peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

八幡平のオガラバナ(麻幹花)

2006年07月31日 | Weblog



7/26(水)、八幡平の「八幡沼周辺自然探勝路(総延長3,390m)」を歩いた際、県境駐車場から見返り峠に向けて登る坂道のすぐそばに「オガラバナ(麻幹花)」の花と赤い実を見つけました。また、八幡沼尻から八幡沼南側に移る辺りにもありました。






オガラバナ(麻幹花)カエデ科 カエデ属 Acer ukurunduense
山地から亜高山に生える落葉小高木で、高さは5~10mになる。葉は対生し、長さ10~15cmで掌状に5~7つに切れ込み、縁には欠刻状の鋸歯がある。葉の裏面は白っぽい。

 和名は、木の質が軟らかで、「オガラ(麻幹)[麻の皮を剥いだ茎のことで、盆の迎え火を焚くのに使う]」に似ていることによる。別名:ホザキカエデ(穂咲楓)

 花期は6~8月上旬。黄緑色の小さな花が集まった花穂を上向きにつける。花穂は長さ3~4cm。分布:北海道、本州(中部地方以北、奈良県)

八幡平のミヤマコウゾリナ(深山顔剃菜)

2006年07月31日 | Weblog



7/26(水)、八幡平のアスピーテラインは幅の広い道路ですが、「八幡平頂上駐車場」の近くの道路際(山側)に「ミヤマコウゾリナ(深山顔剃菜)」の花が咲いていました。

ミヤマコウゾリナ(深山顔剃菜)キク科 ミヤマコウゾリナ属 Hieracium japonicum
高山帯~亜高山帯の乾いた草地やときには礫地にも生える多年草で、高さは15~50cmぐらいになるが、高山帯では20cm以下の低いものが多い。茎や葉には1~3mmの堅い毛が多くざらざらしており、葉先は丸い。葉のへりは毛だけで鋸歯はない。低山地に生える「ヤナギタンポポ」に近い種とのこと。

 根もとから伸びる葉は大きくて、花の頃にも残っている。茎の途中につく葉はあまり大きくならない。
 7~8月、分枝した茎の頂に直径1.5~2cmぐらいの黒緑色の総苞をつけたタンポポに似た頭状花を咲かせる。花びら[舌状花]は、濃い黄色をしている。

 なお、和名の「コウゾリ」は、茎に剛毛が生えているので、この茎をカミソリ(剃刀)に見立てて、顔が剃れそうという意味である。 

 分布:本州(東北地方~中部地方以北)岩手県内では、八幡平、岩手山、秋田駒、栗駒山、早池峰山にあるという。

 同属に「ヤナギタンポポ」があるが、草丈は1mを超え、花期には根から伸びた葉は枯れている。コウゾリナ属の「カンチコウゾリナ」は、葉のへりに尖った鋸歯があり、葉先は尖る。

八幡平のヨツバシオガマ

2006年07月30日 | Weblog





7/26(水)、八幡平の「八幡沼周辺自然探勝路(総延長3,390m)」を歩いた際、八幡沼北側にある避難小屋「陵雲荘」がある近く(現在地の15)で、「ヨツバシオガマ」が咲いているのを見つけました。毎年咲くようで、案内板にも掲示されていました。



ヨツバシオガマゴマノハグサ科 シオガマギク属
北海道や本州の中部地方以北の高山の草地や砂礫地に生える多年草で、茎は真っ直ぐ伸びて高さ10~60cmほどになる。葉は羽状に切れ込み、ふつう4個ずつ輪生するが、5~6個のこともある。

 花期は6~8月。花は茎の上の方に数段階に層が重なり、紅紫色の唇形花が節を囲むように4個ずつつき、下から上に咲き上がっていく。花弁の先は紅く、くちばし上に尖る。

 和名は、中ほどの葉が4枚、四方に輪生することによる。

なお、別の種というわけではないが、北海道から東北地方北部では、花がたいへん多層につくものが見られ、これを特に「キタヨツバシオガマ」と呼ぶ場合がある。
中部地方などでは花はふつう5~7段階だが、こちらは7~12段階が数えられる。礼文島では草がもっと大型になるので「レブンヨツバシオガマ」ともいう。

八幡平のモウセンゴケ(毛氈苔)

2006年07月29日 | Weblog



7/26(水)、八幡平の「八幡沼周辺自然探勝路(総延長3,390m)」を歩いた際、八幡沼北側の沼尻に近い湿原(「湿性植物群落」14~12)で、「モウセンゴケ(毛氈苔)」を見つけました。気をつけて歩いていれば見つけることができるようです。




モウセンゴケ(毛氈苔)モウセンゴケ科 モウセンゴケ属 Drosera rotundifolia
山地~亜高山の日当たりの良い湿地や池畔などに群生する多年草で、高さは7~20cmほどになる。株元から長さ3~5cmのシャモジ型の葉を放射状に出す。葉の先端に粘液を出す赤い腺毛が生えていて、これで昆虫などを捕食する。

 6~8月、株の中心から10~20㎝ほどに花茎を伸ばし、上部に5弁の白い花を総状につける。花序は初めワラビのように巻いているが、開花するにつけて真っ直ぐに伸びる。花は直径1~1.5㎝で、花序の片側にだけつく。分布:日本全土

 モウセンゴケの仲間には、「ナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔)」や「コモウセンゴケ(小毛氈苔)」というものもあるが、全て食虫植物で、葉に密生した腺毛から粘液を出して虫を捕まえる。虫を捕まえると腺毛と葉で虫を包み込んで、腺毛から消化酵素を分泌するという。

 和名の「毛氈苔」は、葉に赤味を帯びた腺毛が密生しているので、群生すると赤い毛氈を敷いたように見えることから。「コケ(苔)」は、コケのように小さいというもので、苔類ではない。

八幡平のチングルマ(稚児車)

2006年07月29日 | Weblog





7/26(水)、八幡平の「八幡沼周辺自然探勝路(総延長3,390m)」を歩いた際、八幡沼北側の桟道(木道)のすぐそばで、「チングルマ(稚児車)」のオキナグサの実のような花柱が風に吹かれて揺れているのを沢山見かけました。














チングルマ(稚児車)バラ科 チングルマ属
北海道や本州の中部地方以北の高山の雪田周辺の砂礫地、渓流沿い、砂礫の多い草地、水分の多い露出地などに生える落葉小低木で、よく大きな群落をつくる。

 高さは5~10cmぐらいで、茎は横に這って広がる。葉は奇数羽状複葉。小葉は厚みがあり、3~5対ある。秋には美しく紅葉する。花つきがよく、盛りには一面を覆い隠すようなこともある。

 花期は7~8月上旬。花は白~淡いクリーム色で直径2cmぐらい、枝先に1個ずつつく。花弁は広楕円形で5個、縁は波打つ。傾斜地では雪解けの早い方から花が咲くので、よく花も実も同時に眺められることがある。

 花が終わると雌しべの花柱が3cmほど延びて羽毛状になる。初めはよじれているが、次第にほぐれてオキナグサの実のような羽毛状になる。光を受けて輝き、風にふかれて羽毛状の花柱が揺れる姿は、花にも劣らない魅力がある。

なお、下記のWebサイトに八幡平山頂に群生する「チングルマ」の花の画像が掲載されています。http://www.ink.or.jp/~kankou18/180708sancho.html[7/8の八幡平山頂の様子 その2]