peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

広田半島大野湾のコウボウムギ(弘法麦)/フデクサ(筆草)

2006年03月30日 | Weblog



ことし(2006年)の1月20日、陸前高田市の広田半島・大野湾に行きました。下記の画像にある「大野海岸海浜植物群落園」には枯れたコウボウムギ(弘法麦)がありました。




この「大野海岸海浜植物群落園」のある所は「田谷海水浴場」で、「釜ケ崎」という所まで遊歩道が整備されていました。高い防潮堤もありました。


コウボウムギ(弘法麦)/フデクサ(筆草)カヤツリグサ科 スゲ属 Carex kobomugi
海岸の砂地にふつうに生える高さ10~20cmの多年草。茎は鈍い3稜形で、かたくて太い。葉は幅4~6mmの線形で、ふちはザラザラする。

 花期は4~7月で、茎の先に長さ4~6cmの卵形~長楕円形の穂状花序を出し、淡黄緑色の小穂を多数つける。雌雄別株、まれに同株。

 果胞は長さ約1cmで鱗片とほぼ同じ長さ。柱頭は3個。地中にある暗褐色の古い葉鞘の繊維を筆に使ったといわれ、別名「フデクサ(筆草)」とも呼ばれる。

 和名の「コウボウムギ(弘法麦)」の「弘法」は、書道の達人・弘法大師にちなんだもので、「麦」は穂の形からつけられたという。分布:北海道(西南部)、本州、四国、九州

 なお、北海道の西南部を除く北海道の海岸の砂浜に生える多年草で「エゾノコウボウムギ(蝦夷の弘法麦)C.macrocephala」というのがある。
「コウボウムギ」に似ているが、茎が鋭い3稜形で上部がざらつくこと、果胞が鱗片より長く、果期に外側へそり返るので、果穂がとげとげしく見えることなどで区別できるという。花期は5~7月。
 
 また、コウボウムギより小さく、日本全土の海岸に生える「コウボウシバ(弘法芝)C.pumila」というのもあるという。高さは6~25cm。葉は茎より長く、幅2~4cmの線形。花期は4~7月。茎の上部には黄色の葯が目立つ雄花の穂がつき、下部には白い柱頭が目立つ雌花の穂をつける。

北上市・詩歌の森公園のマンサク(満作/万作/金縷梅)

2006年03月26日 | Weblog



3月23日、北上市に出かけたついでに北上市・詩歌の森公園に寄ってみました。この公園には、10株余のマンサク(満作/万作/金縷梅)の木が植えられているので、そろそろ見頃になっていると思ったからです。
 小雨が降る生憎の天気でしたが、花の真っ盛りでした。名札が付いていませんでしたので、違っているかもしれませんが、「シナマンサク」か「マルバマンサク」ではないかと思います。















マンサク(満作/万作/金縷梅)マンサク科 マンサク属 Hamamelis japonica

東山町長坂・幽玄洞のマルミノウルシ(丸実の漆)/ベニタイゲキ

2006年03月21日 | Weblog




一関市東山町長坂字東本町の安養寺の隣りに鍾乳洞として有名な「幽玄洞」がありますが、その幽玄洞の入口近くの土手に「ノウルシ(野漆)」に似た植物がありました。
 はじめに目についたのは、赤い株のほうだったのですが、緑色の株もありました。きっと昨年の秋ごろ刈り払われた後に伸びた株だろうと思いますが、近づいてみるととてもきれいでした。

 家に帰って図鑑で調べてみたら、どうやら「マルミノウルシ(丸実の漆)/別名:ベニタイゲキ」という植物のようです。






マルミノウルシ(丸実の漆)/ベニタイゲキトウダイグサ科 トウダイグサ属 Euphorbia adenochlora
「マルミノウルシ(丸実の漆)」という和名であるが、茎や葉を切ると白い乳液を出し、この乳液に触れるとかぶれるからということと、いぼ状の突起のない丸い果がつくことからつけられたそうで、「ウルシ科ウルシ属」の植物ではない。

 また別名の「ベニタイゲキ」は、茎や葉が紅色を帯びることからつけられたという。

 山地の草地に生える高さ40~50cmの多年草。茎は太く、葉は互生し、長さ7~9cmの長楕円形。茎の先に葉を輪生し、葉腋から枝を出して、先端に杯状花序をつける。総苞葉は三角状卵形。腺体は腎円形。子房はなめらかで紅色を帯びる。

 花期は4月。分布:北海道、本州(関東地方以北)

魹ケ崎灯台と本州最東端の碑、そしてハイビャクシン(這百槙)

2006年03月18日 | Weblog
 3月15日、妻が「あなたの誕生日だから行きたい所に行っていいよ!」というので、前から行きたいと思っていた重茂半島(おもえはんとう)の最東端にある魹ケ崎(とどがさき)灯台に行くことにしました。
 この灯台で7年間も過ごした灯台守の妻である田中キヨさんの手記をもとに、1957年に木下恵介監督によって映画化された(「喜びも悲しみも幾歳月(いくとしつき)」とガイドブックで読んだからです。
 若い頃封切りの映画を見て感動したこと、先ごろTV(NHK-BS)でリバイバル放映されたのを見て再び感動したことなどがありました。北の地で夫婦(佐田啓ニと田中絹代)が共に悩みながらも助け合い絆を確かめ合った姿が描かれています。


辿り着いた「白亜の灯台」は、丁度修理中で足場が組まれていたため足場で覆われたようになっていました。
 灯台には平成8年3月まで航路標識事務所の職員が常駐していたそうですが、今は無人とのことです。
 直立する断崖に建ち、明治35年に建てられて以来、被災に見舞われながらも100有余年もの間、航海の安全を祈って明かりを灯し続けています。

姉吉キャンプ場にある上の画像には、本州最東端にある「魹ケ崎(とどがさき)灯台」は、東経142度4分34秒/北緯39度32分46秒の位置にあると記されています。
 


灯台の南側の断崖30mの場所には、田中キヨさんの筆によるという「本州最東端の碑」が静かにこの地を守り続けた人々の強い絆の証を伝えていました。




灯台から「本州最東端の碑」がある台地に下りて行く途中に、「ハイビャクシン(這百槙)」と思われる群落がありました。こんなところによくも生えていると感心するほどの場所で、映画の燈台守夫婦に似ているように思いました。




ハイビャクシン*這百槙)ヒノキ科 ビャクシン属 Juniperus chinensis
 ふつうは海岸の近くに生える常緑高木の「イブキ(伊吹/白栢)」とも呼ばれている「ビャクシン(百槙)/イブキビャクシン(伊吹百槙)」の仲間とのこと。
 横臥性のもので横に広く枝を張るので、「這百槙」の和名がある。葉は鱗片状のものと針状(刺状)のものがあるという。
 花期は4月。雌雄別株、まれに同株。球果は直径7~10mmの球形で、翌年の秋に紫黒色に熟し、白い粉をかぶる。ヒノキ科の中でヒノキやクロベ、アスナロなどは、球果が木質で、熟すと鱗片が開くのに対し、イブキやネズの球果は液果状になるのが特徴。分布:本州(岩手県以南)~九州
 
 本州最東端の魹ケ崎(とどがさき)灯台・本州最東端の碑に辿り着くまで 


 津軽石川が太平洋の宮古湾に注ぐ国道45号線の「津軽石」から41号線に入ると「寒風峠」を経て、山田湾のところで再び45号線に出られる(距離は36.5km)ようなので、狭い道を「どうか対向車が来ませんように!」と祈りながら進行しました。(入って間もなくの「堀内」という所で防潮堤を潜って東進すべきだったのに、間違えて「白浜」の方に進行してしまい少し遠回りしてしまいましたが)41号線から灯台に行く道がある「姉吉キャンプ場」の駐車場に到着しました。




詳しい地図を見ると、重茂(おもえ)漁港~姉吉キャンプ場10.8km間は「自然歩道」があり、姉吉漁港から魹ケ崎灯台までなら3時間で往復できると書いてあります。
 妻は「とても無理!」というのを「ここまで来たのだから、せめて灯台が見えるところまで行こうよ!」と促しながら山道を歩き始めました。





しかし、行けども行けども木々に遮られているのか灯台の姿は全く見えず、結局灯台まで行くことになってしまうのですが、途中で「戻ろう」というのを、今度は妻が「ここまで来たのに諦めたりしたらきっと後悔するから行こう!」と逆に励ましてくれました。







この木何の木? 宮古市・崎山貝塚の木

2006年03月17日 | Weblog
リゾートホテル・グリーンピア田老7階の部屋からは、太平洋が良く見えます。
3月15日は私の誕生日。妻がこの日を選んで予約してくれたのでした。
 朝、妻が「見て!見て!朝日がきれいよ!!」といってカーテンを開けたので、海の方を見ると赤い太陽が昇っていました。起こされる前に一度眺めたのですが、雲がかかっていて良く見えなかったので残念に思っていただけにラッキーでした。
(この画像は6時頃のものです。)ホテルの裏側から見た景色(山や木々)もきれいでした。






妻が国指定史跡・崎山貝塚を見たいというので宮古市街地に向けて国道45号線を南下。田老トンネル、宮古第4トンネル、宮古第3トンネル、宮古第2トンネル、宮古第1トンネルを通過して、崎山貝塚がある路線バスの「崎山小学校前」に着きました。(崎山小学校や崎山中学校、崎山保育園のある辺り)



崎山貝塚は姉ケ崎という岬に向ってのびた台地の上にあり、海からの高さは120mで、海辺からは約1.5km離れているそうです。縄文人たちは海で採った魚や貝をわざわざこの台地のムラまで運びあげて暮らしていたのでしょうか。
 崎山貝塚の周りには沢山の遺跡があるが、崎山貝塚はムラや貝塚の大きさなどからこの遺跡群の中心的な遺跡であると考えられているそうです。

 崎山貝塚について詳しい情報が欲しい人は、下記のWebサイトにアクセスしてください。
 http://www2.city.miyako.iwate.jp/webbase.nsf/
[本州最東端のまち・みやこ/崎山貝塚]

崎山貝塚の「中央広場」と「北貝塚」の間に生えている木々の1本に大きなヤマネコヤナギのような花(つぼみ)を付けたものがありました。
 しかし、「ミヤマハンノキ」とか「ケヤマハンノキ」と呼ばれるものかもしれません。(ご存知の方、教えてください。)