夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

花魁図 寺崎廣業筆 二本廣業 明治40年(1907年)頃

2019-02-18 00:01:00 | 掛け軸
前回中村岳陵の色紙の作品を紹介しましたが、「工芸品」のほうを郷里から持ち帰って比較してみました。



左が大塚工藝社による複製品で、右が真作の肉筆画です。



大塚工藝社の複製品は「印章」が「工芸」と明記され(解りにくいものもある)、裏側には大塚工藝社のシールがあります。シールは剥がされていることがるので要注意です。

 

かたや真作は下記の写真のおりです。



ほぼ同じ構図です。大塚工藝社の作品に下絵とみて差し支えないのでしょう。



大塚工藝社の複製品は祖父が上京した際にお土産として買ってきた作品です。当時は工藝作品を売りに出していた初めの頃で目新しかったようです。



これらの経緯を資料にまとめて工芸品共々保管することにしました。



さて本日紹介する作品は寺崎廣業の席画の作品の紹介です。もはや当方ではかなりの所蔵作品数となった寺崎廣業の作品であり、今後は佳作に絞って寺崎廣業の作品を蒐集すると述べながら、このような席画程度の作品を蒐集するのは方針が違うと思われる方もいるでしょうが、本作品は間違いなく寺崎廣業の佳作と言っていいでしょう。

花魁図 寺崎廣業筆 二本廣業 明治40年(1907年)頃
紙本水墨淡彩軸装 軸先 合箱 
全体サイズ:縦1791*横343 画サイズ:縦1323*横319



落款から作品を描いたのは明治40年頃の作と推察されます。一気呵成に描き上げたこの作品は寺崎廣業の明治30年頃からの新進気鋭に満ち溢れた技量を発揮した佳作といってよい。



この頃の寺崎廣業は挿絵を中心とした美人画が人気の頃であり、手練を積んだ成果が一気に花開いた時期でもあります。



着物に牡丹の図柄が勢いのよい筆遣いで描かれています。このような寺崎廣業の美人画の席画は珍しいと思います。とうほうでも2作品目の紹介となります。



展示室に牡丹を描いた呉須赤絵の作品と並べています。



このような展示の取り合わせも愉しみのひとつですね。



中央の描かれたのは麒麟の絵・・・。



この絵柄が描かれた呉須赤絵の大皿の作品は当方にもいくつかあり、当方ではこの「麒麟」が描かれた作品が一番好きですね。



上の写真の麒麟の絵は別の作品に描かれているものです。やはり呉須赤絵の作品は麒麟が一番・・・。



本日は盛りたくさんの作品の紹介となりました。





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