2010年10月30日(土)、一関市釣山公園(一関市字釣山1-9外)に久しぶりに行ってきました。「清庵ケ池、藩主の井戸」がある所の斜面に生えている高さ10mほどもあるアオギリ(青桐)が、5裂した果実を沢山つけていました。
アオギリ(青桐) 生長が早く、大きな葉が涼しい木陰をつくる。公園樹や街路樹としてよく植えられている。
果実は袋果で、成熟する前に5裂する。裂片は笹舟のような形で、縁に数個の種子がある。
アオギリ(青桐) アオギリ科 アオギリ属 Firmiana simplex
亜熱帯に自生する落葉高木で、高さ15mぐらいになる。伊豆半島や紀伊半島、四国、九州の沿岸地には野生化している。幹は直立し、樹皮は緑色で滑らか。若枝には軟らかい星状毛がある。葉は枝先に集まって互生し、長さ15~25㎝の大形の扁円形で、浅く3~5裂する。縁は全縁で、基部は心形。はじめは葉の両面と葉柄に褐色の柔らかい星状毛があるが、後に裏面を除いて毛は落ちる。
6~7月、枝先に大形の円錐花序を出し、帯黄色の小さな花を多数開く。花序には帯黄色の星状毛が密生し、同じ花序に雄花と雌花が混じって咲く。花には花弁はない。花弁のように見えるのは5個の細長い萼片で、開出して反り返る。外側には帯黄色の星状毛が密生する。雄花では花糸が合着して長さ約1.2㎝の筒状になり、その先端に葯が球状に集まってつく。雌しべは退化している。雌花では萼片の基部が赤みを帯び、長さ約5㎜の花糸と合着した柄の先に1個の雌しべがあり、その基部を退化した葯が取り巻く。
果実は長さ8~10㎝の袋果で、成熟する前に5裂する。裂片は笹舟のような形で、縁に数個の種子がある。種子は直径約1㎝の球形で、網状のシワ(皺)がある。昔は種子を炒って食べたり、第2次大戦中にはコーヒーの代用にした。
和名は樹皮が緑色で、葉がキリ(桐)に似ていることによる。中国名は梧桐。
用途:庭木、公園・街路樹、器具材。分布:沖縄、中国、台湾、インドシナ。[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・日本の樹木」より]