peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

「世界の椿館・碁石」のツバキ(椿) その11:ヒゴヤマトニシキ(肥後日本錦)

2006年01月30日 | Weblog


「ヒゴツバキ(肥後椿)」は、熊本が誇る伝統的な椿で、200年以上の伝統があるそうです。肥後椿については、下記のWebサイトに記載されていることですが、「昔は門外不出の珍種として育種改良がすすめられ、100品種以上にも」なったそうです。「第2次世界大戦で多くの品種が失われましたが最近になって新品種も次々に作り出され、以前にも勝るとも劣らない多様な品種がそろっている」そうです。

肥後椿は、「桃花系」「紅花系」「白花系」「絞り(錦)花系」にわけられますが、「ヤマトニシキ(日本錦)またはニホンニシキ」は、「絞り(錦)花系」に属するようです。

 http://www.kumamotokokufu-h.ed.jp/kumamoto/sizen/hana98/htubaki.html

 花の時期は1~4月で、「一重平開咲き梅芯」の格調高い名花です。特に花芯(雄しべや雌しべ)が雄渾華麗な花で、椿の王様と言える、世界に誇れる花!(中略)花の色には、白、桃、紅、絞り等があり、花弁(花びら)は一重で平開、花弁数5~10枚、雄芯(雄しべ)数100~250本、その数・長短・色・太さ等で、品種を見分けるのも特徴!雄芯を鑑賞する花は世界でも稀かと!最近では香りを有する品種も!




ヒゴヤマトニシキ(肥後日本錦)ツバキ科 ツバキ属 Camellia Higo-yamato-nishiki
「ヒゴヤマトニシキ(肥後日本錦)」は、漢字で「日本錦」と書くので、「ヒゴニホンニシキ(肥後日本錦)」とも呼ばれる。

 花形:白地に紅の縦絞り、一重、平開咲き、花糸白色、梅芯、大輪、3~4月咲き。葉形:広楕円、中形。樹性:横張り性。[来歴]江戸末期の1830年(文政13)の古文書に名のある古くからの肥後の代表品種。(以上、誠文堂新光社・発行、日本ツバキ協会・編「日本ツバキ・サザンカ名鑑」より転載)

 なお、下記のWebサイトに記載されている情報も参考にしてください。

 http://muromigawa.poke1.jp/syokubutuen/tubaki/yamatonisiki.html
[日本錦 ヤマトニシキ]

花形:一重、平開咲き。梅芯。大輪。花色:白色地に紅色縦絞り。ときに吹掛が入る。開花期:春咲き。葉形:濃緑色。卵状楕円~卵状広楕円形、中大型。鈍頭、円脚。葉質は厚く、鋸歯は鈍い。樹性:やや横張り性。樹性は強い。特徴:弁数6~8枚。花径11cm。長くて太い白色の雄蕊は約200本。梅芯の直径4~5cm。本品種は1830年、江戸白金の「植木屋文助筆記本」に既に見られ、明治45年の「椿花競鑑」には横綱格として載り、以来無類の品として貴重視されてきた。国の光、昭和の光、東雲など枝変わりが多い。

「世界の椿館・碁石」のツバキ(椿) その10:ベトナムの椿・ドルピフェラ

2006年01月29日 | Weblog



「世界の椿館・碁石」の温室には、外国に自生している椿も植えられています。中国、台湾、朝鮮、フィリピン、ベトナム、ポルトガル、イギリス、フランス、イタリア、ベルギー、ニュージランド、オーストラリア、アメリカの13カ国・地域の椿です。

 ツバキ科ツバキ属は、「ツバキ節」「サザンカ節」「カワリバツバキ節」「チャ節」「ヤナギバサザンカ節」「ヒメサザンカ節」に分類されるようですが、「ドルピフェラ」は、「サザンカ節」に属するようです。

 この椿の名札には、「ドルピフェラ C.drupifera ベトナム南部、白色、一重、平開咲き、中輪、花期:11~12月」と書かれていました。



ドルピフェラCamellia drupifera Lour.
別名:「アブラツバキ」(下記のWebサイトより転載)
 http://www.gene.affrc.go.jp/htbin/plant/image/get_logo?plno=56601035

[起源]本種の学名は、はじめはベトナム南部原産のものにつけられたのであるが、英国にも同名で古くから栽培されてきた来歴不明の系統がある。植物分類学上は、ユチャの一系統と考えられている。日本へは、1970年に米国より、1976年には英国より導入された。分布:ベトナム、香港?。

[特徴]花:白色、6~7弁、花径8~9cm。花弁は細長く、弁端が立ち上がり、やや抱え気味に咲く。開花期は11~12月。葉:長楕円形、長さ6~7cm、幅2.5~3cm、表面は暗緑色で光沢は弱い。2n=90

[利用]東京でも戸外で越冬する。

[参考文献]箱田直紀・足立尚義 ツバキ属の原種 西武舞鶴植物研究所報告1:1~54

 なお、下記のWebサイトには、「原産は中国南部、ベトナム」と記載されています。
 http://pocopoco.web.infoseek.co.jp/tubaki/1122.html

「世界の椿館・碁石」のツバキ(椿) その7:コチョウワビスケ(胡蝶侘助)

2006年01月26日 | Weblog


「世界の椿館・碁石」の温室に「コチョウワビスケ(胡蝶侘助)」と書かれたツバキが植えてありました。花が開き切らず筒状にとどまるものがワビスケ(侘助)系ツバキ(椿)の特徴だそうですが、このツバキも「猪口咲き」です。

 日本でのツバキの栽培は、安土桃山時代までさかのぼるそうですが、ワビスケはその最も早い時期から栽培されてきた園芸品種だそうです。

 ツバキは「茶花」として好まれてきましたが、中でも茶人が好んだと言われているのは、これから咲こうとしている開きかけの蕾だったそうです。但し、侘助椿のような一重で花の小さなものは、開花したものが好まれたとか。「ワビスケ」は、茶人たちが特に好んで茶席の花として生けたため、ツバキの中でも特別のものになったそうです。

 「ワビスケ」の名の由来は諸説ありますが、そのひとつ、閑寂を楽しむ「侘び」と芸事を意味する「数寄」とが複合した言葉だという説もあるそうです。

 「コチョウワビスケ(胡蝶侘助)」は、花は小輪で濃い赤に白杢(しろもく)入りの花をつけるので、「ニシキワビスケ(二色侘助)」とも呼ばれるそうです。江戸期に「侘助」と呼ばれていたのは、この「コチョウワビスケ」。生長した木では、正常な葯を持った大きい花もつけるようになる。開花は3~4月。

 なお、紅色地に白斑が抜けたものは「コチョウベニワビスケ(胡蝶紅侘助)」という。

 以上、下記のWebサイトに記載されている文章から転載しました。

http://www.uji-sni.jp/hanasanpo/hana157.htm
[UJI 花散歩 壱百五拾七 閑寂を楽しむ「侘」と芸事の「数寄」-コチョウワビスケ]
また、「シロワビスケ(白侘助)」や「ワビスケ・数奇屋」「ワビスケ・初雁=昭和侘助」の画像も掲載されています。

 http://www.uji-sni.jp/hanasanpo/hana130.htm
[茶花として好まれる-シロワビスケ]

http://www.uji-sni.jp/hanasanpo/hana136.htm
[侘って感じの上品さ-ベニワビスケ]

 http://aquiya.skr.jp/zukan/Camellia_wabisuke.html
[草木図譜 ワビスケ・胡蝶侘助、ワビスケ・白侘助、ワビスケ・数奇屋、ワビスケ・初雁=昭和侘助、ワビスケ・姫侘助、ワビスケの定義、ウラクツバキ(有楽椿)=太郎冠者=有楽(ウラク)]





 
コチョウワビスケ(胡蝶侘助)ツバキ科 ツバキ属 Camellia wabisuke Kocho-wabisuke
花は桃紅地に白斑の一重、猪口咲き、極小輪、成木は同株で大小の花が生じる。侘芯、花は小さく、花粉の出る正常花は大。葉は蝶楕円、中形。樹は立性、伸び小。[
来歴]1704年の狩野常信の写生図が最も古い。
 (以上、誠文堂新光社・発行、日本ツバキ協会・編「日本ツバキ・サザンカ名鑑」より転載しました。)

岩手県立花きセンターの花々 その74:アスパラガス・デンシフロルス’メイリー’

2006年01月08日 | Weblog

岩手県立花きセンターの「研修温室」に、「アスパラガス・デンシフロルス’メイリー’」の鉢植えが置いてありました。

アスパラガス・メイリーユリ科 アスパラガス属 Asparagus densiflorus cv.Myers
ユリ科(Liliaceae)またはキジカクシ科・アスパラガス属は、アメリカ大陸を除く世界の熱帯から温帯地方にある多年草、つる性植物や低木で、その数は100~300種といわれ、日本には4種が自生する。

 真の葉は退化して非常に小さく、通常、葉として見ているものは枝が葉のように変化したもので「仮葉」と呼ばれる。根が発達し、乾燥に強いものが多い。

 「アスパラガス・デンシフロルス’メイリー’」は、南アフリカ原生の常緑多年草・デンシフロルス・デンシフロルスの園芸品種。「スプレンゲリー」と同じ種類であるが、「メイリー(「マイアーズ」とも表記する)」は、かなり茎が直立し、多数の小枝を円筒状に密生するので、姿はかなり異なる。高さ50~60cmになり、小枝には長さ1cmぐらいの仮葉を多数つけ、杉の葉に似ているので、「スギノハカズラ」の別名もある。茎には目立たない刺がある。

 花は白色で、直径1cm弱の赤い実をつける。耐寒性はかなり強く、関東以西では戸外で越冬できる。

チェッカーベリー/ヒメコウジ(姫柑子)

2006年01月08日 | Weblog
「岩手県立花きセンター」のチェッカーベリー/ヒメコウジ(姫柑子)
 2005年12月15日


 岩手県立花きセンターの「研修温室」に赤い実をつけた「チェッカー
ベリー」の鉢植えが置いてありました。和名は「ヒメコウジ(姫柑子)」

チェッカーベリー/ヒメコウジ(姫柑子)
ツツジ科 ゴールテリア属 Gaultheria procumbens
アメリカ東北部原産の常緑性低木。細い茎を叢生してカーペット
状に育ち、革質で光沢のある暗緑色の葉を付ける。葉は冬には赤み
を帯びる。

夏(7~8月)には葉腋に桃白色を帯びた小さなスズランのような
花が咲き、実は次第に大きくなり赤みを増してくる。9月以降に球
形の果実が鮮やかな輝赤色になり、ひときわ美しくなる。
結実期:1~2月、9~12月。(実の観賞時期は年末~2月)

 英名:Checkerberry、流通名:チェッカーベリー、ゴーテリア、
ヒメコウジ(姫柑子)

「チェッカーベリー」は、「ヒメコウジ(姫柑子)」とも呼ばれて
いるが、日本に自生しているヤブコウジ(藪柑子)とは異なり、赤
い実の先が割れていて、鈴のように見える。陽光と排水の良い環境
を好むが、夏の高温多湿には弱いので、夏場は日陰で風通しよく管
理する必要がある。
繁殖は種蒔き(種は微細)、株分け、挿し木など。