ことし(2006年)の1月20日、陸前高田市の広田半島・大野湾に行きました。下記の画像にある「大野海岸海浜植物群落園」には枯れたコウボウムギ(弘法麦)がありました。
この「大野海岸海浜植物群落園」のある所は「田谷海水浴場」で、「釜ケ崎」という所まで遊歩道が整備されていました。高い防潮堤もありました。
コウボウムギ(弘法麦)/フデクサ(筆草)カヤツリグサ科 スゲ属 Carex kobomugi
海岸の砂地にふつうに生える高さ10~20cmの多年草。茎は鈍い3稜形で、かたくて太い。葉は幅4~6mmの線形で、ふちはザラザラする。
花期は4~7月で、茎の先に長さ4~6cmの卵形~長楕円形の穂状花序を出し、淡黄緑色の小穂を多数つける。雌雄別株、まれに同株。
果胞は長さ約1cmで鱗片とほぼ同じ長さ。柱頭は3個。地中にある暗褐色の古い葉鞘の繊維を筆に使ったといわれ、別名「フデクサ(筆草)」とも呼ばれる。
和名の「コウボウムギ(弘法麦)」の「弘法」は、書道の達人・弘法大師にちなんだもので、「麦」は穂の形からつけられたという。分布:北海道(西南部)、本州、四国、九州
なお、北海道の西南部を除く北海道の海岸の砂浜に生える多年草で「エゾノコウボウムギ(蝦夷の弘法麦)C.macrocephala」というのがある。
「コウボウムギ」に似ているが、茎が鋭い3稜形で上部がざらつくこと、果胞が鱗片より長く、果期に外側へそり返るので、果穂がとげとげしく見えることなどで区別できるという。花期は5~7月。
また、コウボウムギより小さく、日本全土の海岸に生える「コウボウシバ(弘法芝)C.pumila」というのもあるという。高さは6~25cm。葉は茎より長く、幅2~4cmの線形。花期は4~7月。茎の上部には黄色の葯が目立つ雄花の穂がつき、下部には白い柱頭が目立つ雌花の穂をつける。