2015年8月26日(水)、渋民市民センター(一関市大東町渋民字小林29-4)で「室蓬カレッジ現代文学講座」(移動研修を含め全6回)の第1回目(9:30~11:30時)が開催されました。講師は朗読の名手・内田正好氏(川崎町在住)。
(上)会場の一関市役所大東支所/一関市渋民市民センター(下記の地図には「集会センター」と記されています。)
(上)講師の内田正好先生:一関市川崎町在住。一関市三関出身。国学院大学卒業後、国語教諭に。埼玉県と岩手県の各県立高校で教壇に立ち、盛岡南高校、一関一高で校長を務め2006年3月に定年退職。同年から2014年10月まで2期8年間、一関市教委教育委員として活動した。盛岡大学、修紅短期大学の非常勤講師。一関文化会議所理事、副理事長を歴任し、現在理事長。川崎小学校図書館ボランティアなど今も教育現場に携わる。妻と2人暮らし。
第1回目のこの日は、一関在住の作家・小野寺苓さんのプロフィールの紹介から始まりました。
小野寺 苓(おのでら・れい) 一関市桜木町在住。1932(昭和7)年生まれ。旧姓 牟岐(むき)。父・牟岐雄(てつお)は一関一高校長をした。(「」は「哲」と同じだそうです)岩手大学学芸学部を卒業後、県内で中学校英語教諭として教鞭をとる。桜町中学校在職中に結婚。間もなく退職し、詩集「ママンの木」を刊行(昭和38年)筆名は北川 れい。詩集:「蓮台野」「花の郵便」「托鉢の朝」
エッセイスト・小説家としての筆名は小野寺 苓。
エッセイ集「北窓の風景」「女の名前」「心の旅-井上靖紀行」、小説「玉蕾」「みちのく腑分け始末」「茶杓-消えた伊達家老」
小説はいずれも、地域に埋もれている歴史を掘り起こし、詳細にわたって調査研究がなされ、埋もれてしまいそうな地方の出来事を歴史小説とした著書は評価が高い。
エッセイ集「女の名前」は、宮崎美子のTV番組「すずらん本屋堂」(BS11ch1、毎週金曜日 22:00~22:50時)で、直木賞作家の桜木紫乃が取り上げたことが契機となり、脚光を浴びて、自費出版以来19年目にして文庫本として出版された。
ほかに、一関市立の真滝中と弥栄中が統合してできた一関東中学校の校歌も作詞しています。
活動・功績 日本現代詩人会会員、岩手県詩人クラブ会員、井上靖研究会会員、鈴木彦次郎門下会会員、日本現代詩歌文学館運営協会理事 など。
受賞歴:昭和47年 第26回岩手芸術祭随筆部門優秀賞。昭和50年 第29回岩手芸術祭随筆部門芸術祭賞受賞。平成16年度地方教育行政功労者表彰(文部科学省)。平成26年「一関文化賞」受賞(一関文化会議所)。
(上)我が家にある朝日新聞社発行の単行本『女の名前 小野寺 苓 エッセー集』(1996年5月10日 第2刷)
この日はエッセイ集「『女の名前』から「死んだ日に赤い熨斗袋」「女の名前」「マリアはいますか」「返本の山に負けず」を朗読していただきました。
表題作の「女の名前」は菩提寺の過去帳から、ひそやかに生きた女性たちに思いをはせています。「俗名が記載されているのは男性だけで、女性は家督の名の下に祖母とか後妻とかの説明があるだけだった。家を継ぐ男子を産み、はかなく消え去った時代を振り返り「名もない女たち」とは、まさしくこの過去帳の中に眠っている女たちである」と記しています。
(下)2015年5月22日(金)付「岩手日報」の紹介記事。
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