂えも掛け軸の愉しみのひとつですが、特に近代画の表具は古画とはまた違った豪華さがあります。

いい作品の表具は軸先の重さ、表具の乱れのなさが違い、こういう感覚は扱う者にしか解らないでしょうが、こういうことも掛け軸の愉しみのひとつです。
本ブログにおいて多少贋作に惑わされた作品については、売買目的ではないので、真贋ばかりにこだわるよりも作品そのものを愉しむという観点での作品紹介ですので、その点は寛容にブログを鑑賞していただけると幸いです。
本日紹介する着色の山水画は明治末から大正初期にかけての寺崎廣業の得意とする作品群です。私の蒐集作品の良き評価者である家内からも「この絵は好き!」という評価でした。
春景山水 寺崎廣業筆 その61
絹本着色軸装 軸先象牙 共箱二重箱
全体サイズ:縦*横 画サイズ:縦1260*横505

同時代の横山大観や菱田春草らが朦朧体という手法を編み出して、空間描写に新しい工夫を加えたのに対し、寺崎廣業は南画の筆致を加えた独自の画境を生み出しています。

やや高い位置から俯瞰する構図の取り方、木々や川の流れの描写、遠景の山々の描き方などに色濃く南画の画面構成がうかがえる作品です。

寺崎廣業の明治末に描かれた彩色の山水画は寺崎廣業の作品の中でも注目されてよい作品だと思います。本ブログにも多くの作品が紹介されていますので、他の作品も参考にしてください。

この時期の落款、印章、箱書などはほぼ同一のものです。白文朱方印「騰龍軒主」、朱文白方印「天籟」が押印されています。箱の印章は「廣業」の丸重ね(だるま)印です。


当時はかなり評価が高かったのでしょう。軸先が象牙で、二重箱にてきちんと保管されているのはうれしいものです。

この時期の寺崎廣業の作品が、おかげさまで春夏秋冬、各季節ごとに揃ってきました。現在では見抜きもされていにない寺崎廣業の作品ですが、郷土出身の画家ですので、大切に保管していきたいと思っています。

天才肌の画家ではなく、地道に努力して画力を積み上げた画家ですが、晩年は多作に陥ったことによって、没後の人気は落ち込んでいます。

ただ美人画から近代南画による風景画へと変遷し、近代画壇に多大な影響を与えています。

横山大観、上村松園らの表具は格別なもので、これらの画家の表具などの誂えも掛け軸の愉しみのひとつですが、特に近代画の表具は古画とはまた違った豪華さがあります。

いい作品の表具は軸先の重さ、表具の乱れのなさが違い、こういう感覚は扱う者にしか解らないでしょうが、こういうことも掛け軸の愉しみのひとつです。