peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

岩手県立花きセンターの花々 その55:トックリラン/ポニーテール

2005年12月31日 | Weblog


岩手県立花きセンターの「研修温室」に「トックリラン Beaucarnea recurvata LEM. リュウゼツラン科 原産地:メキシコ東南部」と名札に書かれた植物がありました。


トックリラン/ポニーテールリュウゼツラン科 トックリラン属
 Beaucarnea recurvata(旧属:Nolina tuberculata)
リュウゼツラン科(Agavaceae)トックリラン属は、テキサスとメキシコの乾燥地に約6種が自生している。雌雄別株または雑性異株で、茎は高くなり、通常その基部は大きく肥大する高木状の植物。

 葉は長い線形で堅く、全縁またはざらざらした縁がある。旧属名のNolina(ノリナ)で呼ばれることもある。葉は肉厚で堅く、やや凹み気味で、全体がそり返る。
葉縁はほぼ平滑。生育は遅い。商品名「ポニーテール」で出回っている。

 ポニーテール(Ponytail)とは、髪を後頭部の高い位置で1つにまとめ、垂らした髪型であり、主に女性向けの髪型。毛先がポニー(小型の馬)の尻尾のように垂れていることから付いたもので、「トックリラン」の場合も、葉の出方がこの髪型によく似たものがあり、「ポニーテール」の別名で呼ばれている。

 「トックリヤシ」は、メキシコ東南部(アメリカサバナ気候区)原生。高さ10m、葉は長さ2m、幅2cmになる。鉢栽培でも高さ2mぐらいになる。 

岩手県立花きセンターの花々 その54:パピルス(カミガヤツリ)

2005年12月31日 | Weblog

岩手県立花きセンターの「研修温室」に、「ミニパピルス カヤツリグサ科 学名:Cyperus isocladus 原産地:東アフリカ、マダガスカル」と書かれた植物が鉢植えにされていました。古代エジプトで世界最初の紙をつくったとされている植物のミニ版のようです。



パピルス(カミガヤツリ)カヤツリグサ科 カヤツリグサ(シペラス)属
Cyperus papyrus
 カヤツリグサ属(シペラス属)は、世界の熱帯・亜熱帯を主に温帯も含めて600~700種ある大属とのことで、わが国にもカヤツリグサなど27種自生しているという。
 形や色の面白いものが観賞用として栽培されているが、大部分は雑草で、一部は繊維植物、牧草としても用いられている。1年草または多年草で根茎または塊茎をつくる。

 「パピルス(カミガヤツリ)」は、湿地性多年草で高さ2~3mになる。葉は鞘状となり茎の根元にある。原産地は、アフリカの北部から中部にかけての一帯で、河川の水辺や沼沢地などに群生している。特にエジプトのナイル川沿岸とそのデルタ地帯(アフリカサバンナ気候区)に繁茂するパピルスは有名。

 日本では温室の中の池で栽培されているが、耐寒性は比較的強く、摂氏5度あれば越冬するという。鉢植えでは水に浸して栽培する。

 古代エジプトで、このパピルスから世界最初の紙がつくられたと言われている。茎の隋をテープ状に裂いて、縦と横に重ねて圧搾乾燥し、「パピルス紙(単に「パピルス」ともいう)をつくったということです。シ-トのままで、あるいは「巻物」とされ、後には「本」形式のものも作られるようになったという。今から約5000年前から1000年前迄の約4000年間作り続けられたことになる。

 英語のPaper(ペーパー)やフランス語のPapier(パピ^ル)、ドイツ語のPapier(ぱぴえー)など「紙」を意味する語の多くが「Papyrus(パピルス)」に由来している。

岩手県立花きセンターの花々 その52:アツバチトセラン(厚葉千歳蘭)/サンセベリア・トリファスキワタ

2005年12月30日 | Weblog

 岩手県立花きセンターの「研修温室」に「サンセベリア・トリファスキワタ」という植物が植えてありました。この蘭は、戦前からの古典的な観葉植物で、「アツバチトセラン(厚葉千歳蘭)」と呼ばれている植物のようです。

 名札には、「サンセベリア・トリファスキアタ Sansevieria trifasciata リュウゼツラン科 マイナスイオンを出す植物として話題 原産地:西アフリカ」と書かれていました。


アツバチトセラン(厚葉千歳蘭)/サンセベリア・トリファスキワタ
リュウゼツラン科 サンセベリア(チトセラン)属 Sansevieria trifasciata
リュウゼツラン科(Agavaceae)のサンセベリア属/チトセラン属(Sansevieria)は、アフリカ、南アジアの乾燥地帯に約60種自生する。堅い直立した葉をもつ多年草で、根茎は短くて太い。葉は根茎より伸長し、非常に肉厚で、平らか円柱状となり、しばしば斑や斑紋が入る。

 「アツバチトセラン(厚葉千歳蘭)」と呼ばれるものは、熱帯アフリカ西部(アフリカサバナ気候区)原産の常緑多年性多肉植物で、厚くて剣状に伸びる多肉質の葉は1mにもなる。葉には淡緑色と濃緑色の横縞がある。春に長い花茎を伸ばして、緑白色の花を咲かせる。花は夜間芳香を放つ。アフリカでは葉から繊維を採るために栽培されるという。

 園芸品種も多く、観葉植物として広く流通している。一般には「サンセベリア」の名で呼ばれている。英名:Sansevieria,African Bowstring Hemp,Snake Plant,Mother-in-law'stongue(義母の舌)、中国名:虎尾蘭

 なお、「サンセベリア」の代表的な品種の「ローレンチー(Laurentii)」は、幅広い黄白色の斑が入り「フクリンチトセラン」とも呼ばれる。また、黄色の帯と雲状模様が虎模様に見えることから「トラノオ」とも呼ばれているという。




岩手県立花きセンターの花々 その50:ビカクシダ(コウモリラン)

2005年12月30日 | Weblog

岩手県立花きセンターの「研修温室」に「ビカクシダ(コウモリラン)」と呼ばれる植物が吊るしてありました。属名の「プラティセリウム」とも呼ぶようです。

ビカクシダ(コウモリラン)ウラボシ科 ビカクシダ(プラティセリウム)属
Platycerium bifurcatum
ウラボシ科(Polypodiaceae)の「ビカクシダ属(プラティセリウム属)」は、熱帯アフリカ、熱帯アジアおよび温帯オーストラリアを主に全世界に17種あるとのこと。大型の着生シダで、裸葉と胞子葉の2形である。着生した樹に密着している方が裸葉で外套葉または貯水葉とも呼ばれ、内部に貯水組織をもち、古くなると褪色するが脱落しない。胞子葉は革質で直立、開出または下垂して通常鹿の角状である。

 「ビカクシダ(コウモリラン)」は、東南アジア、オーストロラリア北部、ニューカレドニア(東南アジア熱帯雨林気候区)原産の着生シダで、裸葉は直径20~30cmぐらいで凸出し、浅裂することもある。胞子葉は長さ60~100cmぐらいになり、全体が白色綿毛で覆われている。高温多湿を好むが、冬は乾燥気味にすれば摂氏零度でも耐えられるという。
 なお、「ビカクシダ」という和名は、漢字で「麋鹿羊歯」と書き、幾度も二又する葉が鹿の角のように見えることからつけられたということである。

 「ヒカクシダ」についての詳しい情報は、下記のWebサイトに掲載されています。

 http://ww001.upp.so-net.ne.jp/platycerium/top_aboutplatycerium.html

岩手県立花きセンターの花々 その49:キミノバンジロウ(黄実のバンジロウ)

2005年12月29日 | Weblog

岩手県立花きセンターの「研修温室」にある「キミノバンジロウ」と書かれた植物が果実をつけていました。名札には、「キミノバンジロウ Psidium Cattleianum var.Lucidum フトモモ科」と記されていました。

キミノバンジロウ(黄実のバンジロウ)フトモモ科 プシジウム(バンジロウ)属
Psidium cattleianum var.Lucidum
キミノバンジロウの英名は「イエローストロベリーグァバ(yellow strawberry guava)」と言い、「テリハバンジロウ/ストロベリーグァバ(Psidium Litorale var.langipes)」の変種とみなされている。別名:キミノバンザクロ(黄実の蕃石榴)

 「テリハバンジロウ(ストロベリーグァバ)」は、ブラジル(アメリカ熱帯雨林気候区)原産の低木または6~7mになる高木で、幹は平滑で灰褐色。葉の長さ5~10cmぐらい、革質で厚く光沢がある。花は白色で直径2~3cm、果実は直径3~4cmの淡緑色の球形で熟すと黄色になり、イチゴに似た風味がある。果肉は黄白色で「ストロベリーグァバ」とも呼ばれている。果実は生食するほかジュースやジャムに利用される。

しかし、イエローストロベリーグァバの方が果実が大きく(16~30g程度)、風味も勝ると言われている。
 http://www.sebg.co.jp/curator/archives/2005/09/post_127.html

しかし、「ストロベリーグァバよりも多汁で薄味、糖度が低い(9度前後)ためか酸味が強く、果肉の繊維が多かった」等の理由で、「ストロベリーグァバの方が美味しかった。」という意見もある。
 
 http://www.geocities.co.jp/nettaikajyu/yellowatrawguava.html

なお、キミノバンジロウの花や果実の画像は、下記のWebページに掲載されています。
http://3.pro.tok2.com/~kasya/hanaka/kiminobanjirou01.html
 
http://www.skogs-mulle.org/Park-Guide/020817/020817-2-S.htm